Brume “The Rusty Seeds”

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Brumeって知ってるかな?仏の実験音楽ユニットので、その正体は、仏のChristian Renouのソロユニットのことなんです。今回は、そんなBrumeの作品”The Rusty Seeds”を紹介します。
先ずは、Brumeのバイオグラフィーからちょっと書いていきます。Brumeは、1985年頃から始まっており、彼は、サウンド・コラージュ、電子音響、ノイズを融合した作品で独自の地位を確立した、仏のミュージック・コンクレート作家/音響彫刻家で、彼の作品では、分厚く、火が燃えるような音のモンタージュと騒々しさとダイナミズムそして、連続と断絶の要素が協調しています。そして、なぜBrumeというユニット名がつけられたのか?と言うと、彼は、視覚的、聴覚的、その他の不確かな美的側面を作り出し、リスナーの想像力、そして何よりも自分自身の想像力を刺激することを好むかららしいです。更に、彼は、特定、分類、保存、体系化と嫌い、そのような文脈で語られることを嫌います。また、彼は、自身の音楽を作る時、ユーモアを交えて自分たちの”Anti”な側面を主張する米国のグループThe Hatersは好きだ! と断言しています。そして、Brume は、The Haters以上に、Anti-Antiだと言います。そんな彼は、昔のPierre Henry, Pere Ubuのファーストアルバム, SPK, The Residents, Dome, 23 Skidoo, Chrome. Philip Glass, Suicideのフィースト・アルバム, Magma, Art Zoyd, Heldon、更には、Van Der Graff Generator, Captain Beefheart, Neu, Faustのファースト・アルバムからインスピレーションを得ていますが、実際の音楽シーンには興味が無いと言っています。しかしながら、彼に音楽のインスピレーションを与えるものは、音楽だけではなく、日常で聞こえてくる「音」そのもので、例えば、部屋の中に物音や木々の音、自動車に乗っていて聞こえてくる空のカンを捨てる音等です。それらによって、彼は、全てを解き放し、音響彫刻を始まると言う訳です。それで簡単にBrumeの変遷について書くと、1975年に街角のレコード屋で聴いたMetal UrbainとSuicideが最初の「体験」で、1978年に、Robert FlippやBrian Enoのコラボ作”No Pussyfooting”のシュールな音に触発され、ファルフィサ製のオルガンを使ってオープンリールで、初めて自分の音を録音しています。1979年には、BとGを使ってひたすら「実験」を繰り返し、1980年に、最初のシンセを購入し、一方で、Uriaと言うバンドのメンバーとして、1985年まで在籍しています。しかし、1981年に、彼は1人で音楽を作ることに決心します。その頃には、彼はHeldonに心酔しており、エレクトロニックとエレクトロアコースティックの妥協点を探っています。その頃、友人であり、凄腕のギタリストでもあったAntoine FaureとEric Erfurthと一緒に音楽をやり始めますが、2人はドラッグ中毒でした。1982年に映画”Eraserhead”を観て、そのサントラに驚かされます。1983-1985年に、過去の作品からのセルフ・コンピを作り、Brume rec.からリリースしています。また1985年には、バス・ステーションのガレージで不法ギグをC. Renou (Electronics, Horn, Tapes...)とG. Guiggia (G, Filters...)を行います。1986-2000年の間に、彼はBrume名義で、多数のレコード、CD、カセットをリリースしており、更に、ビジュアルアーティストPat' Blanch, A.D. Eker, Chaoらの為のサントラや1988年パリでのU.P.6のサウンド・パフォーマンスにも参加しています。この期間には、様々な協力者と出会い、作品を出しています。例えば、Serge Ancelet (Perc, Concept), Gérard Guiggia (G, B, Flute), Pat' Blanch: (Vo, Tapes, Painting & Collages), Hervé Perron (自作Electronics), Von Hermet (B), Marie-France (Vo), Patrick Mazaltarim (Trumpet, Wind Toy Instruments), Philippe Biget (Drs), Philippe Huet (G), Phil. de Phil (G), Herman (Vln), Yo + Vero (Synth+Vo), François Tesseidre (B), Françoise Duvivier (Painting & Collages)等です。2000年に、”Brume Is Dead!”と宣言し、Brume名義での通常の活動を辞めています。それで、Renouは本名名義で、たった1人で音楽を行うとして、初めてPCを使っての作業を行い、3枚のCDを出しています。そして、2008年に、”The Rebirth Of Brume!”宣言を出し、再び、彼はBrumeとして、最初のリリースから 30 年後、新たな録音を開始し、現在に至ります。
 以上が、Brumeの略歴となります。本作品は、生まれ変わったBrumeの作品の1つとなります。多分、この作品は、Renou1人での作品で、また、A面B面は5つの章に分かれていますが、大きく1つの曲と考えられますので、今回は、A面B面を其々1曲ずつとしてご紹介させて頂きますます。

