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M.B. “Carcinosi”
これも、Maurizio Bisnchiが、M.B.名義で、リクリエイトした/De-composeした1983年の作品です。彼の経歴は前作”Endometrio”の項目を参照して下さい。本作品は前作との連作になりますが、片面1曲ずつで、それぞれ1979年録音の ”(Sianotico) Carcinosi Oswiecim”と1982年録音の”(Bionico) Carcinosi Brzezinka”からなります。この年代は恐らく最初に録音した年だとは思いますが、リクリエイトによって、深いエコー或いはディレイ処理により、茫漠たる宅録インダストリアルに異化されています。イタリア語でテキストが記載されていますが、作品タイトルが「癌」と言う以外は、よく分かりません。この時期のM.B.は輪郭の不明瞭な曖昧模糊とした長尺の曲が多く、私の大好きな”Das Testament”とはまた異なるシンセ音のアプローチを感じます。辛うじて判読できるテキストには「機械からの音楽」と言うか単語以外は分かりませんが、当時のレコード評では「射精後の真っ白な脱力感を想起させる」などと書いてありますね。確かに、アンビエントしては、余りにも気持ちが悪いし、通常のノイズ・インダストリアルにしては極私的過ぎるという、何とも言い難い位置に、彼の音楽はいたんだろうなと思います。そして亡霊のように時々、逆回転のシンセのメロも聞こえて来るところが、彼の「泣き」のシンセではありますね。これ2枚を連続で聴いていると、もう何を聴いているのか?時間感覚が無くなってきます。なお、入手の経緯などは前作の紹介文を参照してください。また、前作と本作にはM.B.自身の撮影したピンボケのポラロイド写真がジャケに使われていますが、この曖昧模糊な写真も、この時代のM.B.を紐解くヒントになるかも知れませんね。そんなM.B.にも触れてみてください。(しかし、天気のいい秋真っ盛りの土曜の朝から聴くような🎶ではないわな。)
本アナログ音楽美術館の100作目はM.B.で‼️
A: “Terzo Ciclo (Cianotico) : Carcinosi Oswiecim (1979)” (22:39)
B: “Quarto Ciclo (Bionico) : Carcinosi Brzezinka (1982)” (22:35)
https://youtu.be/NSrLLWw4c0s?si=iDAStNz0evjGflGJ
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