Moebius, Neumeier, Engler “Other Places”

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これは、独逸音楽好きなら、買うっしょ!と言う訳で、今回は、Moebius, Neumeier, Engler の独新旧3人のコラボ作品”Other Places”をご紹介します。もうお分かりのように、ClusterのDieter MoebiusとGuru GuruのMani NeumeierそしてDie KruppsのJürgen Englerの三つ巴のコラボ作品”Other Places”です。実は、これはBureau Bによる再発盤なのですが、オリジナルは、1996年に米国Hypnotic Records (Cleopatra Recordsの傘下のレーベル)より、Cosmic Couriersと言うユニット名でリリースされていました。ただ、Cleopatra Recordsが勝手に付けたユニット名で、1970年代初頭〜中期に活動していたRolf-Ulrich KaiserとGille Lettmannから成るバンドCosmic Couriers (同音異バンド)とは全く関係が無いですし、紛らわしので、再発に当たって、個人名の列挙と表記を変えており、ジャケも思いっきり変えています。それから、各人のバイオグラフィーについては、それぞれ既に書いてありますので、そちらをご参照ください。それで、何で、この組み合わせなのか?どう言うコンセプトで演ることになったのか?について書いてみますが、どうも、完全即興で演ってみたらどうなのか?と言うのが、最初にあったコンセプトらしいです。使用楽器は、MoebiusがSynth (Korg Prophecy), NeumeierがDrs, Perc, Sequential Circuits Pro One, EnglerがSynth (ARP 2600, Korg PS3100, Oberrheim SEM Module, Roland SH7)とG(Gibson ES 295)で、DusseldorfのATOM H studiosで、1996年5月28日〜5月31日と言う短期間で、録音・ミックスがなされています。因みに、録音・ミックスはChris Lietzによるもので、何でも、「我々は『雰囲気』を作りたいのだ」と参加者の誰かが言っていたとか。勿論、即興なので、オーバーダブとかは一切しておらず、一発録りです。イジったのは、ミックスだけですね。それで、内容は言うと、A面4曲/B面5曲と言う風になっています。では、各曲について紹介していきましょう。
★A1 “Culture In A Small Room”は、エスニックと言うかアフリカンなリズムとムニャムニャしたシーケンスのシンセ音に、ヒステリックな電子音が時々絡んでくる不思議な曲です。
★A2 “Anabolica”はヘロヘロのシーケンスに力強くタイトなドラムから成る重めの曲で、結構カッコ良いです。
★A3 “Der Wandler”では、一転、静かな雰囲気で始まり、そのまま、ビートレスで抽象的なシンセ・ジャムらしき音楽になります。このアルバムでは一風変わった曲です。
★A4 “De Nema”は怪しげな低音シーケンスとそれに絡むドライだが、歌うようなドラミング、ジュワーと来る縦横無尽なシンセ音が禁欲的でイカしています。
ではB面に行きます。
★B1 “Huhn Fisch Ente”は非常にゆったりしたスローな曲で、緩いシーケンスらしき反復音に合わせて、ドラム/ベルとシンセが爪弾かれています。
★B2 “Chill In”も、Neumeierのアフリカン・リズムに合わせて、フニャフニャしたなシンセの電子音が絡んであら、脳内が溶ろけそう。ベースシンセはEnglerかな?
★B3 “Dat Loop”は、やはり非西洋的なドラミングがシーケンスと同期して、思いっきり空間的な響きのシンセが弾かれています。アクティブな曲で、元気出そう!
★B4 “Sumpfige Wasser”も地を這うようなシーケンスに簡素なドラム、そして、Englerの控えめなギターのリフやこれまた控えめなMoebiusのシンセから成るセッションですが、改めて、非英国的/非米国的な雰囲気だなあと思います。
★B5 “Other Places”は、通奏低音のような重厚なシンセの和音から始まり、そこに、テンションの高いパーカッション/打楽器やチョコチョコしたシンセ音とギターのちょっとしたリフが乗ると言うビート感の弱い曲ですが、緊張感の高い演奏で、このアルバムは締められています。

 私は最初、Englerが参加していることから、もっと凄い、バリバリに緊張感のあるインタープレイとか荒々しい演奏を夢想していたのですが、蓋をあけてみたら、開けてみたら、どちらかと言うと、彼の先輩2人、特にNeumeier色(“Zero Set”辺りの雰囲気)が濃い印象ですね。まあ、Englerは1世代後のミュージシャンなので、敢えて、大先輩2人を立てたのかな? それにしても、どう言うキッカケでこの3人が集まるようになったのかも興味があるところです。そんな訳で、上記3人の音楽が好きな方は是非とも、このアルバムにチャレンジしてみて下さい‼️特に、アルバム”Zero Set”のファンも❗️なお、解説は、いつものAsmus Tietchens氏です。

A4 “De Nema”
https://youtu.be/GHjzURwtAGU

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcUIzvbOZKZrVY7-BpRACSVr

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