Decada 2 “La Noche Del Atomo”

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メキシコのテクノとかハウスとかのクラブ・カルチャーって全然知らなかったので、試しに買ってみました。Decada 2 (デカダ・ホイと発音?)の12㌅EP “La Noche Del Atomo”です。まぁ、何にも知らなかったので、ちょっと調べてみました。Decada 2とは、Mateo LafontaineとCarlos Garcia Teruelの2人によって1985年に結成されたEBM (Electronic Body Music)デュオで、メキシコで初めてEBMをやったインダストリアル或いはテクノの先駆者としては有名らしいです。それで、ちょっと意外だったのは、このグループ名が、Joy Divisionの”Decades”って言う曲にインスパイアされて付けられたってことですね。それで、Mateo Lafontaineは、有名なメディア司会者Mario Lafontaineの弟みたいで、Mateo自身は、1982年からOld Fashionedを結成、その後、MarioとMaria Bonitaを結成しで、1985年に、Decada 2を結成していますので、結構、古くからと言えば古くからやっているアーティストなんですね。一方のCarlos Garcia Teruelは、Mexico city在住のマルチ奏者/作詞家/ サウンド・アーティスト/電子音楽家で、元々は、Walter SchmidtとCarlos Robledoに出会ってから、RIO系のグループDecibelにインスパイアされて、1977年にGlissandoと言うバンドを結成し、その時に中古のシンセやシーケンサーをCapitán PijamaのバンドSizeから購入しており、その後、1982年にOld FashionedとVoltiに加入し、またそれとは別に、並行してArturo Meadeらとのバンドも始めています。それで、Vortiのオリジナルメンバーが脱退した時に、Garcia Teruelは、彼にとって最もヤバいプロジェクトSilueta Palidaの活動を開始します。当初はソロ・プロジェクトでしたが、やがてパーカッショニストのJaime Herranzが加入し、ライブも可能になり、今ではメキシコのカルト・バンドとも言われているLas Insólitas Imágenes De AuroraとBon Y Los Enemigos Del Silencioともフェスで対バンしています。一方、Decada 2の方は、1985年〜2018年までは、Mateoと共に活動し、また、Noiselab RecordsのバンドOf.とも活動を共にしていましたが、 Garcia TeruelはDecade 2 脱退後、ソロアーティストとして活動を続けています。それで、Decada 2としては、Discogs上、カセット・アルバム1枚、セルフ・コンピ2枚、その他CDR1枚を出しているだけです。と言うのも、Mateoが2020年に他界しているからです。なので、デュオとしては実質3年間位しか活動していませんが、Meteoのソロ・プロジェクト期間も考えると30年近く活動しているのに、リリースしたアイテムは少ないかな?とも思います。

 以上がDecada 2のバイオグラフィーとなります。そこにも書きましたが、Decada 2としてのリリース作品は少ないので、入手しにくさも考えると、本作品などは、貴重な音源と考えられます。内容は、両面3曲ずつ収録した12インチMini-LPで、1987年〜1991年の曲がセレクトされています。因みに、本音源を復刻した
レーベルPhiloxeniaは、独のレーベルみたいです。それらも含めて、本作品の各曲をご紹介していきますね。
★A1 “Música Electrónica [1988]” (7:09)は、強力なディスコティックなリズム隊に、細かいシーケンスとエフェクト変調した2人のVo或いはテープによる演説やサンプラーなどを散りばめた曲であり、ここら辺はまだ、インダストリアルとテクノ/EBMの狭間に位置しているようです。
★A2 “Psycho Dance [1989]” (5:38)は、ヴォコーダーVoも用いた、やや重めの四つ打ちリズムと打ち込みによるシンセのリフやシンセ・ベースから成るニューウェーブっぽいダンス・ミュージックです。
★A3 “La Voluntad De Dios [1987]” (5:34)は、ヒスパニックな語りから始まり、細かく刻むハイハット〜四つ打ちテクノなリズム・トラックで、サンプラーやテープ音を挟み込んできます。Bをサンプリングした音や最小限のシンセのリフ等も絶妙なタイミングです。
★B1 “Dr. Rhythm [1990]” (5:51)では、ハウスっぽいリズムやシンセのアレンジが施してあり、やや今までと異なった印象です。サンプラーは使用されていますが、シンセのキレが鋭いです。後半の低音シークエンスはカッコ良い!
★B2 “Extasy Bondage [1991]” (6:29)は、四つ打ちのキックに、ファンキーなシンセ・ベースとリズミックなサンプラー等が絡んでくる曲で、後半に挿入されるシンセ音もメロディアスで良い塩梅です。曲のエロさがDAFっぽい。
★B3 “Holbox [1990]” (8:23)は、出だしが電子庭園のようですが、アシッドなベースラインとシーケンスから、BPM速めなリズム隊がなだれ込んできて、急かすように迫るアシッド・テクノな曲です。また、時に挿入される生ピアノのサンプリングが個人的には好きです。また、メロディアスなシンセも被ってきて、単にダンス・ミュージックで終わらないところも良きかな。

 と言う訳で、全6曲を聴いてみましたが、それ程、南米っぽい要素は感じなかったです。ただ、B2のようにDAFをちょっとだけ想起させる曲もあり、DAFのGabiがヒスパニック系独人であるのと共通点があるのかな?とも思いました。正直、調べてみて、Decada 2の2人が結構、昔からやっているアーティストなので、そう言う意味では、欧州や英国のレイブ・カルチャーとの差異はあるようにも思います。私自身はそれ程、クラブ・ミュージックには詳しくないので、ハッキリとはわかりませんが、中々楽しめましたし、曲のクオリティも全然悪いものではなかったので、安心して聴けました。メキシコの電子音楽界を少しだけ覗いた感じです。気になる方は、体験してみてはどうでしょう❗️

A2 “Psycho Dance [1989]”
https://youtu.be/Jkf8gLQc4QI?si=aS6FEQ2Xm3gdCyGa

[full album]
https://youtu.be/Jkf8gLQc4QI?si=aS6FEQ2Xm3gdCyGa

[BandcampのURLも貼っておきます]
https://lustpoderosa.bandcamp.com/album/phlx002-decada-2-la-noche-del-tomo-ep

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