Tom Tom Club “s/t (おしゃべり魔女)”

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本家のTalking Headsではなく、今回は、そのバンドのリズム隊からスピンオフしたバンドTom Tom Club (以下、TTCと表記)をご紹介します。先ず、TTCのバイオグラフィーを紹介したいと思います。米国バンドTalking HeadsのTina Weymouth (B)とChris Frantz (Drs)の夫婦が、1981年に、サイドプロジェクトとして始めたのが、TTCです。2人は、Compass Point All StarsのメンバーやAdrian Belew (G)、それにTinaの姉妹達の比較的緩い関係で録音したり、ライブを行ったりしています。TTCと言うネーミングは、元々、1980年のTalking Headsのリハを行ったバハマのダンスホールから付けられたとのこと。そして、1980年代初頭に出したシングル”Genius Of Love”や”Woody Rappinghood”がヒットしたこともあって、ダンス・ミュージック・シーンで成功を収めます。それで、これらの曲も含んだファースト・アルバムをSire Recordsからリリースし、そこそこの成功を収めていますが、David Byrneには無視されていました。しかし、"Genius of Love"は、色々なアーティストにサンプリングされ、それはHip Hopの黎明期とも関係しています。一方、英国でもこの曲の短縮盤が、1982年に12㌅EPでIsland Recordsから配給され、英国ではThe Driftersの”Under the Boardwalk"のカバーが英国Top 40に食い込む程のヒットを記録しています。た、”Genius of Love”は、1984年に、Talking Headsのコンサート映画”Stop Making Sense”にもフィーチャーされています。しかしながら、翌年にリリースしたTTCのセカンド・アルバム”Close to the Bone”はヒットしませんでした。ただ英国盤は6種類のカラー盤でリリースされており、Treacherous Threeは、シングルカットされたTTCの"Pleasure of Love"をサンプリングしていたりもします。その後1988年に4年振りに、TTCは、サード・アルバム”Boom Boom Chi Boom Boom”をリリースしていますが、この時には、米国外のレーベルFontana/PolyGramと契約しており、内容も、もう少しエッジの効いたロック調の作品が制作されています。しかしながら、このアルバムでも商業的成功は収められず、1992年には、4枚目のアルバム”Dark Sneak Love Action”をリリースしています。このアルバムには、Hot Chocolateの”You Sexy Thing”のカバー曲も含んでおり、全体としては、よりテクノに近いた内容です。2000年には、5枚目のアルバム”The Good, the Bad, and the Funky”をリリースし、これにはDonna Summerの”Love To Love You Baby”とLee “Scratch” Perryの”Soul Fire”のカバー曲を含んでいます。2002年にはTalking Headsがロックの殿堂入りを果たしますが、その後、TTCとしてのライブも時々と言う風に少なくなっていきます。しかしながら、現在もWeymouthとFrantzはTTCを現役で活動を続けているとのことです。 
 と言うのが、TTCのザッとした流れです。ではTTCのファースト・アルバムで本作品でもある”おしゃべり魔女”の紹介をしていきましょう。
★A1 “Wordy Rappinghood (おしゃべり魔女)”は、結構、Weymouthのラップ調のVoと着実でタイトなリズムとシンセやPercが初々しくも、弾けるような曲です。当時はよく流れていましたね。
★A2 “Genius Of Love (悪魔のラブソング)”は、A1に連続して始まり、Weymouth姉妹のコーラスワークが映えるファンキーな曲です。シンセのリフが癖になります。しかし邦題は酷いんじやない?
★A3 “Tom Tom Theme (トムトムクラブのテーマ)”も、連続して始まり、Percをふんだんに使ったリズム楽器だけのインスト曲です。
★A4 “L'Éléphant (エレファント)”は、Adrian Belewお得意の「パォーン」なGワークとダンサブルなリズムに、Weymouth姉妹の可愛らしいコーラスワークが冴えています。
★B1 “As Above, So Below (魔法は気まぐれ)”は、DrsとPercとKbdの刻みが絶妙な曲で、やはり姉妹のコーラスが素人っぽくてキュート!間奏のシンセがピロピロしてて、グーです。
★B2 “Lorelei (ローレライ)”は、ちょっと落ち着いた雰囲気の曲ですが、多分それはウィスパーなコーラスのせいでしょう。曲自体はダンサブルです(Aunt Sallyとは同名異曲)。しかし、結構、細かい所に凝った音作りしています。
★B3 “On, On, On, On... (オン・オン・オン)”は、割と直線的なビートの曲で、ファンクっぽくはないです。そんなロックなビートと姉妹のVo/掛け合いが良くマッチしています。ダブ処理もあり。
★B4 “Booming And Zooming (ブーミングとズーミング)は、フニャフニャなシンセとビートに、変調(男性)Voによる語りが乗る曲で、最初と最後だけ姉妹のコーラスが聴けます。ちょっと毛色が違う曲です。

 Talking Headsより肩の力が抜けた感じで、楽しんでやっている感がひしひしと感じられます。それも、キュートかつ素人的なWeymouth姉妹のコーラスがメインVoであることによるのでしよう。また、よく聴いてみると、曲の至る所にダブ処理などちょっとだけ凝った音作りも発見できて、そこら辺の塩梅がアート臭くないポップネスになったのではないか?と思います。肩の力を抜いて聴く時に良いかも❗️またはビール片手に軽く踊る感じかな?

A4 “L'Éléphant (エレファント)”
https://youtu.be/pll08D09IJk?si=u6Sf-7ACBQeYhcWC

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLE2DNBZSMVztRgpDFQ8-jAaAuhjbDkWVh&si=tWL4wvmLT9yRJovC

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