Madalyn Merkey “Scent”

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またまた、掘り起こしてしまいました、謎物件の一つです。Madalyn Merkey???誰ですかぁ? 彼女は、アコースティックな音とPCによるライブ・エレクトロニクスを演奏するらしいのですが、元々はシカゴ芸術研究所で視覚芸術の道を進んでいた頃に、ライブ・エレクトロニクスに移行していたそうです。それで、声を使った2種類のアルバム、”Scent”を2012年に、”Valley Girl” を2015年にリリースしています。 これらの作品はMatt Mondanileの新たなイメージから着想を得ているらしいです。彼女のデジタル音声変調は、立ち位置で変わりますし、また音素材としても異なる効果を生み出しますので、そう言う所に注力しているようです。最近は、伝統的楽器演奏と電子音とをミックスしたライブ・エレクトロニクスに関心があるようで、特に楽器の音響的本質を注意深く聴き取って、リアルタイムで、相反するスケールや補完的音色/音質を生み出す合成プログラムを設計しているとのこと。この試みは、オン・ゴーイングに場所特異的な電子音楽を導くものであり、それは場の本質や部屋の音響状態、周囲の音なども音素材を開発する為の本質であるとのことです。
そんなMadalyn Merkeyの初期作品が、本作品であります。内容は素晴らしい電脳チルアウトミュージックです。A1 “Neptune”は水中録音のような音から始り、ハープっぽい音色が優しい。A2”Siren”は、もろヴォコーダー的な変調による牧歌的な曲で、今ならカオスバッドとMicroKORGで出来ちゃいそう。A3 “Nexus”はポコポコ言うパーカッシブな音に電子音響が波のように打ち寄せる佳作です。B1 “Mend”は単調なパルス音に不思議な電子音がカーテンのように巻き付いたり、離れたりする面白い曲で、やがて柔らかい電子音が波のように立ち現れる。B2 “Mulch”は不規則なアクセントの電子パルス音にポリヴォイスが重なる、これまた興味深い曲で、変化には乏しいミニマルな曲。決して、喧しい音楽ではなく、寧ろ休日の晴れた朝とかに合うアルバムだと思います。勿論、楽理的には色々考えさせるのですが。疲れた時に聴いてみてはどうですか?

https://youtu.be/Vx1sMM6T8qs

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