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少年リック 大怪獣シリーズ アリブンタ
川崎の怪獣酒場に毎月通うのが恒例になっている。
ご存知の方も多いだろうが、怪獣たちの憩いの場をコンセプトにした飲食店だ。
毎週末には本物の怪獣様が来店され、触れ合うことができる貴重な空間である。
怪獣達だけではなく、我々怪獣ファンにとってもかけがえのない憩いの場であるのだ。
もちろん筆者もそこに憩いを求める怪獣野郎の一人で、手持ちのフィギュアを並べて作る「怪獣祭壇」の儀を毎月執り行っている。(詳しくは著者のTwitter をご覧いただきたい)
これがまた楽しい面白い。
そんな怪獣酒場のカウンターに一際存在感を放つアリブンタがいる。
エクスプラスの大怪獣シリーズのアリブンタだ。
承知の通り、大怪獣シリーズといえば怪獣ファンなら誰でも自宅に一体は置きたいと思っているだろう、神造形の最高級フィギュアである。
私と彼との出会いはまさにこの怪獣酒場のカウンターだった。
圧倒的存在感を放つ彼と目があった時のトキメキはいまだに忘れられない。
まさに青天の霹靂。
私の目はアリブンタの頭部のようにハート型になっていたに違いない。
生涯をかけてでも絶対にお家にお迎えしたい。そう願い続け…
2019年1月。某大手オークションサイトにて私は運命の出会いを果たすのであった。
初めて手に取って驚いたのはその軽さだ。
私のリック童貞卒業がアリブンタだったので、今まで知らなかったが、ここまで緻密に作り込まれ、重量感すらあるのに、ソフビのように軽い。
まるでメテオール。イデ隊員もびっくりの軽さだ。
そして、フィギュアではなく本物のアリブンタを手にした感じがした。
手にしたものだけが味わえる優越感。
初めてヤプール人からアリブンタを授けられた時のギロン人もこんな気持ちだったに違いない。
本当に最高だ。やはり他のアリブンタ達とは一線を画す迫力がある。
リックの二期ウルトラ怪獣は相場が高いが、このアリブンタはその中でもレア中のレア。
私も未開封で手に入れることは不可能だった。
それもそのはず、醸し出される高級感は相場の値段を聞いても納得である。
ここからは上記の画像を見ながら一緒にアリブンタを観察してみよう。
まずはずっしりとした全身の美しさを見て欲しい。
アリブンタという超獣最大の特徴は突起物が対照的にバランスよく配置されたシルエットの美しさにある。
計算された美しさなのか、装飾を盛りすぎたあまり辿り着いた偶然の産物なのか不明だが、とにかく造形美に尽きる。
劇中よりもややずっしりとしているように感じるが、超獣が持つ威厳がより感じられるので、これは大正解だ。
次に目が止まるのが、黄、赤、青、緑、黒の5色で構成された顔だ。
その中でも眼の美しさを真っ先に挙げたい。
エメラルドグリーンのクリアな眼球に線が入っているシンプルな作りだが、この眼なくしてリックのアリブンタなしと言っていいほど、全体の雰囲気がこの眼で決まっている。
超獣の威厳は残しつつも二期怪獣特有の「ユルさ」その大部分をこの眼が演出しているのだ。
もう1つの特徴が頭の三本の角だ。
左右非対称となっており、当時の開米プロの魂をここに受け継いでいるような気がする。
超獣は「地球の生物や宇宙生物と他の生物を融合させた侵略兵器」と定義されているが、まさにベースとなった生物の命がこういうところに感じられるのもオツだ。
背中に竹の子のように二本生えた角もいい。
左右非対称だが、最高のバランスで配置されている。
横から見た時に僅かに彎曲しているのを見つけるとずっと見ていられたりする。
しかし凄いところから生えてるなと改めて思わされる。
脇腹から対で広がっている羽も細かく作られててみていて楽しい。
細やかな横線が無限にあり、アクション時に必ずつくであろうシワも細かく作り込んである。
宇宙船のインタビューでデザイナーの木目氏があの羽は始祖鳥からアプローチしたと証言しているが、あの部位に羽としての機能があるとは思えない。
これらの部位は生態系に順応しなければいけない地球の生物に「あってはならない」部位であり、この「無駄」こそ超獣が既存の生物とは一線を画す生態兵器に他ならないということを感じさせてくれる。
背中もエロいぞ。
法則なく散らばる無数のブツブツが素敵だ。
よく見ると背中にも蛇腹の黄色い部分が一部見えるのが分かる。
まさにチラリズム。
前はどうなっているのだろうと焦らされるこの消極的だが、強調されている部分がなんともエロい。
早くそのお顔を見せておくれ、蛇腹を見せておくれという我々の願いに無言で頷く。
まさに「見返り美人」とはこのことである。
二体買って一体は後ろ向きで飾りたい。
すると横向きも二体欲しいから、計4体か。
昔の怪獣図鑑みたいに並べて飾るのもいいかもしれない。
さて、トドメは言わずもがな堂々とした黄色い蛇腹だ。
アリブンタは上半身はスマートだが、お腹の辺りがボテっとしている、いわゆる中年体型の超獣だが、またそれがアリブンタのよさを最大限に引き出すボディラインなのだ。
ボテ腹の中年男性でも何故かダンディで惹かれる雰囲気がある人がいるが、まさにアリブンタがそうだ。
カラフルな超獣だが、幼稚さを一切感じさせないのはこの体型に秘密があるに違いない。
名前のように仁蟻なき風格はここからきているのだろう。
真ん中の蛇腹はウネッとしていてよく見ると芋虫などの昆虫のようであり、ここは生物感が残っている部位である。
このドンっとした蛇腹があることで、正面から見た時に上から下まで一切地味な部分がない。
怪獣の理想系をここに完成させている。
我がアリブンタ棚の頂点に立つ
KING OF ARIBUNTA
私は寝室に飾っているのだが、仕事で嫌なことがあっても帰ってきた時にリックのアリブンタが迎えてくれれば大抵の嫌なことなんて吹っ飛ぶ。
メンタルケアにもやっぱりアリブンタはいいぞ!
2019年は私が生涯をかけて手に入れようとしていたアリブンタを二体も手に入れることができた特別な一年になった。
もう一体も追ってご紹介するが、私のアリブンタ収集はまだまだ続く。
2020年もアリブンタへの挑戦は終わらない