Spark 1/43 トヨタ TS010 #36

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トヨタ TS010 No.36

ジェフ・リース / アンディ・ウォレス

TS010と言えば1992・1993年とプジョーと死闘を繰り広げた名車の1台であり、本車の開発の為にトヨタはル・マン他SWCの参戦を1年見送っていた。
91年と言えばグループCの大きな変革期であり、新たな主役となるNAマシンとこれまで時代を築き上げてきたポルシェ962等のターボのマシンが混在するこれまでにないシーズンとなり、中でもNAマシンが振り分けられるカテゴリー1はジャガーXJR-14、メルセデスC291、プジョー905による三国志状態であった。
一方、TS010はトニー・サウスゲート協力の元で開発は順調に進められておりSWC92年シーズンに向けて着々と準備が進められていた、91年シーズンも最終戦を迎え地上の戦闘機達はオートポリスに続々と集まっていた。
ここでTS010にも声が掛かった、オートポリス戦でのたった16台という参戦台数の不足を補う為にテスト段階ではあるがTS010の特例によるスポット参戦が認められ、トヨタの次世代戦闘機は一足早く人目に触れることとなった、トヨタのCカーには今まで無かったNAサウンドを上げながらTS010は予選で5番グリッドを獲得、テスト参戦ながらもカテゴリー1にてしのぎを削る3メーカーの間に割って入ることに成功、決勝スタート後もトヨタは歴戦の新規格マシン達に一歩も遅れを取ることなく食らいついていた。
9周を回る所でメルセデスとドッグファイトを展開していたTS010はジェットコースターストレート手前でスピン、フロントカウルのルーバーが脱落する軽微な損傷を受けるが、緊急ピットインでフロントカウルを交換し再びレースに復帰したもののポジションは16位まで後退したがトップグループに遜色の無いタイムでラップを重ねポジションを取り戻していく。
TS010は周回遅れながらも上位マシン達に果敢にもバトルを仕掛け、ホームストレートではスリップに付いてきたメルセデスをそのまま引き離してしまう高速性能すらも見せ付けた、バトルしていたヴァンドリンガーはコーナーは遅いがストレートはクレイジーとコメントしていた、たらればにはなるがオートポリスに投入されたTS010は予選よりブレーキトラブルを抱えており決勝でも解消される事は無くそのまま出走している、上でも書いた9周でのスピンはブレーキトラブルに起因するロックが原因だったそうな。
TS010は上位陣からは周回遅れとなるものの手負いの初陣にて総合6位を獲得、貴重なデータを持ち帰り来季の本格参戦に向けて期待が寄せられた。

さて、TS010と言えばhpi-racingが沢山リリースしていたがこの91年最終戦仕様をリリースしたのはスパークだけである・・・相変わらず凄い所を突いてくる。
このTS010はテスト参戦仕様、つまりは試作機なので92年SWCに参戦していた頃とは細部が異なっておりフロントカウルのダクト、リアカウルのエアインテーク、2枚羽には変わらないが低めのリアウイングとしっかりと特徴を抑えてくれていて92年仕様と比べてみるのがとても楽しい、レジン製品のためパーツも薄くシャープな造形がマシンのカッコ良さを引き立てているのもお気に入りポイント。
全体的にバランスはhpiのが良いかなって印象もあるけどスパークの方はカッコ良さを際立たせた感じになっていてリアリティと言うかはミニカー映えする仕上がりになってる印象、現状ではあまり人気が無いのかいろんなサイトやショップでも残ってたりするのでお財布に余裕があらば是非とも手に取ってみてほしい1台。

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