Pop “Album”
これも謎物件です。がしかし、Zbigniew Karkowski (2013年12月に他界)とPeter Rehberg (2021年7月に他界)のデュオであること、リリースが独逸のTochnit Alephであることから、多分購入したのだと思います。カルちゃんの愛称で親しまれていた親日家でもあったKarkowskiとPitaの名義でも活動していた電子音楽レーベルEdition MegoのRehbergがデュオで活動する時の名称がPopなんでしょうか? 何ともまあ、逆説的なネーミングですね。ジャケ写でも分かるように、2人ともラップトップ使いとして知られています。それで簡単に彼等のバイオグラフィーを書いておきます。Karkowskiはポーランド生まれで、スウェーデンのGothenbungで、州立音楽学院からGothenburg大学の音楽学と現代音楽を、そしてChalmers工科大学で、コンピューター音楽について学んでいます。更に、蘭のハーグの王立音楽学院でも一年間音響学も学んでいます。その後も、仏ではIannis Xenakis, Olivier Messiaen, Pierre Boulezなどの作曲学を学び、修士号も獲得しています。これからも分かるように、彼はガチなアカデミックな音楽家です。そんな彼が、Edwin van der HeideとAtau Tanakaと一緒に組んだのが、Sensorbandで、電子音響ノイズを演奏するトリオです。その後、彼は東京に住み、地下のノイズシーンで活動していました。一方、Rehbergは、英国生まれでオーストリアに移ってきた音楽家で、1994年後半にMegoと関係してきました。シングルも出していたようですが、彼は1996年にPitaの名義でデビューアルバム”Seven Tons For Free”をリリース、その3年後、Prix Ars Electronicaで、Christian Fenneszとともに、デジタル・ミュージック部門でDistinction Awardを受賞しています。その後、彼はMika Vainio, Charlemagne Palestine, Oren Ambarchiなどとコラボしてきており、1997年に、Ramon BauerとのデュオRehberg & Bauerを組んでいます。2005年にMegoを畳み、翌年、新たにEditions Megoを始動します。2006年には、Stephen O'Malleyとコラボして、KTL名義で、ドローン&ドゥームな作品もリリースしています。2012年にはRecollection GRMを始め、Groupe de Recherches Musicales集をリイシユーしています。とまあ、凡その経歴はこんな感じの2人ですが、本作品では、WienのChelseaでの音源271097, 東京のICCでの音源160199 , 東京のMilkでの音源200199 、東京のUFO Clubでの音源290199、ParisのWebberでの音源200399、東京のBunker 301での音源200399を用いてのツイン・ラップトップでの演奏となっています。デジタル化して処理された分厚いハーシュノイズがアナログ盤から放射されているのは、何か面白いですが、通常のラップトップ・ノイズのひんやりした感じは無く、所によっては接触不良系の音さえ聴取出来る程、人間的な音像を提示しています。それと、音圧も高く、ノイズ・ミュージックをも意識しているようです。まあ、私自身はPCは使わないので、よく分かりませんが、ラップトップ・ノイズの傑作だと思います。アカデミックと言うよりもサブカルの意味合いで。
あっと、それからリリース元のレーベルTochnit Alephはどちらかと言うとRudolf Eb.erやDave Philipsなどのウイーン・アクシヨニズム系をリリースをするレーベルカラーだと思いましたが、こう言うデジタル・ノイズも出すんだなあと感心しました。
YouTubeには無かったので、それぞれのライブ音源を。
Zbigniew Karkowski live
https://youtu.be/aGngLpipdLw
Peter Rehnberg live
https://youtu.be/Ul8EyfL7RuU
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