真空管

真空管

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真空管。

今では、その存在すら知らない、又、現物を見たことがない人が殆どになってしまった現代。

1920年代頃から生産され、電子、電気機器には必要不可欠な存在だった。
1960年代以降、長寿命で、小型化、発熱量の少ないトランジスタなどの半導体の出現で、1970年代になると生産終了してしまう。

家庭で使われた、テレビ、ラジオなどの中には多くの真空管が使用され、故障すると、一家の主は、手でたたいて衝撃を与える。
不思議と治るのである、殆どが、真空管などの部品が、接触不良を起こしていたのが原因。

それでも治らないと、購入した電気屋さんに連絡する。
街の電気屋さんは、色んな種類の真空管を抱えて出張して来た、殆どその場で修理する神様の様な存在で、尊敬されていた。
電気屋さんが、もう寿命ですと告げ無い限り、何度も修理して使っていた。

今では、メーカーに送って修理依頼する度に、部品が生産終了で、修理出来ないと、買い替えを告げられる。

オーディオも、国内では、LUX等、ごく一部のメーカーが、使用していたが、オーディオ・ブームが過ぎ、多くのメーカーが倒産。
LUXも大手部品メーカーの子会社になって生き延びていた。

近年になって、真空管アンプが見直され、アナログレコードが復活しだして、更に拍車がかかった様に思う。
長年真空管アンプを愛用して来た私にとっては嬉しい限りです。

今では、海外や、国内でも、真空管アンプを生産するメーカーが増え、真空管も、中国やロシアでも生産している。
需要が増えたのはいいが、過去に生産された真空管を求めるマニアは、高価でも入手する。
真空管の価格は、4~5年前に比べ倍になった様に思う。



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