少年リック 大怪獣シリーズ アリブンタ 発光ver.

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近年、アリブンタの活躍が目覚ましい。
2015年3月、『ウルトラファイトビクトリー』において新規造形のスーツ「平成アリブンタ」が復活したことをきっかけにウルトラ怪獣シリーズ500のアリブンタが発売されたのは記憶に新しい。
実はその後、アリブンタのグッズはほぼ毎年発売されている。
2017年、墨絵スイング
2018年、ウルトラフュージョンカード
2019年、アバレンボウル

風の噂によれば『ウルトラマンメビウス』放送時に造形され、ファイトビクトリーに登場したベロクロン、バキシム、ドラゴリー、ルナチクスのスーツは痛みが激しく、アトラク用、展示用にされてしまったと聞く。
その後、超獣が出しづらいニュージェネレーションシリーズにて超獣の灯火を絶えずに繋いできたのは他でもない平成アリブンタなのだ。
登場すれば毎回、Twitterのトレンドに入るほどの話題性を持つ平成アリブンタ。
ニュージェネレーションシリーズではじめてウルトラマンに触れた未来ある子供たちにとってアリブンタこそ超獣の代表と言っても過言ではないだろう。
改めて素晴らしい時代になったと思う。

そして2020年も新しいアリブンタが発売された。
今回紹介するのはその最新のアリブンタである。

予約開始の情報が出たのはまさに青天の霹靂だった。
日課であるTwitterでのアリブンタ警察業務中に目にした発光ver.予約開始のツイート。
毎月どんな怪獣が出るのかと楽しみにはしていたが、まさかこのタイミングでアリブンタ先輩がくるとは。
初版は予約購入できず、やむ無くプレ値で購入せざるを得なかった悔しい記憶が蘇る。
やはり「欲しいと思ったものは後になるほど手に入りにくくなる」という半田健人の名言は正しいのだ。
私は驚く間もなく予約ボタンを押した。

基本的には以前紹介した大怪獣シリーズ アリブンタとほとんど同じ型を利用した再販版だが、並べてみると変更されている点も多い。
以前紹介した「少年リック 大怪獣シリーズ アリブンタ」の記事と合わせて読んで欲しい。
では変更点を中心に細かく見ていこう。

なんと言っても今回のアリブンタは“発光ver.”とあるように目が光る仕様が追加されたのが最大のポイントだ。
光るアリブンタフィギュアは公式で発売されているものに関しては初である。
アルティメットルミナスしかり、光るフィギュアがどうしても欲しくなるのは僕たちの祖先が夜の闇を恐れ、火を起こしていた頃の名残りだろうか。
商品名が書かれた電源ユニットを右足のかかとに接続することで目が光る仕様だ。
発光すること前提で作られているので旧版に比べて目がクリアーになっている。目の中に散らばる複眼を模した気泡がまた美しい。
光らせるとその美しさがより際立つ。
さながら翠玉エメラルドを彷彿とさせる輝きだ。
頭部の角も旧版に比べて曲がっているのが分かる。
開封した時はこれ不良h…とまでは言わないが、少し違和感があった。
で、(なかなか嵌まらない硬い尻尾をつけて)落ち着いて全体を見てみたらこれがしっくりくる。
もう一度本編を見てもらえば分かるが、地上に出てエースやゾフィーと肉弾戦を繰り広げるアリブンタの角は激しくぶらんぶらんと揺れている。
この劇中の激しい動き、もしくは揺れすぎて変形した撮影後のアリブンタのスーツをこの角で表現しているに違いない。
エクスプラスさんの丁寧な仕事ぶりに脱帽し、己の浅はかさに気付かされた。
新規造形により腕の向きが上になっているのも特徴的だ。
劇中では基本的にアリブンタの腕は上を向いている。地球防衛軍の戦闘機群F-4ファントムを両腕からの火炎で壊滅させるシーンは印象的だ。
さらに旧版に比べて顔、背中の角、お腹を中心に汚し塗装が多くなっていることに気づく。
特にお腹の汚し塗装が増え、色が暗めになっているために旧版に比べてスマートに見える。
黒を着ると着痩せして見えるというのがあるが、まさに目の錯覚。
超獣色彩心理というやつだ。
まとめると、今回のアリブンタは実際に劇中で(地上に出てから)活躍するアリブンタとして造形されているように思えた。
さすが天下の大怪獣シリーズ、本物をそのままスケールダウンさせたと言っても言い過ぎではなかろう。
一方で旧版は全体的に小綺麗でがっちり体型、どちらかと言えば怪獣図鑑に載っているスチール写真という感じだ。
我が家では新旧並べて飾ってあるのだが、見れば見るほど違いが分かるし、それぞれの良さも見て取れる。
「なんでまた同じものを買ったのか」なんて言われても動じることなかれ。
利きブンタができれば君も一流アリブンターだ!

2020年『ウルトラマンZ』にウルトラマンエースが客演してエース村が燃えたのは記憶に新しい。
同時に新規造形されたのは殺し屋超獣バラバ。
仮面ライダーでさえド派手な装飾を身に纏う現代においても全く見劣りしないゴチャゴチャ具合の素晴らしいデザイン。
ナイスリメイク起用だ。
後輩が出来たことにより平成アリブンタも一旦、重荷が取れるだろう。

超獣というヤプール人ありきの存在を怪獣がポケモンよろしく召喚されるニュージェネシリーズで出すのは難しい。
公務上、「また今回もアリブンタか」「この話の怪獣をアリブンタにする必要あったか?」などの意見を目にする機会は多い。
私自身もその意見には賛同できないと言ったら嘘になる。
しかし、世の中の第二期昭和シリーズ怪獣推しに言わせれば、リメイクして出してくれるだけで十分なのである。
怪獣のワークスタイルもその時代に合わせて変わっていく現代、その変遷ぶりを見届けるのもまた面白いではないか。
スーフェス84にて配布された少年リックの予告チラシでギロン人のシルエットが公開された。
近い将来、坂本浩一監督あたりがギロン人のスーツを新造してタッグ戦を展開してくれるはずだ。
そうすれば古参ファンも文句は言えまい。

アリブンタの変化に追いつけるようにこれから我々アリブンターも……………おっと、どうやら今宵も誰かが「アリブンタ」と呟いたようだ。私も仕事に戻らねば。

今日はここまで。

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    mjmat

    2022/05/12 - 編集済み

    アリブンタに対する愛が,あふれ出ていて脱帽です。「装飾過多」と揶揄されることが多いA以降の超獣・怪獣に対して,フラットな楽しみ方をしていきたいと,僕も思わされました。
    機会があれば,新・旧並べて見せていただきたいなぁと勝手なお願いも。

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      神月≠デネブ

      2022/05/13

      コメントありがとうございます!そうですね、作品を楽しむためには視点を変えてみるのも時には大事かもしれないですね。貴重なご意見ありがとうございます。我が家のディスプレイにはなりますが、並びで撮影いたしました!

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      mjmat

      2022/05/14

      早速の比較写真,「アリ(ブンタ)がとう」ございます!きれいにディスプレイされているのですね。

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