Throbbing Gristle “TGCD1”

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Industrial Musicの生みの親、それが、英国のThrobbing Gristle (以下、TGと表記)です。もう、TGについては、メンバーのCosey Funni Tuttiの自伝本”Art Sex Music”とかに詳細に書いてありますし、他にも日本語で今まで沢山の記事なり、特集なりが、Fool’s MateやRock Magazine, Studio Voice等にありますので、詳しく知りたい方は、それらを読んでみて下さい。
 それで、本作品について記載しておきます。メンバーは、Genesis Breyer P-Orridge (B, Vo, Vln, Gristliser), Cosey Fanni Tutti (G, Cornet, Gristliser), Chris Carter (Synth, Drum Machine, Tapes), Peter Christopherson (Tapes, Cornet, Computer)と言う往年のメンツで、Industrial Records Studioで、1979年3月18日に、TEACの8チャンネル・レコーダーで録音された音源(セッション音源)を、英国Muteが、1986年に、”CD1”としてリリースし、今回もMuteとそのサブレーベルGray Areaが再発したと言う訳です。再発の方は、CDとLPのフォーマットがありますが、CDの方はオリジナル通りぶっ通しで1曲、LPの方は収録時間の関係で、両面に分割されての収録となっています。また、スリーブには、メンバー4人それぞれの1986年でのコメントが載っていますが、もう眼が疲れてきたので、和訳や意訳はしません。しかしながら、4人ともそれ程否定的な感想は持っていないようです。詳細については、実際に読んでみて下さい。それでは、本作品の各面をご紹介していきます。

★A “1”では、波状攻撃のGノイズから始まり、やがてBのリフが聴こえてきて、テープ音や重低音へと。そして、重く単調なドラムマシンとシーケンスに移り、シンセ等の電子音やフリーなB、そしてGや浮遊感のある不明音等が絡み合うジャム・セッションとなっています。ドラムマシンにディレイを掛けていく所が如何にもTGらしいです。
★B “2”では、不気味な雰囲気で、ディレイを効かせまくったVlnやGやシンセ、テープ音等のジャム・セッションから始まり、やがて、シンセの通奏低音からドラムマシンと直線的シーケンスによる6/8拍子のリズムがフェードインしてきます。それにVlnやCornet、テープ音が絡み出し、最後に、ディレイでグチャグチャになったドラムマシンで終わります。

 何処を切り取っても、TGだと分かるのは流石です。あの「他人を不快にさせる」エフェクトを掛けたGやVlnのスライド奏法や名曲”Persuation”を彷彿させるB面の単調なリズム・ワーク等、聴き処満載ですが、やはり、TGの頭脳とも言うべきChris Caterのシンセやドラムマシンの使い方は、後のポップ・ミュージックにすら影響を与えたのではないでしょうか? そして、他の3人が繰り広げる鬱々としたジャム・セッションも、如何にもTGらしくて最高です! ここら辺の空気感がパックされた本作品は、正に当時のドキュメントとしても、良く出来ていると言っても過言ではないでしょう。これが録音された1979年は、彼等のアルバムで言うと”20 Jazz Funk Greats”が出た年でもあり、その年には多量のライブ・カセット作品もIndustrial Recordsからリリースされています。この頃のTGは、「ライブ」な音に集中していたと思われますが、本アルバムも、そう言う意味で、正にTGらしい作品ですので、初心者・マニア問わずに体験してみて下さい。

https://youtu.be/WSQSlRrmyMA?si=uTVEUlfKFeM2agbx

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