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K2 “The Rust”
ちょくちょく挟みますよ、自分関係のアイテム。今回は1996年にウチと米国Cortical Foundationsで共同リリースしたCD、K2の”The Rust (錆)”です。まあ,私にとっては、第二期K2の中期代表作の一つになる訳ですが、個人的にはそんなに気に入っていた訳でもありません。この時期は、専ら、メタル・ジャンク(要するに鉄屑や錆びた鉄板、金属製の支柱、一斗缶、フライパン、家庭用品なんか) を拾ってきたり、買ったりして集めていて、天井に支柱を通して、それらを、支柱からチェーンで吊していたんですね。それをマイク2本とコンタクトマイクを仕込んだFriktorと言うちょっとした自作物で、エフェクター通して録音してました。意外と、メタル・ジャンクの迫力ある録音ってむずいんですよ。でも、それは、それまでの知恵と工夫とノウハウで何とか克服できたと思います。私の場合、単に多重録音する訳ではなく、ステレオで2チャンネルずつ4回に渡り録音します。その際、その前に録音した音は全くモニターせずにどんどん録音していきます。それで2x4トラックが埋まったら、ミックス・ダウンなのですが,私の場合、これが一番重要な作業になります。つまり、各トラックに録音されている音源をその場で瞬間的かつぶった斬るようにオン・オフを行い、カットアップ的にミックスしていきます。なので、同じ音源テープを使っていても二度と同じ曲にはならないです。このカットアップ的ミックス・ダウンは、割と最近まで続けてました。まあそんな感じで作ったCD作品なのですが、2018年頃でしょうか、いきなり、米国のHospital Productionsから、このCDをヴァイナルでリリースしたいとの連絡があり、この作品のことをすっかり忘れてた私は、”OK、いいよ”と一つ返事をして、2018年にリリースされたのが、このLP2枚組です。勿論、リマスタリングしてありますので、音は低音も高音もしっかり出ていて、大満足でしたが、まさか、レコード盤が一枚目がオレンジ、2枚目がブラウンとなっていたり、スペシャル・ヴァージョンとして、見開きのジャケに鉄板や鉄製メッシュなんかが取り付けられたハンドメイド版(写真5枚目参照)もあってビックリしましたね。まあ、通常の黒盤もありますが。前述したように、これは電子音を殆ど使っていないメタル・ジャンク音のみによるカット・アップ作品であり、マスタリングもバッチリですので、見かけたら、是非ともご購入を❗️ しかし、Hospital Prod.、流石に良い仕事するわぁ。 “Part 1” https://youtu.be/z-uRoQl9MR0 “Part 3” https://youtu.be/usbm03f60LY #K2 #TheRust #Metaljunk #CutUp #Harsh #Noise #Remastering #ColorVinyls #Handmade
Harsh Noise (Cut-Up) Hospital Productions (Cortical Foundation & Kinky Musik Instiitute 0円(謝礼)Dr K2
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M.B. “Carcinosi”
これも、Maurizio Bisnchiが、M.B.名義で、リクリエイトした/De-composeした1983年の作品です。彼の経歴は前作”Endometrio”の項目を参照して下さい。本作品は前作との連作になりますが、片面1曲ずつで、それぞれ1979年録音の ”(Sianotico) Carcinosi Oswiecim”と1982年録音の”(Bionico) Carcinosi Brzezinka”からなります。この年代は恐らく最初に録音した年だとは思いますが、リクリエイトによって、深いエコー或いはディレイ処理により、茫漠たる宅録インダストリアルに異化されています。イタリア語でテキストが記載されていますが、作品タイトルが「癌」と言う以外は、よく分かりません。この時期のM.B.は輪郭の不明瞭な曖昧模糊とした長尺の曲が多く、私の大好きな”Das Testament”とはまた異なるシンセ音のアプローチを感じます。辛うじて判読できるテキストには「機械からの音楽」と言うか単語以外は分かりませんが、当時のレコード評では「射精後の真っ白な脱力感を想起させる」などと書いてありますね。確かに、アンビエントしては、余りにも気持ちが悪いし、通常のノイズ・インダストリアルにしては極私的過ぎるという、何とも言い難い位置に、彼の音楽はいたんだろうなと思います。そして亡霊のように時々、逆回転のシンセのメロも聞こえて来るところが、彼の「泣き」のシンセではありますね。これ2枚を連続で聴いていると、もう何を聴いているのか?時間感覚が無くなってきます。なお、入手の経緯などは前作の紹介文を参照してください。また、前作と本作にはM.B.自身の撮影したピンボケのポラロイド写真がジャケに使われていますが、この曖昧模糊な写真も、この時代のM.B.を紐解くヒントになるかも知れませんね。そんなM.B.にも触れてみてください。(しかし、天気のいい秋真っ盛りの土曜の朝から聴くような🎶ではないわな。) 本アナログ音楽美術館の100作目はM.B.で‼️ https://youtu.be/RloBIjPlkqg #M.B. #Carcinosi #MaurizioBianchi #Re-creat #De-composition #Industrial #Noise
