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Josef K “Young And Stupid / Endless Soul”
発掘しました。あのRough Tradeの名作コンピ”Clear Cut”にも入っていたJosef Kです。”Clear Cut”を聴いてから、いつか買おうと思っていて、漸く買ったのが、このセルフ・コンピ“Young And Stupid / Endless Soul”でした。それで、先ずはJosef Kのバイオグラフィーから始めたいと思います。Josef Kは1979年〜1982年に活動していたスコットランドのポストパンクバンドで、バンド名はFranz Kafkaの小説「審判」の主人公から取られています。それて、元々は、1979年に、Paul Haig (Vo, G)とRonnie Torrance (Drs)が始めたTV Artと言うバンドがあって、そこに、Malcolm Ross (G, Kbd, Vln)がGary McCormack (B)と一緒に加入したのが始まりです。なお、McCormackはThe Exploitedに加入する為に直ぐに脱退し、David Weddell (B)が加入しています。彼等はバンド名がいまいち気に入ってなくて、1980年1月20日のThe Clashのオープニング・アクトとして出演する、正に出演数分前に、バンド名をJosef Kに変更しています。10曲入りデモテープを作製し、同年12月に、Orange JuiceのドラマーSteven Dalyの個人レーベルAbsoluteから、デビュー・シングル"Romance" c/w "Chance Meeting" をリリースしています。そして、彼等は、DalyとAlan Horneが設立した新レーベルPostcard Recordsと契約を結び、1980-1981年に絶賛されたシングルを数枚リリースし、1981年に、スコットランドのPencaitlandのCastle Sound Studiosで、デビュー・アルバム”Sorry For Laughing”を録音していますが、よりクリーンで洗練されたものにする為に、この時の録音は保留されてしまいます(ほんの少数枚だけがリリースされたようです)。それで、彼等は、ベルギーのスタジオに戻ってきて、たった2日間で、ほぼライブサウンドに近い形で、アルバム作製をやらされて、アルバム”The Only Fun In Time”を録音します。実際、Haigは聴き返すことも出来ず、後に、彼はヴォーカルが聴こえない位のレベルであったと残念に思ったと言っています。このアルバムは、英国インディー・チャートではそこそこ良いところまで行きますが、評論家は手厳しい意見が多かったようです。それで、先述の彼等の極初期のアルバム”Sorry For Laughing”は、1990年の”The Only Fun In Town”のCD再発の時に、続いてリリースされています。その後、2012年のLPリイシューの際には、TV Artsの初期のデモトラックのCDもリリースされています。1982年にベルギーの Les Disques du Crépusculeから、シングル”The Farewell Single”をリリースする前に、バンドは解散してしまいます。なお、この最後のシングルにはJohn Peel Sessionの為に録音した曲”The Missionary”が収録されています。解散の理由については、Haigは、バンドとしての創作性がピークの内に解散したかったからとコメントしています。その後は、それぞれが、ソロ活動やバンドでの活動を続けていくことになります。なので、純粋にスタジオ・アルバムと言えるのは、”The Only Fun In Town”だけで、それ以外は、ライブ・アルバムやセルフ・コンピだったりします。
それで本作品の内容についてですが、A面B面6曲ずつで、B1 “Chance Meeting”には、Malcolm Ross の兄弟のAlastair Ross (Trumpet)がゲスト参加しています。先述のコンピ”Clear Cut”収録の”It’s A Kanda Funny”しか聴いてなかったので、思っていたよりもノリの良いアップテンポの曲もあるのだなと言う印象でした。また、今回、聴いて思ったのは、英国のパンクの流れと言うよりも米国のパンク、特にTelevisionとかRichard Hell & the Voidoids辺りの影響が大きいと思いました。それは恐らくギター2本、ベースとドラムと言う編成とも関係しているようにも思えますし、曲によってはヴォーカル・スタイルなんかもRichard Hell辺りに近いところもそうなんですが、ただ、ギターのドライな音色やギターのカッティングの多用なんかは英国的だなとは思います。それから、このアルバムは今までに様々な場所で録音されていることもあって、録音の仕上げ方が微妙に異なり、統一感にやや欠けるのも仕方ないかなと思いました(シングル収録曲、BBC Sessionでの録音、幻のファースト・アルバム”Sorry For Laughing”の時の録音、その他のコンピへの提供曲など)。また、ある論評では、Josef Kはやや暗い曲が多いと書かれていましたが、全然、そんなことはないです。寧ろ、アッパーな曲の方が多いです。多分、”It’s A Kanda Funny”の印象が強過ぎたのでしょう。なので、皆さん、心配なさらずに、このアルバムを聴いてみて、楽しんで下さい!!
A1 “Heart Of A Song”
A2 “Endless Soul”
A3 “Citizens”
A4 “Variation Of A Scene”
A5 “It's Kinda Funny”
A6 “Sorry For Laughing”
B1 “Chance Meeting”
B2 “Heaven Sent”
B3 “Drone”
B4 “Sense Of Guilt”
B5 “Revelation”
B6 “Romance”
[John Peel Session 1981 including “Endless Soul”]
https://youtu.be/vfu6zak_DpU
[“Young and Stupid” album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lGardeqv8l48Df3bIa_fODCvE2oTlXPlE&si=6ggvO5kL9M5AOMZe
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