Esplendor Geométrico “Arispejal Astisaró+”

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これまた、EGことEsplendor Geométricoのデラックス盤をご紹介します。今回は、彼等の12枚目のアルバム“Arispejal Astisaró+”で、オリジナルはジャケも異なり、また、今回の再発盤では、内容もパッツンパッツンに詰め込まれた2枚組となり、曲順も異なっています。更に、RRRecordsが1987年に出したコンピ・アルバム”Bruitiste”に収録されていた4曲”Noising In The Rain”も”N.I.T.R.”4曲としてD面に収められています。EGのバイオグラフィーは以前に記載しておりますので、ここでは省略させて頂きます。今回のメンバーは、Arturo LanzとGabriel Riazaの2人です。曲順は変更されていますが、恐らく、本作品を”Arispejal Astisaró”から”Arispejal Astisaró+”にする際に、再考された結果だと思います。このアルバムも、いつもお世話になっているSuezan Studioの小柳カヲルさんの個人輸入より買いました(いつも有難うございます)。

 それでは、本作品をご紹介します。本作品は、1988年〜1989年に制作されたものであり、オリジナルは、1993年にスペインの自主制作レーベルLínea AlternativaからCDでリリースされています。多分、EGとしては、初期から中期へと移行する時期ではないかと思われます。内容は、A面4曲/B面3曲/C面3曲/D面4曲です。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。

◼️LP 1
★A1 “Es Inaudito” (5:26)は、”EG-1”よりは高級なリズムマシンによるリズムを複合/多層化した曲で、シーケンサーも用いていますが、敢えて同期はさせていないようです。背景にテープ音(や女性Vo)が挿入されています。
★A2 “Malos Tratos” (5:02)は、より明確でトライバルなリズムマシンの自動演奏と背景のテープ音や電子音から成る曲で、初期の音源に比べて、明らかに明瞭なリズムを刻んでいます。
★A3 “Arispejal Astisaró” (4:28)は、初期音源に近いです。シーケンサーとリズムマシンと言う組合せの曲ですが、その誤用仕方とミックスが興味深いです。
★A4 “Ampuchao” (3:57)も、シーケンサーとマシンリズムから成る曲で、背景には不明瞭なVoとシンセ音が入りますが、決してダンサブルではないです!
★B1 “Felación” (6:00)は、不明瞭な電子音で始まり、トライバルなリズムマシンとテープ音によって成立いている曲です。ポイントはマニアックなテープ操作ですね(情熱の国らしい!)。
★B2 “Rabúa Aromía” (5:53)も、トライバルなキックによるマシンリズムと背後や前面にも出る電子音から成る曲です。サンプラーも使っているのかな?
★B3 “Bi Bajín” (7:45)も、強力な推進力を持ったミニマルなリズムマシンを中心に、サンプラーによるテープ音/操作がマニアックな曲です。

◼️LP2
★C1 “Jari” (6:25)は、機械の駆動のようなシーケンサーとリズムマシンに、パーカッシヴなホワイトノイズやスネアから成る曲で、時折サンプラー音も聴取されます。
★C2 “Cataré” (6:07)も、単調だがノリの良いリズムマシンとシーケンス及びバックの通奏低音から成る曲で、非常に不明瞭なテープ音も入っています。
★C3 “Nu Decotora” (6:24)も、トライバルと言うよりダンサブルなリズムを刻むリズムマシンを中心に、Voやシンセ音或いはテープ音等が挿入されるミニマルな曲です。背景に不明瞭な低音電子音が唸っています。
★D1 “N.I.T.R.I” (5:47)は、強力な駆動力を示すリズムマシンと野蛮な音質の電子スネアから成る曲で、手弾きなのか?同期なのか?が気になるところです。
★D2 “N.I.T.R.II” (5:05)は、ディレイを掛けたリズムマシンの単調な音に、シーケンスや電子スネア等が絡まっていますが、曲全体はObscureで、野蛮です。
★D3 “N.I.T.R.III” (4:07)も、バックにシンセ音を携え、ミドル・テンポのリズムマシンが中心と成る曲で、何故か、初期EGの「野蛮さ」を感じてしまいます。
★D4 “N.I.T.R.IV” (2:57)でも、初期で行われていたように、リズムマシンをシンセ外部入力にぶち込んで、更に、別のリズムマシンも同期させているような野蛮なリズムを奏でています。

 とにかく、リズムマシンは高級になり、曲もシンプルにトライバルと言うかダンサブルになっています。それと、サンプラー等も使ったテープ操作音が通好みで、曲としての完成度は高くなっており、聴かせてくれます。また、全体に音質が向上してスッキリしていますので、ひょっとすると、クラブ・ミュージックとしても聴けるのでは?とも思えますし、別の見方をすれば、ヒプノテックなミニマル・ミュージックとも捉えてられるかもしれませんね。ここまで来ると、「リズムマシン・マイスター(職人)」の領域です❗️初期のファンの方もここら辺のEGの作品における「リズム」に焦点を当てたアルバムも是非体験してみて下さい!

A1 “Es Inaudito”
https://youtu.be/JpDRcymi5Do?si=1yjdV6uazJMZQHvG

B1 “Felación”
https://youtu.be/dM3PxWxTEVE?si=d-pEoo6zPIIAXlcs

[LP1 full album (曲順及び内容は異なる)]
https://youtube.com/playlist?list=PLOrUyUVuqtSRDGTuPbBUtHndjuMIf9IJ9&si=fn_XixkmKxBpEP0j

C2 “Cataré”
https://youtu.be/FDKMgnmi5DY?si=74v98ymfmQHdEbQj

D1 “N.I.T.R.I”
https://youtu.be/5IqHf1XFMis?si=90CTh86U1If1C6QQ

D2 “N.I.T.R.II”
https://youtu.be/maxYJL7GD7M?si=o5FqGQ-kUQu2KGQR

D3 “N.I.T.R.III”
https://youtu.be/nS1uE8cEwAM?si=4rjj8gXJfhOe7pSp

D4 “N.I.T.R.IV”
https://youtu.be/NzTWeMLFi4c?si=ab4RcN70-pUq8oA9

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