Mathématiques Modernes “Les Visiteurs Du Soir”

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これは私も知りませんでした。仏のシンセ・ウェーブ・デュオMathématiques Modernes (「マセマティク・モダーンズ」と発音? 以下、MMと表記)の唯一のアルバムです。オリジナルは1981年なので、本作品はリマスタリングした再発となります。なので、ちょっと調べてみました。基本、メンバーは、Edwige Braun-Belmore (「エドウィジュ・ブラウン-ベルモア」)とClaude Arto (「クロード・アート」)ことFabrice Thiessetの2人組です。Arto (男性)の方は、このMM以前にはJean NéplinとElectromenagexと言うバンドで活動していたシンセ・オタクとのことですが、2013年8月には他界しています。一方、Braun-Belmore (女性)は、歌手、アーティスト、女優及びパリとNYCでの夜のカルト・アイコン的存在だったと言うことで、1976/1977年には、新しいパリのパンク・シーンのアイコンとして活動しており、Helmut Newtonが彼女の写真を撮り、雑誌Façadeの表紙をAndy Warholと共に飾り、「ポップの法王、パンクの女王に会う」とのキャプションが付けられたりしています。また、Jean Paul Gaultier, Thierry Mugler, Pierre et Gillesのモデルとしても活動していましたが、やがて、先述のArtoとシンセ・ポップ・デュオMMを組んで出したシングル”Disco - Rough”がNMEの「今週のシングル」に選出されたりしています(が、これは彼女が、ナイトクラブLe Palaceで激しく繰り返しシングルをかけろと懇願したとか?)。その後、1970年代後半には、彼女はNYCに度々行き、Warholのスタジオ54で、クラウド達とまぐわっていたとか。また、噂では、彼女は、Grace JonesやSade Aduとかとデートもしていたとか。その後、AduやDebi Mazar及びKeith Haringと共にナイトクラブDanceteriaを始め、更には彼女自身のクラブも運営していましたが、やがて、マイアミに居を移して、クラブ・ライフから脚を洗い、2015年9月15日に58歳の若さで他界しています。と言う訳で、MMとして活動していたのは1979年〜1982年だとされています。まあ、これ位しか情報は無かったです(すまん!)
それで、彼等の唯一のアルバム“Les Visiteurs Du Soir”について、紹介していきます。今回の参加者は、Edwige Braun-Belmore (Vo)とClaude Arto (Kbd, Synth)の他に、Hervé Zenouda (Drs), Bruce Grant (Sax, Brass & Strings Arrange), Glenn Ferris (Trombone), Longiner Parsons (Trumpet)もゲストで参加しています。A面4曲/B面5曲となっております。
A1 “Paris Tokyo”は、生ドラムと辿々しい仏語ヴォーカルとゴージャスなプラスが入っているせいか、1980年代初頭の「業界ニューウェーブ」な感じがしますね。
A2 “TV Night”は、確かにベースラインの入れ方はシンセ・ウェーブのそれなのですが、やはり「業界臭」がします。この曲ではプラス系の音はそんなには入ってはいません。ちょっぴりアンニュイですね。
A3 “A + B = C”は初っ端のシンセのSEから始まり、ハルメンズっぽい曲になっていきます。曲名もそれっぽいですし。
A4 “Jungle Hurt”はちょっと大人っぱい雰囲気が光る落ち着いた曲で、ストリングスとプラスのアレンジが良い感じです。これまた、シャレ乙なバーでウイスキー片手に女の子を口説いているような、、とは言い過ぎか。
B1 “Disco Rough”は、ヒットしたシングル曲でもあるのですが、割と今までの業界ニューウェーブではなく、どちらかと言うと、電子音が目立つシンセ・ウェーブな可愛らしい曲です。
B2 “Boy Be My Toy”は、変なシンコペーションと転調が取り入れられている複雑な曲で、ここら辺の曲作りは流石だなと感心してしまいます。
B3 “Réponds-Moi”は、ストリングスが効果的な落ち着いた曲で、ちょっとだけシャンソンっぽいと言うかしっとりとした雰囲気になっているスローな曲です。
B4 “Athletical Mystery”もやや複雑な展開の曲ですが、何だかYapoosとか上野路司辺りを思い起こしてしまいました。とは言っても、そこまで、ヴォーカルにアクの強さは感じませんが。
B5 “TV Night (Instrumental)”もゴージャスなプラスと複雑な曲構成から成り、ヴォーカル無しでも充分に聴き応えがあります。
 全体的には、やはり1980年代初頭の業界ニューウェーブと言うシャレ乙な音楽、それも日本とかで流行ったような音楽で、まあ、彼等の背景を考えると、そうなってしまうのは当たり前かもしれませんね。あと、気になったのは、ヴォーカルの音量が低めにミックスしてある点ですかね。多分、仏語の発音に関係するかもとは思いましたが、もう少し聴き取れる位が良いかな?好き嫌いは分かれるとは思いますが、何か懐かしく思いました。そんなゴージャスなニューウェーブ、聴いてみますか❓

B1 “Disco Rough”
https://youtu.be/wqz9Ttp0s1k?si=Jl4E5twUJVtBcl-A

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_m4mYs7RuIZ-U-8zFR9JnwLIHBlUq0XYOA&si=VfUXiegS4rtTfoeJ

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