Bombay Ducks “Dance Music”

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かのNurse With WoundのレーベルUnited DiariesからひっそりとリリースされていたBombay Ducksの唯一のアルバムです。このバンドについては殆ど情報が無いですし、よっぽどの好事家じゃないと手元に置いておいたり、聴いたりしないと思われます。このバンド(?)は、「レコーディング・エンジニアのNicky RogersとVic Ball」のデュオと言うか、本名Paul HamiltonとJoseph Duarteのデュオのことですが、彼等が何者かはよく分かりません。それでカタログ番号は何と!UD 05です!それで少しだけでもと思って調べてみました。どうも Nicky Rogersは、初期のNurse With WoundとかレーベルL.A.Y.L.A.H. Antirecordsなんかの作品でレコーディング・エンジニアをしていたようです。また謝辞で名前の挙がっているDavidはDavid Jiggensのことで、Experiments With Iceのメンバーだとか、TomはTom Shotのことで、Active Slaughterの作品でプロデューサーをやっていたとかの断片的な情報しかありません。その他のHelen, Shez, Vladらに関してはもはや何者かも全く情報がありませんが、作製時に何らかの関わりがあったのでしょう。
それで、本作品の内容ですが、先ずその前に、ジャケはLemon KittensのDanielle Daxによるもので、A3 “There She Goes (Again)”は、Lou Reedの曲をカバーもやっていますが、それ以外の彼等の曲は殆どが、骨折したような変テコなリズムと、シンセやピアノやギターなどの楽器の変則演奏から成る奇妙で、ちょいミニマルな曲ばかりです。因みにA3のLou Reedのカバーは結構普通です (苦笑)。また、A4 “Glass Piano”は曲名通りPhilip Glassのようなミニマルなピアノ曲になっています。A1 “Life For Christine”のようにただノリの良い曲も混ざっており、全体としては良い塩梅になっています。 またB1 “The Trial Of Mr. Grey”ではハウス調の音楽からいきなりフリージャズ的に壊れていき、また戻ったと思ったら、また壊れると言うメビウスノ輪のような出自不明な曲、B2 “Danzmusik 667”ではピアノとパーカッションのフリー演奏、更にB3 “Carnival Courtesy Of A Daughter”では、始終単調なキックにの上で、変拍子シーケンサーや、これまた変則的ドラムやギターのリフなどが入れ替わるという訳の分からん曲で、B面はもうやりたい放題ですね。Bombay Ducksは、本作品の前に1枚の7㌅シングルも出していますが、ちょっと捻ったポップ・ミュージックで、本作品とはまるで印象が違いますね。勿論、本作品は、文字通りの「ダンス・ミュージック」ではありませんが、ちょっと変な辺境音楽を求めているリスナーには良い作品だと思いますので、是非是非、聴いてみて下さい。

https://youtu.be/8klD0ijp9J8

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