Factrix “Scheintot”

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今回はアメリカのインダストリアルの始祖とも言えるSFのFactrixのファーストアルバム ”Scheintot (「どうやら死んでる」の意味)です。簡単にFactrixのバイオグラフィーを。1978年に、Bond Bergland, Cole Palme, Joseph T. Jacobsの3人によって西海岸SFで結成されたインダストリアル・バンドで、Monte Cazazza等との協力によって、アメリカ西海岸のインダストリアル・シーンを活性化しますが、1982年に解散してしまいます。その活動の間に、前述のMonte Cazazzaを始めとして、映像作家のRuby Ray, Tana Emmolo-Smith, Survival Research Laboratories (ロボットマシンによる擬似戦争パフォーマンス・グループのSRLです)やMinimal ManことPatrick Millerとの共同作業にも注力しています。Subterranean Recordsなどからのリリースもありましたが、西海岸での評価が、中々、世界的な評価に繋がりませんでした。そんな中でも、NYの音楽ライターCarlo McCormickは「先見の明があり、後続に影響を与えた偉大なバンドの一つ」と評価していました。
それで本作についてです。メンバー3人は基本的にはG, BとSynthを分担して、バックにはリズムボックスを使っていました。しかしながら、Grim side (B面のことで、A面はParty sideになってる)ではヴァイオリンも使ってるみたいです。内容的には、T.G.やCabsからの直接的影響とV.U.からのインスピレーションが顕著ですね。そう言う意味では、次のライブ・アルバム ”California Babylon”の方が面白かったりもします。人によってはArt BearsやKing Crimsonからの影響もあるとか。反復する不明瞭なベースライン、単調なリズムボックス、時に単調に時に痙攣するギター、ダルなシンセとヴォーカル。これらは正しく「インダストリアル・ミュージックの亡霊或いはエピゴーネン」なのかもしれません。この作品は、まさに「西海岸の闇/不穏」ですね。興味を持たれたら、その闇を体験してみてください。

◼️Party Side
A1 “Eerie Lights”
A2 “Heavy Breathing”
A3 “Center Of The Doll”
A4 “Thin Line”
A5 “Anemone Housing”
◼️Grim Side
B1 “Over My Shoulder (And Out Of My Life)”
B2 “Ballad Of The Grim Rider”
B3 “Snuff Box”
B4 “Phantom Pain”

https://youtu.be/SLO0mH-BKnQ?si=KWty2_rFmprckprO

[full album +bonus tracks]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mZ8EdAmIdc8SjBsLLJK4cWmUFuKzpiZiw&si=Gan7vK_Jj4LY04QO

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