◼️The Rusty Seeds - Program 1 (18:53)
A1 “Family”
A2 “Deep Habits”
A3 “Dervishes On Fire”
A4 “Oyster Sandwich”
A5 “C'est L'appel D'air”
◼️The Rusty Seeds - Program 1 (18:53)では、凄く綺麗な電子音らしきドローンで始まり、やがて物音音やナレーションが入り、そして重低音も。その内、アコギ?ダルシマー?を爪弾く曲に変わりますが、これがまた叙情的で良いアクセントになっています。やがて、異音(打撃音や物音音)が入ってきて、曲はフェイドアウト。深淵な音響世界に戻り、ダダーンって感じで再び静的にしてダイナミックなBrumeらしい展開になり、反復する電子パルス音も加わってきて、歪んだGらしき音も入ってきて、一気に緊張感が高まります。といきなりブレイクで、静かな持続音、そして打撃音への変移。更に静かな音環境へと移り、咀嚼音のような音や他の物音がコラージュされ、丸ノコのような音にテープ音が塗されて、フェイドアウトして終わります。

◼️The Rusty Seeds - Program 2 (18:40)
B1 “Paris La Salope”
B2 “Acid Age Cartoon”
B3 “H P Lovecraft Memorial Church”
B4 “Spanish Harlem Hamburger Sauce”
B5 “Sci-Fi #1”
◼️The Rusty Seeds - Program 2 (18:40)では、鐘の音で始まり、民族楽器の笛のような音での演奏に変わり、静的で聖的な雰囲気になります。その内、不定形の音や時計のネジ回しの音も入ってきますが、突然、場面が何度も変わるように音も変わり、インダストリアルな音像からリチュアルな音像へ。そうして、深いエコーの世界へと連れ込まれ、そこでもテープ音や物音なんかが散りばめられています。やがて不吉な調べのサステインG?シンセ?がゆったりと奏でられますが、またまた唐突に、深いエコーの世界に暗転します。また不定形の音塊とナレーションに変わります。ここら辺はBrumeらしい展開です。やがて歪んだGと不定形の音のアンサンブルに。そしてモコモコした背景に物音や会話のサンプリングが。音が大きくなった途端、ブレイクが。そして声のサンプリングと物音から成る静かな場面と音が大きくなる場面が交互に現れていきつつ、曲は終わります。

 Brumeの特徴とは、段々と音を盛り上がってからのブレイクがあるのですが、また、もう一つの特徴として、音響系ノイズにしては、音のダイナミズムが激しいんですよね。まぁ、そこら辺が、私がBrumeの好きなところでもあるのですが。それで、確かに、そう言うブレイク・ポイントで、曲が分かるのではないかとおっしゃる方もいるかもしれませんが、それだけではなく、フェイドイン/アウトもありますので、分離は困難ですね。やっぱり先述のように大きく各面1曲として聴いた方が正しい聴き方なんじゃないかなと思います。そんなBrumeなんですが、実は、私K2とも過去にコラボしており、その時は、Brume is dead期だったので、Christian Renouとのコラボ名義になっていますが、やはり緻密にしてダイナミックな曲を彼は作ってくれました。その頃よりより緻密でダイナミズム、溢れる作品ですので、是非ともBrumeの世界を垣間見て下さい!

[The Rusty Seeds-Program 1 抜粋]
https://youtu.be/-trdjpn6wx4?si=WhYjsKLRQVTrCEz5

[The Rusty Seeds-Program 2 抜粋]
https://youtu.be/ZV6_vR1L0mw?si=Y0OQwICpyeCVku41

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