Pseudo Code “Life On Stage” in box “The Insane Box”

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さてさて、これが本命でしようか?ベルギーの実験レーベルInsane Musicのアーカイブから、今回はPseudo Codeを紹介します。タイトルは”Life On Stage”で、E/F面5曲ずつが収録されています。Pseudo Codeはこのレーベルの中では、1番バンドらしいバンドで、メンバーは、Xavier S. (Vo, Text), Guy Marc Hinant (Pianet, G, Perc, Casio, Text, Sound Effects), Alain Neffe (Synth, Strings-Organ, Sax, Piano, Vocoder, Flute, Rhythm Box, Sound Effects, Text, Radio)から成り、3人が固定メンバーです。本作品に収録されているのは、1981年〜1982年にBrusselsとBruggeにて2トラック・レコーダーで録音されたもので、その内、E1 “Introduction: Surrounding”, E2 “Monarch In My Kingdom”及びR4 “The Crook Of Your Heart”はカセット作品”Remains To Be Heard Vol. 1”から取られています。どうも全部ライブ音源みたいです。それでは各曲を紹介していきます。
E1 “Introduction: Surrounding”は2分間弱のシンセとピアネットの合奏です。ピアネットの旋律が美しい。E2 “Monarch In My Kingdom”は、混沌の中から、ダブ処理されたリズムボックスとXavierの粘着質が語りように歌うスタイルのヴォーカル及びオルガンの不協和音が立ち上がり、次第にギターノイズも加わり、不定形へと拡散していきます。E3 “Keep Smiling!”ほ、一定のリズムを刻むリズムボックスはあり、バックのシンセも楽曲のようにフレーズを弾いてはいるのですが、結構、ノイジーで、ヴォーカルも字余りです。またオルガンの不協和音も聴こえます。E4 “The Crook Of Your Heart”は、不気味なシンセの通奏低音の上で、ヴォーカルがゆっくりと語り出し、不穏で強迫的な曲になっています。またディレイを使ったエフェクト処理もそれに輪を掛けています。当然、ビートレスです。E5 “No More Groans”は、安物のリズムボックス(エレクトーンに付いているような)と適当なパーカッションとフルートとが混ざり合い、憂鬱なヴォーカルも相まってダウナーな曲に仕上がっています。
そしてF面にいきます。F1 “Forgive Me”は単調なリズムで始まり、不協和音気味のストリングス・オルガンとXavierの語り口調のヴォーカルが、聴く者を憂鬱にさせます。フェイドアウトすると見せかけて、再びサックスのダルな演奏を伴って、フェイドインしてきます。F2 “Such A Long Time”も3拍子のカシオトーンのリズム隊による単調な演奏に纏わりつくXavierのヴォーカルと、恐らく即興と思われるシンセのメロディとオルガンのクラスタ奏法が、何故か聴く者の不安を煽ります。F3 “Who Betrays The Other”はやや調子の良いリズムに、ムーディーなサックスとオルガン及びピアネットが合わせてきますが、やはり字余りのヴォーカルが「陰」な感情を刺激してきます。「まるで嘘つきだ!」と唱える歌詞もダウナーな感情を刺激します。F4 “Salaam”では、何と生ドラム入りです!弾いているのはHinantでしょうか?そして、この曲は奇数拍子です。それにサックスとヴォーカルが乗ってくる、やや短い曲です。F5 “Even Americans Can Cry”は涅槃のような曲で、ポロンと弾かれるベースとシンセとが鳴り、その上に、全てを観念したかのようなヴォーカルが乗ってきます。淡々とした中に諦念を感じます。
それで、思ったのですが、これは、1981年〜1982年と言う時代性も考慮すると、世界中に飛び火したインダストリアル・ミュージックを彼等なりに解釈して演っていたのではないかと言うことです。そして、Alain Neffeの他のユニットの中で、一番サイキックで実験的な音楽をやっていたと確認できます。ただ、Neffeがマルチ奏者だったこともあり、世の数多の屑インダストリアル・バンドには陥らなかったのでしょう。一方で、欧州的なデカダンスも感じられますが、それはPseudo Codeだからの化学反応だと思います。貴重なライブ音源なので、是非聴いてみて下さい‼️ それにしてもXavierのヴォーカルは凄いです!

E3 “Keep Smiling”
https://youtu.be/6joHck_PTJE

E4 “The Crook Of Your Heart”
https://youtu.be/YVzS1ygXcNI

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