V. A. “Magnetband: Experimenteller Elektronik-Underground (DDR 1984-1989)”

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もうタイトルだけで、買っちゃいそうですよね?と言う訳で、いつもお世話になっているSuezan Studioの小柳カヲルさんの個人輸入品をポチりました(いつも有難うございます)。ここで言うDDRとは旧東独逸のことで、1984年〜1989年に東独で作製された音源のコンピと言うことになります(大昔、メールアートをやっていた時に、東独の方と交流がありました)。1989年と言うのはベルリンの壁が壊されて、翌年に東西独逸が統一された年です。流石、Bureau Bはやってくれますね!ほぼ全部、名前も聞いた事も無いバンド/アーティストばかりなので、聴くのが楽しみです。内容は、A面8曲/B面6曲が収録されています。それでは、各曲と各バンドを紹介していきましょう。

★A1 A. F. Moebius “Erika”は、1986年2月17日にKarl-Marx-StadtのStudio Sonnenklangで録音され、スプリット・カセット作品Heinz & Franz / A.F. Moebius ”Alle Aufnahmen”/“Eine Auswahl”から抜粋で、この作品に参加しているメンバーは、数学をやっていて思い付いたFrank Bretschneider (Tapes, Rhythm-Machine, Synth)で、彼のソロ・プロジェクトと言うことです。物音ノイズとシーケンスとチープなリズムマシンによる曲ですが、ブレイクがあったり、電子宇宙音が絡んできたりと遊び心一杯です。
★A2 Kriminelle Tanzkapelle “Klatschmohn”は、1085年4月4〜5月に、Karl-Marc-Stadtで録音され、Kriminelle Tanzkapelleのカセット作品”Glückliche Jahre”より抜粋で、Frank Bretschneider (Synth, G, Tapes, Drs-Machine)とFritz-Hendrik Melle (Sax, Vo)のデュオです。シンセのパルス音に合わせて、テープによる語りが続く中、本当のVoも混ざってくる曲で、シーケンスがミニマル極まりないです。
★A3 Heinz & Franz “Immer”もA1と同じスプリット・カセットから抜粋で、Frank Bretschneider (G, PC Programming)とHeinz Havemeister (G)のデュオです。6/8拍子のマシンリズムとシーケンスに、ややブルージーなGが爪弾かれる曲で、独逸ならではの「電子ブルース」ですね。
★A4 Magdalene Keibel Combo “Er Hat’s Geschafft”は、BerlinのBergstrasseのFrank Trögerのアパートで録音され、1989年発行の雑誌"Verwendung第6号の付属カセットより抜粋で、Paul Landers (G, 後にヘビメタバンドRammsteinに加入)とChristian Lorenz (Kbd, 後にRammsteinに加入)のデュオです。何とも奇妙な変則打ち込みで、その内ディレイを掛けたVoも出てきて、やや重厚なシンセも被ってきます。とても彼等がRammsteinに加入するのは思えません。
★A5 Choo Choo Flame “Nein”は、Metzer通りのSchwarzer Raumで録音されており、メンバーはBo KondrenとKoren Mattingのデュオで、Supertrack 24, EMAXも使っています。サンプリングした具体音等を使いながらも、ゆったりとしたベースラインが楽曲を奏でていて、ダークな雰囲気です。
★A6 Stoffwechsel “Fly, Fliege, Fly”は、1989年11月に、Insel Studioで録音され、Frank Tröger (Sequential Prophet 2000 Synth)とFlugzeug (同上)が当時のメンバーで、この2人のカセット作品”Le Petit Orkos”から抜粋です。なお、Frank TrögerはChristian Lorenzの別名義でもあります。結構凝ったダウンテンポなリズムの打ち込みで始まり、重厚なシンセ音も入ってきたり、また逆回転やパンニング或いはダブ処理されたりと凝りまくった曲で、打ち込みの適度な緊張感が心地良いです。
★A7 Corp Cruid “37 °C”は、1988年にZionskirchplatzのRonald LippokのアパートでUHER 4-トラック・レコーダーで録音され、Corp Cruidのカセット作品”Corp Cruid I”より抜粋で、この時のメンバーはRobert Lippok (Clarinet, Kbd, Drs-Machine), Ronald Lippok (Vo, Kbd, Tapes, Brass), Alexander Wolf (Perc, Services), Erik Huhn (Kbd, Drs-Comp, Mix), Detlef Pegelow (G, B), Jogey (Vo, Perc, Drs-Comp), Bert Hidrbrandt (Clarinet)です。オルガンらしき重厚な音と反復する民族打楽器とテープの語りで持っていく曲で、最後はそれまでの音が無くなり、ドローン音となり終わります。
★A8 Taymur Streng / Ornament & Verbrechen “Das Sentimentale Ufo”は、1985年にMahlsdorfのHeimstudioで録音されており、Robert Lippok (Kbd), Ronald Lippok (Kbd), Taymur Streng (Kbd)のトリオてす。何だか不安定で不明瞭なKbdのアンサンブルで、あっと言う間に終わってしまう小曲です。
★B1 Der Demokratische Konsum “Die Kuh”は、1989年初頭に、Fehrbelliner通りのアパートで録音、Metzger 通りのSchwarzer Raumでミックス・編集されており、この時のメンバーは、Deo Buschkowski (G), Wolfram Ehrardt (Drs), Ralf Haupert (Casio), Heiko Roder (Vo, Coffee-mill), Ralf Scheff (Pauker), Stefan Schröter (B)です。絶叫型エレクトロ・パンクな曲です。勿論、GやDrsも入ってますよ。
★B2 A. F. Moebius “Böser Traum”は、A1と同じスプリット・カセット作品より抜粋で、Frank Bretscheifer (Synth, G, Delay, Sample, Vo)のソロユニットです。Gで刻んでリズムを作り、ヒソヒソ声のVoで歌うスタイルの曲ですが、当然、シンセやリズムマシンも使用。
★B3 Gesichter “Sk 8 Gesichter”も、B1と同じ、1989年発刊の雑誌Verwendung第6号付属のカセットより抜粋で、メンバーは、Paul Landers, Christian ‘Flake’ Lorenz (Casio SK, B)とBo Kondren (EMAX)のデュオです。ホールのような所で生録したような音とスタジオ録音のキックの対比が面白い。前者には延々と繰り返すサンプリングされたVoが含まれています。
★B4 Ihr Arschlöcher “Urtramp”は、1988年4月11日にMetzer通りのSchwarzer Raumで録音され、1989年発刊の雑誌Verwendung第6号付属のカセットより抜粋で、メンバーはBo KondrenとAlexander Krieing (Drs-Pad, EMAX, Arpeggiotor, Roland Delay)のデュオです。単調なマシンリズムとエコーの効いた場所で録音されたスネアや電子拡散音などが混ざってきますが、テンポアップした後に、音塊になります。最後は民族音楽調のマシンリズムで終わります。
★B5 Aponeuron “Jab Gab Hej”は、Weißensee Art Collegeのアシッドパーティで作られた曲で、1989年発刊の雑誌Verwendung第6号付属のカセットから 抜粋で、メンバーはBo Kondren, Paul Lander, Ronald Lippok (Supertrack 24. EMAX)です。始めの咆哮からの四つ打ちテクノで、シーケンスもかっこ良いんですが、後半変態的なフレーズになっています。
★B6 Robert Linke “Musik Zum Weltuntergang”は、1987年5月28日に、Volksbühne Berlinで初演のLother Trolle作/指揮Jürgen Verdofskyによる演劇"Weltuntergang Berlin II - Szenen Und Berichte Aus Der Geschichte Der Stadt"の譜面から起こして作成された曲で、持続電子音がメインで、そこに金属音と思わしきパルス音が入ってくると言う単純にしてストイックな曲です。

