You Were Never Lovelier
身近にいるハリウッドミュージカル好きな人たちから よく「フレッド・アステアが(映画の中で)あんなにモテるというのが納得できない」という意見を頂戴するが、反論は全くない。
なかでも、これが二作目の共演となるリタ・ヘイワースとは「全然つりあってないじゃないか!」と言われる。
全面的に同意する。
(しかも今回は、リタが前回の『踊る結婚式』の勝気な性格とは反対の純真無垢な女性役を演じていて、可愛らしさを押し出してきてるもんだから余計だろう)
直接この作品とは関係ない話になるが ――
もう一人のミュージカルスター、ジーン・ケリーは作品中ではいつも(?)引っ込み思案で憧れの女性に思いを伝えられない……と見せかけて、いざダンスシーンになるとギラギラした表情で、ラストはドヤ顔のどアップだ。
一方のアステアは、自信満々のモテ男を演じつつも、(振り付けの中で)鏡に自分の顔を映した時などは目を覆っておどけた風を見せるし、ダンスの最後をカメラ目線で終わることは殆どない。
ファンならではのツッコミどころをいろいろと持ちつつも、ケリーには納得させられ、アステアは許してしまえるのは、そういったことも含めての全体があるからかな、と想像する。
などという勝手な考察を忘れてしまえるほど、中盤の二人のデュオ「The Shorty George」は曲のアレンジ、衣裳も含めてカッコ良い。