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V.A. “Italian New Wave (Minimal Synth, No Wave & Post Punk Sounds From The 80’s Italian Underground)”
1980年代に、世界各国で地下音楽シーンが勃興し、それまでは、米英がメインであったのですが、色んな国から新しい表現を示すアングラ・バンドが出てました。そして、其々は、カセット・カルチャーと結び付き、個人同士や個人対レーベルて繋がっていき、想像も出来ないネットワークで結びついたのでした。その中で最も活動的だったのは独逸でしたが、これに負けず劣らず、伊太利亜でもその動きは活発でした。そして、当時の見たことも聴いたことも無いバンドやソロ・ユニットのサンプルを集めたのが、本作品”Italian New Wave”だと思います。なので、各バンドの簡単な解説とその各曲についてご紹介していきたいと思います。それから、このコンピは2012年にオリジナルが発表されたのですが、今回は、リプレスされた透明黄盤で、若干収録バンドが変わっているようです。
★A1 Neon “My Blues Is You” (5:58)は、珍しく生Drsをシーケンスに合わせての演奏で、Gやドラムマシンも使っており、だるそうなVoが特徴的な曲で、細かいシンセの刻みやドラムマシンと生Drsの掛け合いも面白いです。曲のダークな雰囲気は、欧州的なのかな?
◉1979年にフローレンスで、Marcello Michelottiを中心に結成されたニューウェーブ・バンドで、メンバーは、Piero Balleggi (Kbd), Roberto Federighi (Drs [‘82-'85]), Ranieri Cerelli (G & Effects [‘82-‘86]), Marcello Michelotti (Synth, Vo), Nardo Lunardi (G), Leo Martera (Drs)で、Pankow, Diaframma, 初期Litfibaと共に、フローレンスのDark Wave/ エレクトロ・シーンを支えていました。初期はKinderGarten Recordsからリリースしています。
★A2 Панков (Pankow) “God's Deneuve” (3:53)は、ジャングルのようなドラムマシンと野卑なVoから成るイントロから、太いシーケンスと流暢なシンセに歌い上げるVoから成る曲で、細かいミックスなんかも凝っていますね。結構良い機材を使っていそう。
◉1979年に、フローレンスで結成されたEBM/ Industrialバンドの先駆者で、実際には、1981年から電子機器を使って音楽を始めます。2番目のVoのAlex Spalckが全曲の作曲/作詞を行っており、カセットEP “Throw Out Rite (1983年作)”や”Pankow (1984年作)をKinderGarten Recordsよりリリースしており、1987年には、Adrian Sherwoodとの共同プロデュースでファーストLPをContempo Recordsから出しています。
★A3 Le Masque “Mother And Son” (3:27)は、軽めのシーケンスに手数の多い生DrsとダルそうなVoの対比が面白い曲で、バックにはストリング・シンセらしき音が流れています。
◉1979年に、ミラノで、同じバンドで活動したいEdgardo Moia Cellerino, Tiberio Boncristianoによって結成されています。英ポストパンクに影響を受けていた為、最初は英詞でした。1984年に、ファースト・アルバム”The Happy Flock”を伊の小レーベルSabinaから出していますが、2年後には伊語の歌詞に変えています。1986年に、セカンド・アルバム”Colloquio"をSupporti Fonografici of Milanから出しており、伊語歌詞とインスト曲から成っています。そして、同年、Rai Rai Stereounoのラジオ番組Stereodromeに出演し、1990年にはEMIと契約しています。
★A4 N.O.I.A. “Forbidden Planet” (4:58)は、ドラムマシンとシーケンスに、Gのカッティングと男女のユニゾンVoから成る曲で、バックにはシンセが流れ、間奏にも趣向を凝らしたシンセソロもあり。全体的に軽めに纏めています。
◉シンセ・ポップ5人組で、1980年から活発に活動を始め、最初はエレクトロなシンセ・ポップを演奏していたが、1994年頃からは、トランスやダブとアジアやアフリカのテイストを組合せた音楽をやっています。現在のメンバーは、Bruno Magnani, Davide Piatto, Giorgio Gianniniです。
