Sadie Sads “Angora”

0

私は、ここら辺の前後関係は良く知らないのですが、ちょっと何かの知識を聞き齧って、多少、興味を持ったので、当時、とりあえず買ってみた記憶はあります。そんなSadie Sadsのファースト・シングル”Angora”を今回は取り上げてみたいと思います。音は全然覚えていなかったので、今回、聴き直した訳です。先ず、Sadie Sadsについて調べてみました。Sadie Sadsは1982年に、Sad (Vo)を中心に結成され、メンバーは、Sad (Vo), Igarashi (G), Kazumi (B), Kan (Drs)で、Igarashiこと五十嵐義秀 (Yoshihide Igarashi)はこの前にはNubileに在籍していました。それで、彼等は一応、ポジ・パン(Positive Punk)に分類されるものの、やはり異端的な存在です。と言うのも、Voは創作言語による無国籍風唱法であり、また、日本のアングラ・シーンでいち早くメタル・ジャンク(又はパーカッション)の導入し、インダストリアルな硬質な音作りも特異でした。更に、ライブではスライドを用いての舞踏的な要素を取り入れており、単にポジ・パンに括れない存在だったそうです。そうして、1984年に、本作でもあるデビュー・シングル”Angora”を自主制作レーベルTelegraph Recordsの傘下のWechselbalg Syndicate (ヴェクセルバルク・シンジケート)よりリリース、翌年には、同レーベルからセカンド・シングル”Angora D.”と唯一のアルバム”Box With Little Doll”をリリースしています。その間にも、Sadie Sadsは、Auto-Mod主催のライブ企画「時の葬列」にも参加しており、その中で、ライブ企画”Bloody Valentine”での偶発的な事故による流血パフォーマンスを展開しており、今では伝説となっているようです。彼らの音楽性は徐々にダンサンブルなものへと変化していきます。そうして、1987年にはバンド名をSadsに改め、ホーンセクションを取り入れたファンク・サウンドへと変化を遂げますが、やがてバンドは終焉を迎えます。

 以上がSadie Sadsのバイオグラフィーになりますが、本作でも、上記のメンバーで制作されています。プロデュースは、Auto-Modのマネージャー兼レーベルの共同創設者である宮部知彦 (Miyabe, Tomohiko)と彼等でやっています。それでは、本作の各曲をご紹介していきましょう。
★A “Angora”では、まだメタパーは使われていないようですが、ドライブするリズム隊を含め、電線のようなGや創作言語を絞り出すように歌うVoも含めて、結構カッコ良いです。
★B “Id”は、メタル・ジャンクのフリーな演奏とそのバックに咆哮のような音が鳴っていますが、途中から、通常のパンド演奏に変わり、トライバルなリズム隊とひたすらリフを弾き続けるGに、呪術的Voが良く映えるのですが、再び、最初のメタル・ジャンク演奏とバンド演奏が交互にカットアウト/カットインされており、興味深いです。

 まぁ、A面は聴く分には、ポジ・パンと言っても、それ程的外れではないですが、個人的にはB面のメタル・ジャンク演奏とバンド演奏をポスト・プロダクションしている所に興味を持てました。私自身もメタル・ジャンク演奏はしていましたが、案外、メタル・ジャンクの音をそれっぽく録音するのは難しいんですよ。そこら辺がちょっと残念だったかな?とも思いますが、このバンドの先進性を感じることができました。今度は、LPボックス、聴いてみようかな?

[full single]
https://youtu.be/0VuGja8nk1g?si=Nh5lJSftxuP_eMED

#SadieSads #Angora #Id #WechselbalgSyndicate #TelegraphRecords #FirstSingle #7InchSingle #1982-1985年 #JapaneseUnderground #PositivePunk #GothRock #Experimental #時の葬列 #MetalJunks #創作言語 #SlideProjector #Sad #Igarashi #Kazumi #Kan #Sads #TomohikoMiyabe

Default