 東独の地下音楽については、それ程期待はしてませんでしたが、このアルバムは楽しめました。キュレーションをしてくれたBernd Jestram, Bert Papenfuß, Bo Kondoren, Ronald Lippokの努力とセンスが光りますね(ほぼほぼ身内みたいな感じがしないでもないが、、、)❗️もし、旧東独の音楽に興味が有れば、このアルバムは良いサンプルになりますので、是非とも聴いてみて下さい!

A1 A. F. Moebius “Erika” (2:37)
A2 Kriminelle Tanzkapelle “Klatschmohn” (2:50)
A3 Heinz & Franz “Immer” (1:36)
A4 Magdalene Keibel Combo “Er Hat’s Geschafft” (2:33)
A5 Choo Choo Flame “Nein” (1:34)
A6 Stoffwechsel “Fly, Fliege, Fly” (5:12)
A7 Corp Cruid “37 °C” (3:24)
A8 Taymur Streng / Ornament & Verbrechen “Das Sentimentale Ufo” (1:02)
B1 Der Demokratische Konsum “Die Kuh” (2:36)
B2 A. F. Moebius “Böser Traum” (1:46)
B3 Gesichter “Sk 8 Gesichter” (2:30)
B4 Ihr Arschlöcher “Urtramp” (4:05)
B5 Aponeuron “Jab Gab Hej” (2:27)
B6 Robert Linke “Musik Zum Weltuntergang” (8:59)

[B10 A. F. Moebius “Böser Traum“]
https://youtu.be/knGpv2tD6zo?si=yl-ntwbcsRba0S0-

[full album]
https://youtu.be/Zf1RUI08pmY?si=vRJUaNWj5eKm8uQj

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