John Cage “Variations VII”

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今回は、現代音楽界の重鎮にして、キノコ学者でもある米国のJohn Cageが作曲した変奏曲第7番です。John Cageについては、偶発性の音楽や禅からの影響、ピアノの内部演奏(Prepared Piano)または「何も演奏しない曲」”4分33秒”の作曲家/楽理学者として有名ですので、割愛させて頂きますが、単にクラシック界のアーティストとか作曲家と言う以上に、他の音楽へも多大な影響を及ぼしました。特に、Avant-gardeなロックや音楽、実験音楽やノイズ・インダストリアルなどに顕著です。それで、本作品についてですが、彼が「変奏曲第一番」を作曲したのが1958年で、そこでは図形楽譜を用いています。実は彼は、即興音楽を忌み嫌っており、何らかのモチーフに沿って演奏を進めることに注力しています。アヴァンギャルド・ファン(特にノイズ・ミュージックのファン)では「変奏曲第二番」がコンタクトマイクとプリペアードピアノを用いて、ガリガリ・バリバリしたノイジーな曲で有名ですが、今回、紹介する「変奏曲第七番」も中々、ノイジーで良い感じです。演者はDavid Behrman, John Cage, Lowell Cross, Anthony GnassoそしてJohn Cageの演奏には欠かせないパートナーでもあるDavid Tudorで、1966年10月15日と16日にNYのThe 69th Regiment Armoryで演奏されたものとなります。ここで用いられてる「楽器」は、AM-FM 短波ラジオ、ガイガーカウンター、サイン波発生装置、ホーン型スピーカー、コンタクトマイクが接続されたファンやキッチン用品、NYCの色んなところでの電話での会話音と演者のこめかみに繋がれた電子機器などです。これからも分かるように、まずマトモな「楽器」は用いられてはいません。そして、それらは早晩、ノイズ発生装置になり、大音響で観客を驚かせたのでしょう。はっきり言って、このライブ・エレクトロニクスは、ほぼほぼ「ノイズ・ミュージック」です。これがA面からD面まで収められています。私は、いつも、現代音楽の音源を聴くと、必ずと言って良いほど、音圧が低く、少々残念な気持ちになることが多いのですが,本作品ではそんな危惧は吹っ飛ばす内容でした。因みに、演者の内、David Tudorは各演奏者の出した音をコンソールでミックス・変調・加工していたようです。LAFMSのAirwayにも通じる演奏形態ですね。もし、現代音楽でぶっ飛びたいのであれば、一度聴いてみてください。

https://youtu.be/HWTYSRcayXo

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