Berrocal “Parallèles”

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このレコード、買った覚えが無いのですが、まあ、届いてしまった以上、聴かざるを得ない訳です。Berrocalと言うのは、1946年10月22日生まれの異端の音楽家である仏人シンガー/作曲家/ トランペッターであるJacques Berrocalのことで、彼が書いた曲を集めたセカンド・アルバムが、1976年にd'Avantageからリリースされた”Parallèles”です。その後、2001年に伊のレーベルAlga Marghenが一度再発をしています。今回は、2度目の再発と言うことです。それで、何故、このアルバムがノイズ・リスナーにとって重要かと言うと、実はこのアルバムは、Nurse With Woundの所謂Nurseリストに載っているんですね。英国音響仙人ことSteven Stapletonのお気に入りらしく、その意味で、重要な作品と考えられているようです。また、本作品では、前衛芸術運動と相関する70年代仏の異端音楽界が生んだ怪物Berrocalが、David Bowieの”Ziggy Stardust”にインスパイアされた、ヤク漬けロックンロールスターVince Taylorを召喚して作った傑作とのことです。Berrocal自体のことは調べたのですが、よく分かりませんが、Discogs上、2010年代までは、彼の関わった作品のリリースを確認できます。なお、彼の作品は、エクスメンタル・ミュージックの精神交配術と皮肉たっぷりの80年代フランス・アヴァンギャルドを体感できる前衛音楽であると評されています。この位しか分からなかったです(すまん!)。
 
 一応、今回の再発を行った仏レーベルRotorelief側の謳い文句をそのまま、掲載しておきます。「1976年、ロックンロールの黒の大天使Vince Taylorは、自転車の車輪の未来的なチリンと音を立てる“Rock'n Roll Station”を訪れて記録することに同意します。慣習に反する他のセッション、手に負えない豚の真ん中にマイクを搭載した豚小屋、この”bric-a-brac”の真ん中にPierre Bastienによって振られたタオルは、ボーナスによって再編成され、未発表の同じ期間。」とのこと。

 それで、本作品での参加メンバーですが、Jac Berrocal (Trumpet, Bicycle), Vince Taylor (Vo), Pierre Bastien (Multi-Instruments), Bernard Vitet (Trumpet), Claude Bernard (Sax), Michel Potage (Reed Instruments), Philippe Pochan (Cello), Richard Marachin (Piano), Roger Ferlet (Double-B, Cornet, Trombone, Trumpet, Perc)みたいです。しかしながら、デュオ〜8人での合奏まで、様々な形態での演奏が収められています。また、B面一杯を使った曲が、あの伊の未来派芸術家Luigi Russoloに捧げられている点も聴き所でしょう。なお、オリジナルの同名アルバムでは、A1とA5の除く5曲が収録されているだけなので、今回は、これら2曲がボーナス・トラックと言うことになります。では、各曲をご紹介していきます。
★A1 “Shorten” (1:45)は、ゴジラの足音なようなら低音とその上に中東のラッパのような楽器によるフリーなメロディとPercの乱れ打ちから成る曲で、私的には好きな曲ですね。
★A2 “Parallèles” (6:25)では、管楽器の自体の音やそれのマウスピース音なんかが窒息しそうにポツポツと吹かれ、弦楽器の軋む音と共に苦しそうに演奏された後に、トランペット等の戯けたメロへ移行していきます。
★A3 “Post-card” (4:00)は、まるでインダストリアルのようなフィールド録音に、トランペットらしき管楽器が纏わりつき、更にTaylorの仏語の語りがナレーションの様に入ってきます。
★A4 “Galimatias” (3:05)は、ソロで吹かれるトランペットが複数になり、それらの掛け合いから成る曲です。
★A5 “Rare Interview” (0:35)は、Taylorによる語りのみですが、声質に説得力を感じます。
★A6 “Rock'n Roll Station” (4:40)は、ウッドベースのボンボンとしたミニマムなリズムと大仰なストリングスをバックにTaylorの語り口っぽいVoがバシバシ入り込んでおり、その内、背後で奇声も聴取される。
★B “Bric-à-Brac (To Russolo)” (20:35)は、まるで「プロが演っているスクラッチ・オーケストラ」のような演奏で、先ずは、チェロやヴァイオリンなどの弦楽器による混沌とした即興演奏から始まり、物音系Percのガタゴトした演奏になり、その内、メガフォンVoや「象の鳴き声」も加わり、更にトランペット等の吹奏楽器の自由な演奏と移行していきます。そうして、唐突に、ピアノの乱打とサックスのフリーキーな合奏へと切り替わり、ウッドベースも加わり、最終的に、ウッドベースの単調なビートにTaylorのヘロヘロなナレーションとタイプライターの音だけに替わっていきます。これら誤用された演奏こそが、「騒音芸術」なのでしょう!

 確かに、初版が1976年であることを考えても、この作品は世紀の「謎」盤ですね。私は、それ程、即興音楽自体も熱心に追ってきていないし、またその奥深さもちゃんと理解してはいませんが、そんな私でも、これは中々聴き応えがありました。また、初めてNurseリストの作品としても意識したのですが、Stapletonが好きだったのは何となく分かりました。Nurseファンもそうで無い方も、偶にはこう言うアヴァンな一枚も良いのではないでしょうか❗️

[original album]
https://youtu.be/sJB0zhzOX0g?si=0BrV7kOKSfBdbf8v

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