Prurient / Nico Vascellari “Jesus”

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米国パワーエレクトロニクスの牙城Hospital Productionsを運営するDominick FernowことPrurientとイタリアのサウンド/インスタレーション・アーティストNico Vascellariのコラボ?変則仕様の2枚組(と言ってもD面にはシルクスクリーンが施してありますのて、3面しか聴くことはできません)となった訳です。元々はこの作品はHospital Productionsから2本組みカセットでリリースされていたものをNicoが共同運営しているイタリアのVONからこのような形で再発されています。多分この短い期間にリイシューしたのは、余程、この作品が気に入っていたからかもと思います。少しばかり、PrurientことDominick FernowとNico Vascellariについてバイオグラフィーを書きます。Dominick Fernowは米国ウィスコンシンのローマ・カトリックの家に生まれましたが、中学生時代にデスメタルとテープトレーディングに目覚めます。そんな訳で、色んな所を放浪し、NYCで、実験音楽や詩人或いはマルチメディア・アーティストとして活動を開始します。そんな彼はPrurientとして有名になりますが、そのステージネーム以外にもVatican ShadowやRainforest Spiritual Enslavementなどの名前でも活動しています。そんな彼の最初のリリースは1998年で、同年に自身のレーベルHospital Productionsの運営も始めます。Prurient は最初はマイクとアンプだけを使っていましたが、ドラム、シンセ、更にはラップトップまで使うようになります。一方のNico Vascellariはマルチアーティストで、パフォーマンス、彫刻、ヴィデオ、音響、コラージュなどに渡り2007年にはVeneziaビエンナーレで採用されたり、イタリア芸術賞を受賞したりしています。彼の作品では音響彫刻によるインスタレーションと音のパフォーマンスを組み合わせたりしており、観客と場そして行為の関係性を探求しているとのことです。
それで本作品なのですが、変則2LPsになっています。1枚目のLP(A面及びB面一曲目)には”Jesus”と名付けられた曲には高周波のハウリング音とマイクロフォンによるひび割れたヴォイスから成る気合い一発なライブ録音による曲が3曲収められています。これは多分Prurient の曲でしょうか。そして、B面2曲目はループ音を中心した不明瞭な曲にリバーブの効いたヴォイスが被る曲で、こちらはNicoの曲だと思います。C面は”End of Jesus”と言う長尺な曲で、Prurientと思われるハウリング・ノイズに不定形の電子音が組み合わされていると言う名演で、全然飽きません。これは恐らくPrurientの音源をNicoが編集したコラボ音源と思われます。D面にはシルクスクリーンで肖像画が印刷されているので、聴くことはできません。しかしながら、Prurientの気合いの入った曲は流石としか言えないですね。このアルバムはそこら辺も堪能できますし、NicoがどうやってPrurientの音源を「料理」したのかも分かるので、お勧めです。

https://youtu.be/haI8bHP8AaY

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