Industrial Mectpyo Sounds 0円(謝礼)Dr K2
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M.B. “Endometrio”
漸く登場は、Maurizio Bianchi (マウリッツィオ・ビアンキ)ことM.B.です。彼は元々、Tangerine DreamやConrad SchnitzlerおよびThrobbing Gristleに影響を受けて、イタリアのミラノで、1979年にSacher-Pelz名義として音楽活動を始めました。しかし、1980年には本名或いはM.B.とイニシャルで、本格的にノイズ・インダストリアル・ミュージックを作製するようになり、特に1980-1983年の活動で、一躍有名になりました。その後、彼はエ○バの証人に入信し、音楽活動を中断しています。その後、1998年に音楽活動を再開しますが、2009年には活動が途絶えていました。ただ、近年では複数のレーベルが新録の作品やSacher-Perz名義でのリリース出しており、また再復活しているようです。それで、最初の活動時期の紹介をしたいと思います。1981年にM.B.としてのファーストLP “Symphony for the Genocide”はNocturnal Emissions(NE)レーベルSterile Recordsからリリースされますが、それ以前に、Merzbow, G.X. Jupitter-Larsen(The Haters), SPK, Nigel Ayers (NE)やWilliam Bennette(Whitehouse)などの当時のインダストリアル・ノイズ・シーンを盛り上げていたアーティストとメール・ミュージックを通じて、交流を持つようになります。それら多くのグループがライブ活動もやっていたにも関わらず、彼は、イタリアで宅録ノイズ・アーティストとして匿名性(当時は誰もM.B.の顔を知らなかった)の中で活動をしてました。実は、1983年頃、私もM.B.と交流があり、彼が、日本の輸入盤店某イース○ン・ワークスと揉めていました。その仲介を頼まれて、店舗に行って、話しを通したと言うことがありました。そのお礼にこの作品を頂いたのですが、「おまえもエ○バに入らないか?」と勧誘されたので、交流を絶ったと言うエピソードがあります。その前に、私は、彼のアルバム ”Das Testament”(この作品もいずれ紹介します)を聴いて、衝撃を受けていたこともあって、彼に倣い、自分のノイズユニット名をイニシャルからK2と名乗るようになったと言う経緯もあります。それで、本作品ですが、彼はde-compositionと言う方法をしばしば使います。と言うのも、彼は宅録アーティストなので、自分の過去作にポスト・プロダクション(と言っても、深いエコー処理とか逆回転なんですが)を施し、新しい作品として作り直します。本作品もそのような手法で作られていると思いますが、イタリア語が読めないので判然としません。ただ、この作品を彼自身は「バイオ・ミュージック」と呼んでおり、1980年録音の”(Anatomico) Endometrio”サイド(解剖学的子宮内膜)と1981年録音の”(Fisiologico) Endometrio”サイド(生理学的子宮内膜)の長尺の2曲からなっています。いずれも深いエコーがかけられた茫漠としたシンセ音からなり、如何にもこの時期のM.B.節が炸裂しています。この時期は、彼のRe-createが始まった作風が多くなります。そんなM.B.初期の極私的インダストリアル・ノイズを是非とも体験して下さい。 “(Anatomico) Endometrio” https://youtu.be/EtuXJAU8gY4 #M.B. #Endometrio #Industrial #Noise #De-composition #Re-Creat #MaurizioBianchi
Industrial Mectpyo Sounds 0円(謝礼)Dr K2
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Techno Menses / De Fabriek “Rhythm Monsters”
偶には自分のレーベルの作品も。1983年頃にメールアートで知り合ったオランダのDe Fabriekと、私が参加しているテクノイズ・ユニットTechno Mensesとのスプリット作品が本作です。1983年に結成されたTechno Mensesは当初、軍歌をテクノポップで演ると言うコンセプトでしたが、その後、メンバーの趣向が変わり、所謂、ミニマル・テクノイズに変化してきました。本作のTechno Mensesは坂下和彦(Digital Electronics)と坂下智也(Rhythm Machines)の兄弟に、私がManipulationとMixで加わると言う編成になっています。MIDIを使った原初的な曲を4曲。その中には、Faustのカバー(?)も含まれています。