The Velvet Underground “White Light/White Heat”

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もう、私が紹介しなくても良いでしょう。そうです、The Velvet Underground (以下VUと表記)の漸くの登場です。今回は、セカンド・アルバム”WhiteLight/White Heat”です。その前に少しバイオグラフィーを(すいません、おこがましいですが、私の知識の整理の為にもやらせて頂きます)。VUは1964年に米国NYCで結成されたバンドで、後進に莫大な影響を与えて来ています。1963年にSyracuse大学を中退したLou Reed (Vo, G)がNYCに移り住み、レコード・デビューの機会を狙っていました。その時に、英国Wales出身で、学士号取得の為に米国にやってきた、現代音楽を学んていたJohn Caleと知り合います。Caleは、マルチ奏者で、John CageやCornelius Curdew或いはLa Monte Youngに興味があり、特にLa Monteの「永久音楽劇場」に心酔していました。そんな2人は共通の音楽的アプローチで意気投合し、バンドを結成します。CaleはViolaとB及びKbdを担当します。そして、Reedの大学の同級生であったSterling Morrison (G)を誘います。そこにAngus MacLise (Drs)が加わり、4ピースのバンドになりますが、最初はWarlocksとかSpikesと名乗っていました。1965年に、MacLiseに代わってMoe Tucker (Maureen Tuckerが本名?)がDrsで加入し、正式なバンドとして録音などをこのメンツでやっていくことになります。それでVUの由来ですが、元々、Michael Leighが性的倒錯などについて描いていたサブカル・ペーパーバックのことをCaleの知り合いでもあったTony Conradから教えてもらい、MacLiseがこの名前はバンド名にピッタリじゃあないかと、他のメンバーに提示したところ、ReedもMorrisonも賛成したことで、正式にバンド名がVUに決まります。これが1965年11月です。しかし、その直後に、MacLiseは突如脱退しています。その後任として、Morrisonの友人Jim Tuckerの妹Moe Tuckerが先述のようにVUに加入します。彼女のドラム・スタイルは変則的で、シンバルを使わず、タムやステア或いは水平に置いたパスドラをマレットで叩いてと言うドラムセットで、演奏中は立ったまま叩いていました。VUはGreenwich VillageのヴェニューCafé Bizarre で定期的に演奏する機会を得て、そこを中心に活動をしています。それを観たAndy WarholeはVUのことを気に入り、Warhole自身が企画している、音楽、ダンス、フィルム、照明、そして聴衆をも巻き込むマルチメディア・イベント”Exploding Plastic Inevitable”に音楽で参加するように誘います。このイベントが、NYCで開催されると、ヒップな文化人たちにも大受けします。これをきっかけにVUは、Warholeの口添えもあってMGMのVerve Recordsと契約します。この頃になると、Warholeはマネージャーのように振る舞い、彼の工房で働いていたNico (本名Christa Päffgen)に数曲歌わせてくれないかと提案して、バンド側はOKするものの内心は余り良くは思ってなかったとか。それで、VUはWarholeをプロデューサーとしてファースト・アルバム”The Velvet Underground & Nico”のレコーディングに取り掛かります。レコード会社の都合で遅れて、1966年4月に、主にNYCのScepter Studiosで行われています。1967年3月に、ジャケはWarholeが担当したバナナで有名なデビューアルバムをリリースします。ここら辺のことは、また別の機会に書きます。それで、彼等はCBGBやMax’s Kansas Cityに出るようになり、マネージャーもWarholeではなく、Steve Sesnickに代わります。それで、1967年9月から、VUは、プロデューサーにTom Wilsonを迎えてセカンド・アルバム”White Light / White Heat”の作製に取り掛かり、1968年1月にリリースします。この作品では、より前衛色を強め、17分に及ぶ大作”Sister Ray”が並ぶなど、より暴力性とノイジーさが浮き彫りにされた音楽となっています。因みに、英国インダストリアル・バンドCabaret Voltaireは本作品に収められている”Her She Comes Now”のカバーも演っていますが、ビルボードチャート上位200組中199位でした。またこの頃から、ReedとCaleの音楽的方向性の違いが浮き彫りされて、その結果、Caleは脱退させられてしまいます。Caleはより実験的な方向へ、Reedはより従来型へと考えていました。しかしながら、Caleはその為にVU内での居場所がなくなってきました。CaleのVUでの演奏は、1968年9月のBoston Tea Partyのものでした。後にReedは、「Warholeの関係を断ったことから自由に作れるようになったが、結果的に歯止めがきかなくなり、まとまりを欠く物になった。そして、最終的にCaleが脱退する事態になってしまった」と語っています。Caleの代わりにはDoug Yuleが加入し、サードアルバムの作製を開始します。1969年3月にサード・アルバム”Velvet Underground III”をリリース、全体に叙情的な面が目立たますが、前作のような過激さも併せ持っています。この頃が、VUの歴史の中で、最も安定した時期であったようです。その後、VUは4枚目のアルバム”Loaded”を出しています。このアルバム・リリースで、VUは解散してしまいます。ここら辺も別の機会に紹介したいと思います。
 それで、本作品”White Light/ White Heat”について紹介していきます。先ずはメンバーと担当楽器について、Lou Reed (Vo, G, Piano), John Cale (Vo, e-Viola, Organ, B), Sterling Morrison (Vo, G, B), Moureen “Moe” Tucker (Perc)です。A面初っ端からタイトル曲で、グイグイ引き込まれます。その後、”The Gift”では左Vo (Spoken Words?)と演奏が分かれています(多分、Reedの演奏及びVoとCaleの演奏とVoとが真っ二つに分かれてミックスされています。A4はCabsもカバーした”Her She Comes Now”です。B1 “I Heard Her Call My Name”も超カッコいい曲ですが、途中のギターがかなりフリーキーに引き攣ってます。そして17’00”もある”Sister Ray”に繋いでいきます。狂気の音楽、ギターが唸ると、今度はオルガンが暴れ出す。それでもギリギリにアンサンブルを保っている。そんな音楽。これで人を殺せるのでは?と思いました。もう実験性とかロックとかから離れてしまった音楽ですよ。兎に角、このアルバムは、その先進性や暴力性が爆発しているので、VUの中では、一番好きなアルバムですね。ロックとは言わず、音楽好きなリスナーは、是非とも聴いてみて下さい。話しはそれからです。

A1 “White Light/White Heat” (2:44)
A2 “The Gift” (8:14)
A3 “Lady Godiva's Operation” (4:52)
A4 “Here She Comes Now” (2:00)
B1 “I Heard Her Call My Name” (4:05)
B2 “Sister Ray” (17:00)

A4 “Here She Comes Now”
https://youtu.be/Ds_LUEe23dM?si=KB20zHGw-GV3PtH0

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nEs2jhGxY3f5bzn-tTD9Ghn-hROVcaYP4

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