1円 紙幣 武内宿禰/1円銀貨 {361}642710

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 この紙幣より前に発行された大黒旧券には、紙幣の強度を高めるためにこんにゃくが混ぜられ、そのため虫やネズミに食害されることが多々あったためにこの一円紙幣を含めた「改造券」が発行された。
 表面には日本語で、裏面には英語で兌換文言が書かれている(此券引きかへ尓銀貨壱圓相渡可申候也 NIPPON GINKO Promises to Pay the Bearer on Demand One Yen in Silver)当初は記番号が漢数字だったが1916年からはアラビア数字となった。黒透かしが採用されている。
 1897年に銀本位制から金本位制に移行したが、兌換されるべき1円金貨が製造されなかったので、金本位制の下では、金本位制にはそぐわなかったものの、い号券の登場までこの改造一円券が事実上の不換紙幣としてそのまま使用され続けた。「兌換銀券」と書かれているものの、現在では不換紙幣としての扱いになるため、銀貨と交換することはできない。法的には有効であり法貨として額面である1円の価値が保証されている。漢数字記番号のものは古銭的価値が評価され、数千円から1万円以上の値がつくことがある。

寸法 縦85mm、横145mm
発行開始日 1889年(明治22年)5月1日

#紙幣

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