一方、De Fabriekは1970年代後半より流行に流されずに、マイペースで作品をリリースしてきているRichard Van DelenとAndries D. Ekerを中心とした不定形ユニットで、初期のEGを思わせるリズミックで実験的な音(厳密にはテクノイズとは言い難いです)を作り続けています。割と初期の頃からレコードを出しており、(また紹介する機会もありますが)国際コンピなども出しています。本作で ”Sound In Progress” と言う長尺の曲を提供しており、プリミティブなリズム・トラックとシンセ音をディレイで変調しまくった通好みな出来栄えで、飽きることがありません(強力なダブとも言えますが) 。なお、De Fabriek側の詳しい参加メンバーは不明です。限定で300枚作って、配給しましたが、その中には更に限定でオレンジ盤があります。当初はジャケはスケルトンにする予定でしたが、予算不足と連絡ミスで白ジャケになってしまいました(残念!)。私の方も丁度、K2第二期の終わり頃であったので、充分に配給が出来なかったのも心残りでしたね。そんな過渡期の作品で、かなりレアものなので、中古で出ていたら、即ゲットして下さい! A1 Techno Menses “Before The Dawn” A2 Techno Menses “Miniatures” A3 Techno Menses “Call Of Faust” A4 Techno Menses “Mechanism Of My Body” B De Fabriek “Sound In Progress” [Techno Menses: 他の曲”Dyskinesia 1” (1996年)] https://youtu.be/PNIBPM6oQdk?si=j5ApsA2KdGqIspEP [De Fabriek: 他の曲”Break-Attack” (1993年) ] https://youtu.be/qhc02RVfb2c?si=nHkdFMdwOWEGUjYo #TechnoMenses #DeFabriek #RhythmMonsters #KinkyMusikInstitute #LimitedEditions #200部 #OrangeVinyl #Technoise #Japan #KazuhikoSakashita #TomoyaSakashita #KimihideKusafuka #RichardVanDellen #AndriesDEker
Technoise / Experimental Kinky Musik Institute 不明Dr K2
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K2 “Karoushi: Overwork For the Death”
たまには自分のことも。私はK2名義で、1983年からノイズ・ミュージックをやっていますが、第二期を除いて、余りライブはしていません。所謂、宅録ノイズ・ミュージシャンです。現在、第三期であり、近年は、モデュラーシンセを使ったノイズ・ミュージックを作っています。国内外を問わず、デジタル/アナログを問わず、リリースを続けており、漸く200作品位になりました。このアルバムは、2019年に独逸Psych K.Gよりリリースされた作品で、「某電通の女子社員が自殺した」事件を元に作りました。タイトルも「過労死」です。殆どはモデュラーシンセを使い、歪み系エフェクターは使っておりません。なので、私は電子音楽のハードコア、即ち「エレクトロ・コア(略してエレ・コア)」と呼んでいます。この作品にはLPの他、第二期の未発表音源”Les Extremes Se Touchent 3”をCDとして収められており、ジャケもハンドメイドで、一点モノです。また限定バージョンとして、凄く綺麗なアンタイ・レコードを付属しているものもあります。CDの内容は、第二期の特徴であったメタル・ジャンクとシンセなどを使った習作的作品から成ります。 LP A “MatzRi The Suicidal Angel “ (27:05) B “Dance To Dentzoo” (19:20) CD 1 “Part 1” (15:32) 2 “Part 3” (8:32) 3 “Part 4” (6:22) 4 “Part 2” (23:48) 5 “Part 5” (5:58) [YouTubeに上がってないので、その練習風景を貼っておきます] https://youtu.be/HZ72HgCxft8?si=NBzjlT54q_h3rdN0 [BandcampのURLも貼っておきます] https://k2music3.bandcamp.com/album/overwork-for-the-death #K2 #Karoushi #OverworkForTheDeath #PsychKG #NoiseMusic #ElectronicMusic #ElectroCore #ModularSynth #BoxSet #LP+CD #Handmade #GermanLabel #Japanoise #PreviouslyUnreleasedTracks #MetalJunks #KimihideKusafuka
Noise Music / Electro-Core / Metal Junk Noise Psych K.G. 不明Dr K2