Malaria! “New York Passage”

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Malaria!については、以前にも取り上げましたが、元々、全員女性バンドであったMania D.から発展したバンドで、こちらも全員女性バンドになっています。以前にも紹介していますので、あらましについては、前回のバイオグラフィーをご参照下さい。それで、Malaria!は、1981年、西ベルリンで、Gudrun Gut (Drs, B)とBettina Köster (Vo, Sax)によって結成されており、同年、セルフタイトルの12インチ・マキシ・シングルを出しています。その中に収録されている曲B1 “I Will Be Your Only One”が、今回は5人のメンバーで、かつニューヨーク録音によって、A面”Your Turn To Run”に生まれ変わったんです。他の3人と言うのは、Susanne Kuhnke (Synth, Kbd), Manon Duursma (G), Christine Hahn (B, Drs)です。テンポも上がって、バックの音も厚くなり、Voも多重録音することで、かなり垢抜けた印象になりました。B面もポストパンク的なアレンジが為されており、随分と雰囲気が変わっています。実際、このシングルが最も売れたアイテム(USでもヨーロッパでもインディーズ・チャートでトップ10に入っています)で、これがキッカケで、The Birthday Party, John Cale, Nina Hagenとツアーも出来るようになりました。また、本シングルの”Your Turn To Run”及び他2曲(“You You”と”Gold/ Money”)は、米国人監督Anne Carlisleによる、独逸のドキュメンタリー映像”Super 80”にもMVが使われています。あと、彼女等は、英詞で歌っていることも多く、割と早いうちから、英語圏への進出を考えていたのかなとも思います。でも、私が好きな曲は独逸語歌詞の曲なんですよね。と言う訳で、Malaria!で最も有名なシングルを紹介していきます。A面はEnglish Sideとして、先述の曲1曲で、B面はDeutsch Seiteとして2曲、収録されています。それでは、それぞれの曲をご紹介していきます。

◼️English Side
★A “Your Turn To Run (I Will Be Your Only One)” (4:11)は、太いSynth-BとドコドコしたDrsのリズム隊に、ポストパンクっぽいGと朗々としたVoや囁くようなVo (ひょっとしたら別人?)が自在に絡む、正にMalaria!らしい名曲ですね。間奏のSaxもグーだし、終わり方も秀逸です。元曲”I will Be Your Only One”よりもずっと垢抜けています。
◼️Deutsche Seite
★B1 “Zarah” (3:20)は、虫の音みたいなシンセで始まり、やはり都市民族的リズム隊が入ってきて、それに合わせておどろおどろしいようなVoが入ってくる曲で、GよりシンセやVoに重心を置いているところがMalaria!っぽいです。
★B2 “Duschen” (4:14)では、ややフリーっぽいDrsとBをバックに、Voが入ってきたと思ったら、いきなりアップテンポで走り始めていき、サビで一旦落ち着くのですが、また走り回ります。間奏のSaxやChoirも良いアクセントになっています。

 個人的には、Deutsche Seiteの方が好みなのですが、まぁ、それは人それぞれと言うことで。それにしても、A面は相当、垢抜けていると思われます。それと、裏ジャケの彼女等の写真がカッコ良いこと! 皆さんもこれを聴いて、独逸産都市部族的音楽を堪能してみて下さい!

https://youtu.be/hQCDbguGeT0?si=r_wEwmfGV39pEjGo

[オマケ: A面元曲”I Will Be Your Only One”]
https://youtu.be/rC1aOSfjmqA?si=gUuyG_N2RD8jb8dk

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