★A5 State Of Art “Your Eyes” (2:53)は、リズムマシンに直線的なBと控え目なGから成る曲で、やまびこのようなVoと焦燥感を煽るVoも使い分けています。
◉1981年中期に、ミラノで、Der Blaue Reiterが解散して、そのバンドのStefano Tirone (B)とStefano Mazzola (G)が、An Incoherent PsycheのFederico Di Bonaventura (Vo)を誘って結成されたニューウェーブ・バンドです。その他のメンバーの入れ替え後、1981年12月に初ライブを、そして1982年に録音を始めますが、その年の11月にBonaventuraが脱退しますが、新たなラインナップで、1983年にセルフタイトルのEPを出しますが、その後、解散してしまいます。2010年にリユニオンしています。
★A6 Jeunesse D'Ivoire “Days” (3:33)は、スローな曲で、歌い上げる女性VoとドラムマシンととSynth-Bやキラキラしたシンセで、所謂「海外のポップ・ソング」になっています。
◉ミラノのポストパンク・バンドで、メンバーは、Danilo Carnevale, Patrizia Tranchina, Riccardo Frateschi, Stefano Comazziの4人組で、単独アルバムなありませんが、1982年に自費カセット作品を出しています。
★B1 Monuments “Oblivious (Edit)” (3:48)も、カッコ良いシーケンスとドラムマシン?にポリシンセと歌い上げる男性Voから成る曲で、録音仕方やVoスタイルからは「海外のポップ・ソング」っぽいです。
◉トリノ出身のエレクトロ・ポップ・デュオで、メンバーは、Andrea CostaとMauro Tavellaです。1982年にカセット作品”From The Future”を、1984年にアルバムLP”Age”を出しているだけです。
★B2 Rats “C'est Disco” (4:58)では、芋虫のような低音シンセとドラムマシンと生Drsに、コケティッシュなVoが乗る曲で、コーラスも同一人物?Voが売りなのかな?
◉1980年にモデーナのスパヤムベルトで結成されたニューウェーブ・バンドで、1979年に、Claudia Lloyd (Vo)とWilko Zanni (G)を中心としたSextonsとして始まります。翌年にRatsと改名、ダークなポストパンクを奏でていました。そして、伊初のニューウェーブ・ファンジンPlexiglasの発刊パーティーで彼等は演奏し、ジンの発行人Sergio Caponeがいたく気に入り、彼等のマネージャーになります。その後、1981年に、Nice Recordsより限定ファースト・アルバム” C'Est Disco”をリリース。この時のメンバーは、Claudia Lloyd (Vo), Franz (B), Wilko (G), Leo (Drs)でした。しかし、伊国内では流通が悪く、入手は困難でしたが、英国ラジオ番組John Peel Sessionでも放送されるようになります。1982年に、セカンド・アルバム” Tenera è la notte”の録音は開始されていましたが、伊の流行はイタロディスコだった為、御蔵入りになります。1984年にClaudia Lloyd (Vo)が脱退し、1985年には、Vo不在のEP “L'ultimo Warrior”をHiara Recordsから出しますが、音はシンプルで、インパクトのあるものに変化していきます。そうして、1997年まで活動して、その年に解散、2008年に再結成しています。
★B3 Fockewulf 190 “We Are Colder” (4:50)は、トライバルなドラムマシンに簡素なBとシンセのリフと男性Voから成る曲で、シンプルな曲ですが、中々聴かせてくれます、
◉1980年に、ミラノで、Victor LifeことVittorio BarozziとDario Dell'Aereによって結成されたデュオで、実は1979年には、2人は出会っており、一緒に継続的にやろうとは言っており、Dall’Aereが飛行機の名前から、このグループ名を取ったらしいです。彼等は、UltravoxやVisage等が好きで、その中でもHuman League “Reproduction”やJohn Foxx “Metamatic”からは大きなインパクトを得ていました。それで、イタロディスコとニューウェーブを融合させたシングル2枚を1984年に出します。その前年に、Stan AfterことSalvatore Nonnis (G)が加入しており、Stanが働いていたTaxi Clubで、Market RecordsのGiuseppe Mincioniと出会い、自分達のプロデュースを頼んでいます。その結果が、シングル”Body Heat”で、Dall’Aere以外にFred Venturaも歌っていますが、クレジットにFredの表記は無いです。
