Takehisa Kosugi “s/t”

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世界の小杉武久のライブ録音アルバムの再発版で、オリジナルにはなかった、もう一度枚のアルバムにはTed Szàntoとのコラボ・ライブもLP枚分付いていると言う有難いブツです。小杉武久氏に関しては、私がそのバイオグラフィーを語るのは畏れ多いのですか。なるべく簡潔に述べたいと思います。
元々、小杉氏は東京芸大の楽理科に在籍しており、1962年に卒業しています。初めての作曲は、彼の父親のハーモニカ演奏の楽譜またはMischa ElmanとJoseph Szigetiによるヴァイオリン演奏の録音用のものです。1950年代の大学生の時は、欧米で起こりつつあった実験音楽やジャズ、特にCharlie Parkerの自発的で自由度のある音楽に影響されていました。それと同時に日本の能にも興味がありました。特に「間」の観念に惹きつけられています。1960-1975年には、彼は、元々の自分の楽器だったヴァイオリンに、様々なエコー・チャンバー通したり、Fluxusの音楽家(Tony CanardやJohn Caleなど)のように変調させた奇妙な音ドローン処理を試しています。また、1958-1962年には東京をベースとした「グループ音楽」と言う7名から成るアンサンブルを結成し、音楽の限界まで拡張した演奏に注力し、1961年9月15日に草月芸術センターで初演したいます。またその頃は、暗黒舞踏との関係も出来てきます。そして、作曲家一柳慧の紹介で、Fluxusのアーティスト達との交流を持ち、一柳氏は、次に、George Brechtのイヴェント楽譜を紹介し、小杉氏の録音の初稿を、Fluxusの創設者でもあるGeorge Maciunasに送ります。それが縁で、小杉氏はFluxusと関係を持つようになります。1963年に、小杉氏は”Fluxus 1”を作曲していますが、”Theater Music”と呼ばれる音楽的断片から成る曲です。また、Fluxus関連のアーティストてあるNam June PaikとCharlotte Moormanともコラボして、”Music Expanded”を3人でら1967年にManhattanのタワーホールで初演しています。その後、1964年には武満徹、一柳慧とCollective musicを結成しており、マース・カニンガム舞踏団の初来日で、John CageやDavid Tudorと共演。その後、小杉氏は日本に帰国して、更なる実験性と集団的活動を続けます。そして1969年にTaj Mahal旅行団と言う集団即興グループを結成し、オランダからインドまで廻っていますが、英国、伊、独、北欧では野外のステージでパフォーマンスとハプニングスを公演しています。彼等のアルバムはCBS/Sonyから”July 15, 1971”が、Columbia Recordsから”1-August, 1974”としてリリースされています。1870年後期〜1980年初期には小杉氏は更に実験的な活動を加速させており、サウンド・アートの世界にも進出しています。1975年にTaj Mahal旅行団を解散して、小杉氏は米国に戻ります。1977年には、Tudorの誘いでらMerce Cunningham Dance Companyの、レジデント音楽家/作曲家となります。そこで、彼はCageやMence Cunninghamともコラボしており、1995年〜2022年ではこのDance Companyの音楽的監督をやっています。また、1999年には、小杉氏はSonic Youthともコラボして、アルバム”SYR4: Goodbye 20th Century”を出しています。1966年と1977年には資金を調達して、1981年に、西ベルリンで、DAADを取得しています。またソロアルバム”Catchwsve”をCBS/Sonyからリリース。そこら辺から彼は有名なフェスなどで、各種受賞をされています。それで2015何にはIkon Galleryで、初めてのサウンド・インスタレーションのソロ展をやっています。しかしながら、小杉氏は、2018年10月12日曜日、芦屋にて食道癌にて他界しています。
ザックリとこのような華やかしい人生でした。
それで本作品について紹介します。
LP1 A面B面は、1991年8月14日に、NYCで、以前に住んでたマンションでの演奏のライブ録音です。伊でのフィールド録音、NYCのW.EBSラジオ番組の実況音、プラスチックのチューブ、オーディオ・ジェネレーター、ディレイやピッチシフターなどを用いたソロ演奏で、電子音だけではかさなく、フィールド録音も含めて、一本の映画を観るような音楽を作り上げています。絶妙な音のコントロールですね。一方、LP2 C面D面は
Ted Szàntoとのコラボライブで、1979年6月12日にアムステルダムのBellevueでのライブ即興演奏です。変調した音源が電子音として聴取されます。個人的には
ソロの静謐な緊張感も良いが、デュオの方が絡みもあって「ノイズ的」なところが、より楽しめました。でもここら辺は人それぞれだと思いますので、この感想はあくまでも私的なものです。ライブ音源にも関わらず、音はクリアに拾われている為、聴きやすいですね。初心者の皆さんも、敷居は高くは無いないので、是非とも聴いてみた下さい。

YouTubeにはなかったので、小杉武久氏作曲によるMenge Cunninghamの作品を貼っておきます。
https://youtu.be/MBlzeehZIeE

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