Kraang “Uro: 1981-83”

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皆さんはKraangのことを知っていますが? Kraangとは、本名John Russell Murphy (以下、John Marphyと表記)のことで、彼は、主に、豪州や英国で、SPKやThe Associatesのドラムを担当していた伝説のドラマー/パーカッショニストですが、惜しくも2015年に他界しています。もう少し、詳しく、彼のバイオグラフィーを紹介しておきます。生まれは1959年に豪州VictoriaのMelbourneで生まれており、父親がジャズ・ドラマーだったこともあって、幼少の頃から打楽器の練習はしていたようです。1977年に、Murphy (Drs)は、Adam Punk (本名Gavin Quinn: Vo), Jarryl Circus (本名Jarryl Wirth: G), Joy Relentless (本名Julie Jordan: B)と共にパンクバンドNewsを結成しており、1978年には シングル"Dirty Lies"等数枚のシングルを出していました。しかし、MurphyはNewsを脱退し、Ollie Olsen (Vo)のバンドWhirlywirldに加入します。MelbourneのバンドPrimitive Calculatorsに習って、このバンドもちょっとした実験音楽シーンで、インスト・バンドとして活動していましたが、Murphyは、ここでかなりアクティブに活動しています。例えば、1986年には、Richard Löwensteinが脚色した映画”Dogs in Space”のディレクターをやったりもしています。1980年に、MurphyとOlsenはLondonに移り、そこでHugo Klangを結成、1982年にシングル"Grand Life for Fools and Idiots"をリリースしますが、1984年にMurphyは豪州に帰り、1990年代初頭までに、そこで、Olsenと共に、色々なポストパンク・バンド(Orchestra of Skin and Bone, NO, Max Q)で演奏しています。一方、Murphyは、英国/豪州でも、インダストリアル系のバンドを含めて、the Associates, Dumb and the Ugly, Harpoon, Sooterkin Flesh, the Slub, SPK, Lustmord, Our Father of Serpents, Stress, Jaundiced Eye, the Wreckery, Box the Jesuit, Bushpig, Whitehouse, Death in June, Der Blutharsch, Sword Volcano Complex, Browning Mummery, Current 93, Blood Axis, Kraang, Sleeping Pictures, Scorpion Wind, Naevus, Nikolas Schreck, NON, Of the Wand & the Moonでも活躍しており、Nico, Zeena Schreck, The The, Gene Loves Jezebel, Shriekbackでもヘルプで参加しています。Murphy自身は、Shining Vril名義でソロで録音もしており、また、インダストリアル・トリオKnifeladderやフォーク・ノイズ・グループForesta Di Ferroや、インダストリアル・トリオLast Dominion Lostの一員としても活動しています。しかしながら、Murphyは、2015年10月11日に、56歳と言う若さで、Berlinで病死しています。ザッとJohn Murphy個人のバイオグラフィーはこのように成りますが、Kraangは、1980年終わり頃に活動開始したMurphyのソロプロジェクトで、”Krang Music”をカセット作品で出しています。一方、Kräng, Krang, Rkang, Kangと言った名称でもライブ活動も行っており、2007年頃、Till BrüggemannとAnnie Stubbsと一緒に演る時にはKrankとも名乗っていました。
それで、本作品の内容についてご紹介します。本作品Kraag名義で、1981-1983年の期間にリリースした作品からの選曲となっています。Kraagが有名になったのは、恐らく、SPKやWhitehouse, Lustmordなどのインダストリアルやパワ・エレの大物に参加していたからでしよう。それで、独Tesco Organisationが、Kraang名義のセルフ・コンピをリリースしたのだと思います。それで、本作品ですが、両面共2曲ずつ収録されていますが、どこかのコンピやアルバムに発表済みで、未発表音源ではないです。また、これらは、1981年1月〜1983年9月にLondonで録音された音源で、使っている機材については、EMS AKS Synthと安物の機材だけだそうです。では、各曲を紹介していきます。
A1 “Agony”は、金属類等を引き摺るような/摩擦するような強靭なノイズの塊から成る6分程の曲で、恐らく、ライブ録音ではないかと思われる荒々しさをバシバシ感じます。
A2 “Neurasthenia”も金属質なノイズとザラザラして歪んだ電子音がゴリ押しのように押し寄せてきます。時にラジオ音のようなチューニング音等も聴取可能です。それにしても、凄い熱量ですねー!
B1 “Man Is Meat”は、腐食した電子音に、ヘロヘロのヴァイスが被る曲で、これ、聴き方によっては、所謂「物音系」ノイズを激しくしたようでもありますね。ここではハッキリとラジオ音(或いはテープ音)が聴き取れるので、余計に怪しさ満点ですね。タイトルを見ると、某アーティストは嫌悪するかも。
B2 “Uro”はフィードバックを多用したノイズ曲で、カットアップのようなテープ操作もしているようです。今までの3曲と違って、音質がマシになっており、その分、荒々しさは無いですが、音を操作すると言う行為がより鮮明になっており、単に一発録りではないのだなと感心します。しかしながら、これがシンセの音か⁈と思える程、凶悪な出来栄えになっています。
正直、私は、このLPがリリースされるまで、John MurphyもKraangのことも知りませんでした。多分、WhitehouseやSPKが当時はそれ程好きでは無かったことによるのかも知れません。本作品は、正直言って、音は悪いです。しかしながら、それを越えるだけの熱量を持ったノイズ・ミュージックがそこにはあります。なので、初期ノイズ、時にSPKなんか辺りに興味のあるリスナーさんは是非とも聴いて欲しい一枚です‼️

A2 “Neurasthenia”
https://youtu.be/wZNfo02eICM

“Uro” (1982)
https://youtu.be/XhkPE1hsLB4

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