鉱物標本 合成ダイヤモンド(Diamond)

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別名:金剛石、алма́з
産地:China

炭素元素からなる天然で最も硬いとされる物質で、モース硬度は最硬の10。同じC元素からなる同素体にグラファイト(黒鉛)があるが、こちらは共鳴した炭素のシートが分子間力で積層した構造を取り、エネルギー的にもダイヤモンドより安定である。そのため通常の大気圧条件ではこちらが炭素の単体として生成される。対してダイヤモンドは共有結合による四面体配列の構造を取っており、グラファイトよりも密な構造となるため生成される条件も超高圧を要する。

語源はギリシャ語の"αδάμας"(屈しない)である。西暦100年頃には小プリニウスらによって記述されているのは確認されている。

ダイヤモンドが見つかる母岩はキンバーライト(雲母橄欖岩)と呼ばれる超塩基性の火成岩である。この岩石は先カンブリア時代の世界的な造山運動にて、地下120kmにあるマントル物質が激しい噴火によってごく短時間のうちに地表付近まで噴出したことで生成された。噴出後も数十億年単位でその先カンブリア時代の地質が保存されていなければならず、そのためキンバーライトが存在する場所は安定陸塊と呼ばれる地球上でも地殻変動が非常に少ない場所に限られる。ダイヤモンドの結晶はそんなマントルという超高温高圧の特殊条件だからこそ出来たものであり、更に地表へと急速に噴出され、かつその地質が維持されるという希少条件が揃うことで初めて見つかったものである。

この条件を工業的に再現したのが高温高圧法(High Pressure and High Temperature, HPHT)で、1955年にアメリカのゼネラル・エレクトリック社(GE社)が合成ダイヤモンドの製造に成功させた。この方法によって宝飾品用だけでなく、研磨剤用のダイヤも工業的に量産出来るようになった。他にも化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition, CVD)と呼ばれる合成方法もあるが、本標本はHPHT法によるものである。

また、ダイヤモンドはその四面体構造に組み込まれる不純物によって窒素を含むⅠ型と含まないⅡ型に分類される。Ⅰ型は更に無色に近いⅠa型と黄色の濃いⅠb型に、Ⅱ型は不純物を全く含まない無色のⅡa型と窒素以外の不純物を含むⅡb型に分けられる。特にホウ素を含むⅡb型は青色を示して天然では希少性が高い。本標本は濃黄色のため、Ⅰb型のダイヤに相当する。

2019年にミネラルフェスタで購入。拡大観察してみると正八面体の各頂点が削れた14面の立方八面体に近い形状になっていることが確認できた。

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  • コレ小っちゃいので撮影するのに骨が折れますよね😉
    https://muuseo.com/tezzarite/items/82

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      たじ

      2021/01/19

      いつもいいねを押して下さりありがとうございます。自分の撮影ではこれが限界なので綺麗に撮られていて羨ましいです。

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