★B4 Luc Orient “Night In Paris” (3:36)は、生DrsとBと男性Voから成る曲ですが、知らない間にGのリフも入ってきます。途中でテンポが早くなったりします。間奏でシンセやドラムマシンの断片がちょこっと出てきます。
◉このバンドについては、シンセ・ポップを演奏したいる以外に、全く情報がありません。1984年にシングル”Gambe Di Abebe / About The Wheather”をCGDから1枚出していますが、クレジットは何も書いていないです。
★B5 Illogico “Abilità Motoria” (3:53)は、ホーン風シンセとDrsとBから成る曲ですが、Gの刻みやファンキーなVoも聴きどころでしようか?女性コーラスやスラップ奏法のBやトランペット?らしき音も出てきて、曲調はファンクになっています。
◉元々は、1981年10月にローマで結成されたNo WaveバンドIllogical Soundが母体で、1982年にIllogicoと改名しています。メンバーは、Andrea Filosa, Filippo Travaglio, Gigi Parravicini, Peppe Sbarra, Stefano Scocco, Tonino Amendolaの6人組です、1984年にカセット作品”Requisiti”を1本だけ出しています。
★B6 2+2=5 “Mathematic'n Logarithm” (3:58)は、牧歌的なシンセと軽めのリズムマシンとSynth-B(シーケンサーは使っていない)から成る曲で、インスト曲かと思ったら、ヴォコーダーVoが入っていますね。
◉バンドの始まりは、1981年のミラノで、パブの常連だったNino La LoggiaとGiacomo Spazioが出会ったことから始まり、このパブが実はポストパンク世代の数少ない溜まり場であったことも関係しています。更に
Ninoは、Mark Philopatを誘って、その半島でのパンクの先駆者でもあるHCN(バンド名)をやろうとしています。Giacomoは、パフォーマンス・アーティストだったので、面白そうなグラフィックや革新的なペインティング等を探していました。しかしながら、この2人の出会いは、お互いピーンと来たようで、Kraftwerk, Joy DivisionやDAF或いはプロト・エレクトロニック・シーンみたいなことをやろうとして、ジョージ・オーウェルに習ってバンド名2+2=5として活動を始めます。しかし、Ninoは、実験的音響の限界までこね繰り回し、Giacomoはテクストを書いています。そしてバンドは、1982年5月にミラノのProporz映画館での”Cinema-Music Non-Stop”でデビューします。その後、Jeunesse d'Ivoire (A6のバンド)でKbdを演奏していたCha Cha Hagiwaraが加入して直ぐに、アナログでrawな音を目指していき、ミラノやチューリン、スイスにまでツアーをしています。そして、1983年末に、彼等トリオでのファースト・アルバム” Into The Future...”をリリースしていますが、それ以外にはアルバム1枚とEP1枚を出して消滅しています。
★B7 La Maison “40 Secondi” (0:40)は、ドラムマシンを使ったパンキッシュな曲で、スライド奏法のGと短いVoも含めて、No Waveな曲ですが、オリジナルには及びませんね。
◉Livio FogliとLuigi Mussiのデュオですが、このデュオについては、全く情報がありません。また、
Discogsで調べましたが、当時も単独作はないです。
全体的に評価をするのは難しいのですが、個人的にはシンセ・ウェーブなバンドが面白かったです。ニューウェーブやNo Waveなバンドについては、オリジナリティの面やメジャー予備軍的イメージがあって、それ程触手は動きませんでした。しかしながら、イタリアにもこんな地下バンドがあるのかと知ることが出来て、大変興味深かったです。多分、ニューウェーブ好きの皆さんにも気になるバンドがありますよ!
A2 Панков (Pankow) “God's Deneuve” (3:53)
https://youtu.be/hnIsDe63E8I?si=x4zHvpOZFO8c37Jn
[original full album ]
https://youtube.com/playlist?list=PLNF-5Mh1XJEzJMAKms1SeSmIjtmd4XKtt&si=PHHnqIUzPAFHRWp_
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4AD
2024/07/30RATSは、LP,12"持ってます ポジパン系ですね。
欧州は当時日本の輸入レコード店に入ってこなかったバンドがたくさんありますね。
僕は北欧物も力を入れてかなり集めましたが、寒い地方は良いバンドが多いですね