Stahlnetz “Wir Sind Glücklich”

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今回からまたNDW特集をやりますが、海外通販が余りにも高いので、今回1回だけで終わるかもです。それで、先ず、ご紹介するのは、念願のレコードを購入するついでに購入した全然知らないグループStahlnetz (シュタールネッツ)のファースト・アルバム” Wir Sind Glücklich (We’re Happy)”です。殆ど、Discogsのリストで見つけて、ちょっと視聴して購入したので、先ずは、Stahlnetzが何者かをちょっと調べてみました。Stahlnetzは、北ライン・ヴェストファーレン州Wuppertal (ヴッペルタール)出身のシンセウェーブ/ミニマル・エレクトロニクスのデュオで、メンバーは、Jochen Rausch (Vo, Kbd; ヨッヘン・ラウシュ)とDetlev Cremer (Drum Machine; デトレフ・クレーメル)の2人です。彼等は、1982年に、本作品でもあるファースト・アルバム“Wir Sind Glücklich (We're Happy)”でデビューしていますが、その結成とかについては不明です。そして、そこから” Vor All Den Jahren (All That Years ago)”と”Promotion E.P.”がシングルカットされています。因みに、アルバムもシングルも、プロデューサーはConny Plankです。しかしながら、その後が続かず、リリースはそれだけで一旦ストップしています。その後、2020年になって、Rauschが曲をコンパイルして、ネットで自主配信をしています。あと不確かなのですが、2人は、Die Heldenと言うバンドにも参加していたらしいです。ただ、Stahlnetzとしては未発表曲は沢山あったらしく、先述のネット配信には膨大な数の曲が収録されています。なお、2人は、現在は、LEBENdIGITALと言うデュオで活動しており、2枚のCDを出しています。
 以上がStahlnetzの略歴となります。本作品のメンバーは、Jochen Rausch (Vo, Klavier Synth, Organ)とDetlev Cremer (Sequencer [Roland Rhythm Machine & Oberheim-Rhythm Machine], Synth, Harmonica)の2人で、プロデュースと技術協力はConny Plankです。内容的には、両面5曲ずつです。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。

★A1 “Der Seemann Und Die Stewardeß” (3:48)は、ドラムマシンと直線的シーケンスとSynth-Bと流れるような美しいシンセに優しいVoから成る曲ですが、サビでのコーラスワークが素晴らしく、かなり極上のシンセ・ポップです。
★A2 “Romantisch” (3:24)は、ドラムマシンと簡素なSynth-Bに、キラキラのシンセ音が多層化していく曲で、Voも上手く、コーラスと使い分けています。やっぱりサビのコーラスワークは良いですね。
★A3 “Fahr Doch Mit Dem Automobil” (3:13)は、ティンパニのような音で始まり、ドラムマシンとシーケンスにコーラスでのVoと流れるようなシンセから成るシンセ・ポップな曲で、メロディ・ラインも完璧ですね。間奏のシンセもグー!
★A4 “Der Wahre Schatz” (3:28)は、ウニョウニョのシンセのパルス音から始まり、フェイドインしてくる突進的ドラムマシンに、絶妙のコーラスワークで歌う2人のVoから成る曲で、サスティーンの短いピコった音を多用しています。また最後にはヴォコーダー Voも出てきます。
★A5 “Alles Gute” (3:50)は、口笛と吐息で始まる、落ち着いたシンセ・ポップで、電子バラードみたいな立ち位置でしようか?中々、シンセのメロディも聴かしてくれます。曲の終わり方も秀逸です。
★B1 “Schwarzes Gold” (3:43)は、ドラムマシンにエレピのシーケンスと言う斜め上からのシンセ・ポップで、Synth-Bの打ち込みや2人のVo等のメロディもキャッチーで、間奏での「素」のシンセ音や間延びしたシンセ音も逆に新鮮です。
★B2 “Matrosen” (4:37)も、軽めのドラムマシンとポツポツとしたシーケンスに、声楽家のようなVoが特徴の曲で、割とシンプルな曲展開なので、逆に好感度アップします。途中の語り口風Voもグーな電子バラードです。
★B3 “Vor All Den Jahren” (4:03)は、ホワイトノイズの中から、直線的なシーケンスとドラムマシンに、2人のVoが聴取できる曲で、サビでの盛り上がりがうまいですね。シンプルな曲ですが、キャッチーです。
★B4 “Im Palast” (2:47)は、軽めですがノリの良いドラムマシンとシーケンスで始まる曲で、2人のVoも上手く、曲調は電子ロッケンローですね。途中で、ドラムマシンとVoだけになりますが、そこのアンサンブルも素晴らしいです。
★B5 “Der Falsche Kuß” (3:02)も、直線的なリズム隊に簡素なシンセのリフとVoと言うシンプルなアレンジの曲で、間奏部分も含めて、これで最後を締めるのも良いですね。

 正直、これだけの力量があるのであれば、英国とかに持って行けば、大化けしてメジャー契約も出来たのではないかと思ってしまえる程、よく出来たシンセ・ウェーブなデュオだと思います(ただ、英語で歌えとかは注文付けられそうですが)。今回、ちょい視聴しただけで購入しましたが、結構、当たりでした!そもそもシンセ・ウェーブとしてはレベルは高いですし、それなりの機材やキャッチーさもあるので、Stahlnetzでもう少し頑張って欲しかったです。今は、LEBENdIGITALと名前を変えて活動していますので、そちらも方も聴いてみたくなりました。シンセウェーブ好きにはお勧めします!と同時に、やはりConny Plankが関わっていましたね。流石です。

A1 “Der Seemann Und Die Stewardeß” (3:48)
https://youtu.be/S8ABs03Ucn0?si=JI501fvye-mpq1Ed

A2 “Romantisch” (3:24)
https://youtu.be/DjAScu_5u0Y?si=Sg81wN9stlGNwE0H

A3 “Fahr Doch Mit Dem Automobil” (3:13)
https://youtu.be/mS0wUdVSVz4?si=P1mNm4o6yBaDYPdr

A4 “Der Wahre Schatz” (3:28)
https://youtu.be/lTTMEsbw2UY?si=DaiJlD7k7MFG9m2z

A5 “Alles Gute” (3:50)
https://youtu.be/NBcksOujdNE?si=W3JVjM--GT_fsh6t

B1 “Schwarzes Gold” (3:43)
https://youtu.be/8A6MkjrZbZY?si=Z4tniW_vXeDIzyqU

B2 “Matrosen” (4:37)
https://youtu.be/-WkKKPnUFy4?si=bUcxj6wyhLAFHtmc

B3 “Vor All Den Jahren” (4:03)
https://youtu.be/VPHFwH-MJcY?si=dkZMFYGxBJrlf7KA

B4 “Im Palast” (2:47)
https://youtu.be/3Aczra0Zi-k?si=lTxenX31N4dfzsS5

B5 “Der Falsche Kuß” (3:02)
https://youtu.be/wjAmyUwQw70?si=U0E8GIUJLp0kSMQP

[オマケ: LEBENdIGITAL “Trotzki, Goethe Und Das Glück”]
https://youtu.be/SOYV3kMlerQ?si=A4kU568KRtxG3UZv

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