Silk Stockings

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結果的には11年後に一本撮ることになるのだが、当時としては、ミュージカルからの引退となった作品。

楽曲とダンスと出演スターが一番で、内容はさほど重要視されなかったミュージカル映画全盛時代とは違い、もともとの脚本がしっかりしたものが選ばれている。
円熟味の極みといえるフレッド・アステアに、ビューティフルダイナマイトなシド・チャリシーの組み合わせは「ハリウッドミュージカルの終焉」に相応しすぎる華を添える。

二人のデュオ「Fated to Be Mated」の振り付けの素晴らしさは言わずもがな、カメラ割りによってシドの衣裳をスカートにしたりキュロットにしたりという撮影のこだわりが嬉しい。

シドの魅せ場「The Red Blues」は圧巻!

1957年……エルヴィス・プレスリーの「監獄ロック」がヒットし、ビートルズがデビューするまで3年。
時代的に、もうミュージカル映画ではないだろうという雰囲気に自らとどめを刺すようなラストナンバー「The Ritz Roll and Rock」。
この仕上がりには納得だったのか、投げやりだったのか。
だが個人的には、楽曲としてコレ好き。

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