鉱物標本 スギライト 繊維状(Sugilite)

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別名:杉石、Lavulite、Royal Azel
産地:South Africa

紫色の本鉱物はチャロアイト、ラリマーとともに三大ヒーリングストーンの1つにされている。パワーストーンとしては浄化、癒し、守護、順応などの効果を有してるらしい。

1944年に愛媛県岩城島で九州帝国大学の岩石学者の杉健一(1901~1948)と弟子の村上允秀が新鉱物を発見。1974年に国際鉱物学連合に認定されたことで村上允秀、加藤敏夫、三浦靖典、広渡文利らによって発見者の名前から杉石と命名された。

その間1965年に広渡文利が愛媛県古宮鉱山で黒色のブラウン鉱の隙間を埋める鮮やかな"紫色鉱物"を発見。当時は成分を特定できなかったものの、1981年になってこの紫色の鉱物もスギライトであることが判明した。

南アフリカでは1978年にHotazel地帯のWessels鉱山で紫色のスギライトが発見された。当初はソグディアナイト(ソグド石、Zr2KLi3Si12O30)と誤認されたが1980年にスギライトであったことが判明した。

この紫色のスギライトは正しくは変種のマンガンスギライトであり、マンガンの含有によって発色している。

南アフリカのダイヤモンド業者I. Kurgan(1924~2016)はこの紫色の石に注目し、地獄の様に気温の高い環境(hot-as-hell)であるHotazel地帯で採掘された東アジアで皇帝の(royal)色とされた紫の石という意味から"Royal Azel"という宝石名を付け、1981年にRoyalAzel社をロサンゼルスにオープンしてハリウッドスターや上層階級に宝石として紹介、一般向けとしてパワーストーン商品を紹介したことでスギライトは世界的に有名になった。

余談ではあるがパワーストーンブームとともにスギライトの知名度は向上していったが、元々鉱物の名前では"g"の字をジと発音する習慣があったため、ス『ギ』ライトが正しい発音だと知らない海外の業者がス『ジ』ライトと間違った形で浸透させてまった。

本標本は2019年に東京ミネラルショーにて購入した南アフリカ産のマンガンスギライト。ファイバー状の変種でベルベットの用な質感がお気に入り。手持ちのコレクションの中でも珍しく万札越えした子。

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