Nisennenmondai (にせんねんもんだい) “s/t”

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このバンド、以前にYouTubeを観てから、ずっと欲しかったんですよ。1999年にYuri Zaikawa (B), Sayaka Himeno (Drs), Masako Takada (G)から成る不動のトリオとして、東京で結成されたガールズ・インスト・バンドです。これはレコードよりもライブの方が彼女達の魅力がよく分かるんですが、まあ、ここでは敢えてレコードを紹介したいと思います。先ず、彼女らのバイオグラフィーです。1999年に彼女達が通う大学の近くのクラブで会い、話していたら、すぐにバンド結成に至りました。レコードなどは、彼女達の自主レーベルBijin Recordsより出すことが多いです。最初のフルアルバムはBijin Recordsから2006年にリリースした”ろくおん”になります。彼女達の音源はメインストリームでは殆ど顧みられなかったのですが、それでも彼女達は、豪州、オーストリア、クロワチア、デンマーク、仏、独、伊などなどのフェスに出演しています。もちろん、英国や米国ツアーも積極的に行なっています。その演奏スタイルは、他に似たものがなく、AllmusicのHeather Phares氏は「This Heat, The Pop Group, Sonic Youth, DNA, Neu!などの実験的ロックバンドにインスパイアされたようで、荒削りだが、反復を繰り返すポストパンク・インスト・バンドとも言えるだろう。しかもグルーブ重視のノー・ウェーブ/ディスコ・ヴァイブも聴き取れる」と評しています。
そんな彼女らが坂本慎太郎氏のレーベルから、石原洋のプロデュースで出したリミックスEPが本作に当たります。とにかく、執拗で無機質なハイハットの刻みとバスドラがまるで機械のように連打され、そこに点描のようなベースと効果音にしか聴こえないギターが、その人力マシンビートの間を浮遊すると言うスタイルは、確かに先述のグループを思い起こさせるかも知れませんが、聴こえる音楽は全くのオリジナルと言えます。何と言うか、修験行者の禁欲的な修行とでも言いましょうか、とにかく、唯一無比の孤高の音楽です。そう言った意味で、私は個人的には「極めて簡素かつ強靭な点描の音楽」或いはは「マンマシーンなロック」と言いたいです。本作品ではM. Takedaはギター以外にKbdも演奏しています。B面は一転して、リフらしい音も聴こえてきますし、途中にブレイクも聴こえてきますが、相変わらず「反復」は基本となっています。これは、石原氏のプロデュースによるものでしょうか?あと、彼女らの音楽は反復を基調としていますが、薬物系な感じではなくて、一種のdisciplineのような態度を感じます。そんな彼女らの音楽を一度は体験してみて下さい。

“B-1”
https://youtu.be/wo3xrfFKYOI

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