2つの災害を超えて
かつて新幹線と縁の無かった地域の一つであった北陸地方。2015年に念願の新幹線が開業しました。その前年、1つの新形式が産声を上げました。 彼らの名は「E7系・W7系新幹線電車」 E7系 F1編成 「あさま」 https://muuseo.com/Rokukyu_Express/items/53 六崎急行(Rokukyu_Express) 先輩のE2系の後任として登場。ウルトラセブンの音楽を使用した格好いいCMも作ってもらい、華々しいデビューを飾りました。翌年には双子の弟とも言えるW7系も誕生し、順風満帆な車生を送り出したかのように見えました。 W7系W1編成「はくたか」 https://muuseo.com/Rokukyu_Express/items/12 六崎急行(Rokukyu_Express) ところが2019年の秋、長野の車両基地で休んでいた彼らを悲劇が襲ったのです。 台風19号により千曲川が氾濫。10編成が(内訳E7系8本 W7系2本)が水没。その中には開業1番列車を務めたF1編成も含まれていました。被災編成はそのまま廃車。運行がめちゃくちゃになってしまった一方、引退予定であったE4系がピンチヒッターとして活躍を続けました。そうこうしているうちに追加の仲間たちが誕生、中には朱鷺色を纏った編成も現れました。 E7系F21編成「たにがわ」(朱鷺色) https://muuseo.com/Rokukyu_Express/items/164 六崎急行(Rokukyu_Express) その後は大きな動きもなく、いよいよ敦賀延伸を目前に控えた2024年1月のことでした。皆様の記憶にも新しい、能登半島地震が発生します。幸い新幹線の物理的な被害はありませんでしたが北陸エリアは大きなダメージを受けました。敦賀延伸は予定通り進みましたが、まだまだ北陸は復興途中です。サンダーバードを潰したなど色々叩かれてはおりますが、2つの大きな災害を乗り越えた当形式こそ、復興の象徴として北陸へたくさんの乗客と希望を届けてくれるのではないでしょうか。