Holger Hiller & Walter Thielsch “Hát Với Quê Hương”

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海外通販で狙っていたのは、実はこの12インチ・シングルなんです。それでどんなシングルかと言うと、Palais Schaumburgと並行して、元々知り合いだった初代VoのHolger Hillerと2代目VoのWalter Tielschが企画ものとして作った12インチ・シングルで、その名称は、”Hát Với Quê Hương (ベトナム語なので何と発音するかは不明)”なんです。噂によると、歌っているのは、Hillerの近所に住んでいたベトナム人姉妹Vu Thi Khieu, Vu Thi Thu Ha, Vu Thi Thu Phuongの3人で、A面は「祖国と共に歌う」、B1は「美しきサイゴン」、B2は「タンバリン」と言うベトナム民謡だそうです。そして、そのバックを固めるのは、3代目Voで元々はドラマーのRalf Wertwigと先述のHolger HillerとWalter Tielschの3人です。まあ、このシングルは異色中の異色ですね(注: このシングルは、ここでは「クラウトロック大全」に習って、アーティスト名を書いていますが、Discogs等では、アーティスト/グループ名はHát Với Quê Hươngとなっていますので、検索する時はそちらの方がヒットすると思います)。そんな訳で、早速、各曲をご紹介したいと思います。

★A “Hát Với Quê Hương” (3:15)は、まあ何と言うか?ポップでありながら、実験的でもある曲で、多分、素直に歌っているのはベトナム人姉妹の内の1人だと思うのですが、軽くエコーを掛けたそれに、無理くりドラムを合わせ、更に無関係にも思える電子音等を組み合わせると言った荒技が繰り広げられています。それがまた二つの要素が拮抗していない所にHillerとTielschの才能を感じます。
★B1 “Saigon Đep Lắm” (2:19)は、ノリの良いドラムとオルガンで始まり、その間にベトナム人姉妹の歌を入れ込むと言う技で、かなりポップな出来になっています。
★B2 “Trống Cơm” (3:24)は、独特のドラミングに、エコーを掛けた姉妹の歌を落とし込み、更に別録りのドラムやBらしき音の反復やヴィブラフォンらしき音を入れ込んで、元歌を活かしたまま異化させていると言う、画期的な音響ポップです。

 世間で、音響派ロック云々が始まる10~20年以上前に、既にこのような作品が世に出ていたのは驚きです。しかも、元歌は軽くエコーを掛けていますが、テープの切り貼りとか電子変調とかしないで、それらの良さをフレッシュなまま曲に落とし込み、尚且つHillerとTielschのポップネスを開花させているのは奇跡的ですね。後、私の勝手な推測ですが、この頃から、Hillerはサンプラーを使う方向を垣間見せているように思います。特にA面の曲はHiller在籍時のPalais Schaumburgの骨折ファンクっぽさを感じますね。それから、ジャケ写も銀文字で書いてあって、そこら辺もイカしてます。いゃ〜本当、凄いわ!Hiller関連の作品は!絶対、死ぬまでに聴くべきレコードです‼️

A “Hát Với Quê Hương” (3:15)
https://youtu.be/wHB2AMoRVB4?si=miXFMTgMzrmlHMyi

B1 “Saigon Đep Lắm” (2:19)
https://youtu.be/NqZWdbPE7WM?si=L8AvcEj2spFMp4-f

B2 “Trống Cơm” (3:24)
https://youtu.be/DPfpaiMTwHk?si=WTSfbXZw2vMm1PIC

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