鉱物標本 ブルーサイト(Brucite)

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別名:ブルース石、水滑石
産地:Pakistan

水酸化マグネシウムの天然鉱物。化学式は単純なれど初めて記述されたのはアメリカ開拓期の鉱物学者でAmerican Mineralogical Journalの編集者でもあったArchibald Bruce(1777-1818)によってである。なお彼はジンカイト(紅亜鉛鉱、ZnO)の発見者でもある(*1)。彼の死後1824年にその功績を称えてFrançois Sulpice Beudantがその名をこの鉱物に付けた。

色は白色から灰色、淡黄色、淡青色、淡緑色、赤褐色など様々。大理石中のペリクレース(MgO)の変質により生成。ケイ酸塩と共に滑石(Talc, Mg3Si4O10(OH)2)を形成する。空気中では湿気と共に徐々にCO2を吸って塩基性炭酸マグネシウムに変化する。

また、化学物質としての水酸化マグネシウムは常温常圧で白色のゲル状固体だが、加圧下220℃の塩基性マグネシウム塩水溶液では凝集して六方晶の結晶になる。

酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムと共に親水、吸水保持性を示すことから漢方の緩下剤として古くから利用されている。

本標本は2019年にミネラルマルシェで購入。淡黄色の塊状?タイプである。

*1:ジンカイト
→鉱物標本 半人工赤色ジンカイト(蛍光性)(Zincite)

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