V. A. “Sowas Von Egal. (German Synth Wave Underground 1980-1985)”

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やってくれますねー、Bureau B!こう言うコンピはもっと欲しいですね。と言う訳で、1980年-1985年に出たNDW(Neue Deutsche Welle)の好サンプルのようなコンピ作品”Sowas Von Egal. (German Synth Wave Underground 1980-1985)”を今回はご紹介しします。一部のアーティスト/グループは名前は知っていますが、聴いたことが無いとか、そもそも名前すら知らないアーティストやグループもあり、それでもNDW期に活動していた訳で、興味が唆られます!内容的には両面共7曲ずつ収録されています。それでは、各バンド/アーティストとそれぞれの曲をご紹介していきましょう。

★A1 Träneninvasion “Sentimental”は、軽めのDrsにファニーなシンセとエコーVo及びBから成る曲です。このチープさが如何にもな感じです。
 ◉Träneninvasion (トレネンインファジオーン)は、Palais SchaumburgのHolger Hiller (Vo, Synth)と当時DAFに在籍していたMichael Kemner (B)が、偶々居合わせたS.Y.P.H.のUli Putsch (Drs)を誘って録音した一過性のプロジェクトで、プロデュースはFehlfarbenのPeter Heinがやっています。
★A2 Der Moderne Man “Blaue Matrosen”は、通常のバンドサウンドなんですが、シンセのリフが効いています。Voがシアトリカルで、疾走感のある生Drsが特徴的です。
 ◉Die Moderne Manは、ハノーファーのバンドで、この曲は3rd LP “Unmodern”より取られています。この時のメンバーはMattus (Vo, Synth), E.K.T. (G, Synth, Back-Vo), Tonio Scorpo (Sax, Synth)になっています。
★A3 Silberstreif “Bei Dir Ist Noch Licht”では、ミドルテンポの生Drs/Bに合わせて、砂糖菓子のような甘いシンセに包まれながら、囁くような女性Voが歌っています。
 ◉Silberstreif (シルバーシュトライフ)は、独ハードロックバンドStraight Shooterのサイドプロジェクトで、Georg BuschmannとHans Plankertのデュオです。1枚シングルをSky Recordsより出しています。
★A4 El Deux “Computermädchen”は、ドラムマシンに、シーケンスとキラキラしたシンセ、そして男性Voから成る曲で、簡素ながらも捨て難い魅力があります。リズムを刻むGも良いスパイスです。
 ◉El Deux (エル・デュー)は、Gutze Gautschi, Martin Kraft, Steno Onetzから成るスイスのバンドで、1枚のアルバムと3枚のシングルを出していますが、ここでは1stシングルのドリーミーな曲がセレクトされています。
★A5 Nullzeit “Dein Ganzes Leben”も、軽めのドラムマシンにシーケンスと打ち込みで、やや人間臭く歌っており、コーラスワークも良い感じです。間奏の低音シンセや女性の息遣いもグー!
 ◉Nullzeit (ヌルツァイト)は、Aletta von BeckerathとWalter Sarkaがメンバーの、独Krefeldから1980年代初頭に出てきたシンセポップ・デュオで、1枚シングルを出しており、そのB面が今回、収録されています。
★A6 Hoffnung & Psyche “Sie Bleibt Kalt”は、チープなドラムに直線的シーケンスと手弾きのシンセから成り、EQをイジった女性Voが挿入される曲で、間奏の重低音がイカしています。
 ◉Hoffnung & Psyche (ホフヌンク&プシケ)は、2004年にシングルを1枚と1980年にカセット作品を出しているデュオで、Stefan W. (Drum Machine, Synth)とJutta K. (Vo, Synth)から成ります。
★A7 Schwellkörper “Liebe, Triebe, Diebe”では、ドラムマシンに、BとGが絡み、そのバックではシンセのリフが聴取できます。Voも入っていますが、Gの多重録音がこの曲のキモかも。
 ◉Schwellkörper (シュヴェルケルパー)は、恐らく、A. LiedermacherとBluesとデュオらしいですが、1枚のシングルしか出しておらず、クレジットも無いので、確定的ではないです。このシングルは、2011年にレーベルKernkrachによって再発されています。
★B1 New Dimension “Stuttgart Schwarz”は、エフェクトを掛けたドラムマシンにゴリゴリでカッコ良いシーケンスが唸りまくり、抑制的なVoと対照的なVoも入っているミニマル曲で、間奏のシンセも懐かしい感じ!
 ◉New Dimensionは、Stuttgart出身のJens Herzbergのソロプロジェクトで、1990年と1993年にシングルを2枚出しています。EP”Jede Wüste hat eine Oase..."は、Stuttgartの有名なディスコOdeonとStuttgart Schwarzへのさよならソングで、2006年に再発されています。
