Mario Marziodovsek “Brutal Alter Minimal”

0

Mario Marziodovsekと聞いて、ピーンとくるリスナーさんはどのくらいいるのだろうか?旧ユーゴスラヴィア(現スロヴェニア)のインダストリアル/ノイズ・シーンを1980年代中盤から支えてきたのが、Mario Marziodovsekです。元々は国際メールアート/ミュージック・シーンに1980年前から参入しており、絵画、詩、カセットなどを交換しています。差し詰め、旧ユーゴスラヴィアにおけるカセットカルチャーの先駆者と言えるでしょう。彼はライフスタイルが正しくインダストリアルで、化学工場の工員として働いていました。それで、1970年末より宅録を開始し、1984年〜1987年にはカセット作品をバンバンリリースしています。因みにMarzidovshek Minimal Laboratoriumと言うのは、彼自身の個人レーベル兼自宅スタジオのことで、ここには沢山のホームメイド楽器、古い楽器及びテープレコーダーがあり、その環境の中で、彼は音楽の大元を作製しています。また、限られた環境の中で、素材を大切にして、またパンク・スピリットで、彼自身の電子音楽を作っています。その為か、最初のハーシュでインダストリアルなポルカからLo-Fiやアンビエント或いは野蛮なテクノへとシフトしていってます。その後、1988年/1989年頃に彼は音楽活動を辞め、オランダに移り、その後、ドイツにも移り、そこでは数回ライブもやっていたようです。最終的には彼はスロヴェニアのBistricaに戻ってきましたが、音楽活動からはすっかり脚を洗っており、2011年9月20日に他界しています。
それで本作品ですが、1985年にリリースされたカセット作品”Alter Minimal 2” (Bloedvlag Produkt)と“Brutal Minimal” (Nihilistic Recordings)の2作品からコンパイルされています。どの曲にも一切曲名がなく、どれがどのカセットから取られたかは全く不明です。ただ、全体に流れるのは1980年前後のオールド・スクールなインダストリアル・ミュージックに影響を受けた音楽であると言うこと(B2なんかはまるで初期EGですね)。ただし、それ程、ミニマルでなければ、ブルータルな音楽ではないです。寧ろ、私的宅録音楽として捉えた方が良いかもですね(余り、インダストリアルの文脈で捉えない方が良い)。使っている楽器は、シンセやリズムボックスにテープ音なんかですし、エフェクターもディレイなんかだけですかね?まあプリミティヴな音楽だと思います。メール・ミュージックでの活動で、燃え尽きたのでしようか?もし、貴方が1980年代の東欧のシーンに興味があれば、良いサンプルとなると思います!

B1
https://youtu.be/Erff4yhdgxU

#MarioMarziodovsek #BrutalAlterMinima #DeadMindRecords #Yugoslavia #Slovenia #Industrial #宅録 #ElectronicMusic #Primitive #MailArt&Music #OldSchool

Default