★B2 Berlin Express “Die Russen Kommen”は、強力なドラムマシンとシーケンスによるリズム隊と、VoとG風シンセとチャラチャラしたシンセ音も聴かれる曲です。VoはSchnitzler親子でやっているのでは?
 ◉Berlin Expressは、何と!Conrad Schnitzlerとその息子のGregor Schnitzler、それにPeter Baumannを加えたトリオで、1982年にアルバムを1枚出しています。
★B3 Pension Stammheim “US-Invasion”は、益々、ディスコチックな雰囲気で、ドラムマシン?生Drs?とSynth-Bと如何にも電子的なシーケンスにVoが乗る曲で、曲の転調が独特です。
 ◉Pension Stammheim (ペンジオーン・スタムハイム)は、Alfred Janta, Georgie D., Hans Jörg Nonnのトリオで、1980年代初頭には活発に活動して、カセット作品を数本出しています。彼等の音楽は実験的だったりポップだったりしています。
★B4 Alu “Bitte Warten Sie”は、宇宙船発射のようなエフェクトVoから始まり、性急なドラムマシンのビートとシーケンスにパンキッシュなVoから成る曲で、間奏にも中々味があります。
 ◉Aluも以前に書いた通り、1979年にクラウトロック・バンドSandから生まれたバンドで、Ludwig Papenberg (G, Kbd, Drum Machine)とJohannes Vester (Vo, Kbd)で始まり、I1981年にNadja Moltが加入し、ライブができるようになりました。1980年に1stシングルを出していますが、1982年に、Papenbergが脱退し、以降は残った2人で活動していますが、1986年に休息宣言しています。
★B5 Matthias Schuster “Für Alles Auf Der Welt”では、機関車のようなパルス音で始まり、そしてシーケンスや生Drsも入ってくると、焦燥感を感じさせられます。途中にGのヘンテコなリフも入っています。
 ◉Matthias Schusterは、Geisterfahrer(1979年結成のハンブルクのバンド)やBal Paré(1980年結成のシンセポップデュオと言ったグループに関わってきますが、ソロとしては1stアルバム”Atemlos”を1981年に出しています。そのA1を本コンピに収録しています。
★B6 Gorilla Aktiv “Spiegelbild”は、日本のPolysicsを思い浮かべるような落ち着きの無いビートと打ち込みとVoから成る曲です。ビートの元は生Drsかな?
 ◉Gorilla Aktivは、ミュンヘンのニューウェーブ・バンドで、メンバーは、Tommi Eckart(今は、 2raumwohnung で活動), Nick Deinhardt, Ian Moorse (Elaste)で、1982年/1983年にカセット作品"Va bene"や"12/82"を出していましたが、2005年にWas Soll Das? Plattenが、”Va bene”を"Nur für Erwachsene!"と改名して再発しています。
★B7 08/15 “1000 Gelbe Tennisbälle”は、チープなリズムボックスに、間奏なシーケンスと、Der Plan風のVoやSE的シンセ音やテープ音も使われていて、懐かしいです。
 ◉08/15は、Propaganda、そしてその後のRififiのメンバーであるAndreas Theinのソロ名義で、エッジの効いたシンセポップをやっています。この名義では、1981年に1枚のシングルを出していますが、そのA面の曲を本作品に収録しています。その後、盟友Ralf Dörperと共にアシッド・ヒットを飛ばし、Dr Acid & Mr Houseと称されます。

 ひとくちにシンセ・ウェーブと言っても、こうやって聴き比べると結構違うモノなのでなぁと感心してしまいます。まぁ、厳密にはシンセ・ウェーブではないものも含まれていますが、、、ただその広がりはすごいです。これらの音源を集めたのは、流石、Bureau Bです!NDW、特にその中でも現在入手困難なシンセ・ウェーブな曲をコンパイルしてくれたのは本当に有難いです。もし、貴方がそこら辺に興味があれば、是非とも聴いて欲しい1枚ですね! 因みに、このシリーズのvol.2も既に出ています。

B1 New Dimension “Stuttgart Schwarz”
https://youtu.be/7L3qLIWSS50?si=9kS20nqfHpeWu4-F

[full album except for B7]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kl57v2emwI9SMFgWeB6-Lq2xHnJsVviks&si=r7YEjtw1bJJQJWwb

B7 08/15 “1000 Gelbe Tennisbälle”
https://youtu.be/5O4iqxOZBzg?si=Diq8_YVxwVV9toPQ

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