ワグナーの孫かエニドのゴドフリーかどちらでもないのか。ドン・ブラッドショウ・レザーの『ディスタンス・ビトゥイーン・アス』

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90年代にロンドンでオリジナル盤を買いそびれて以来、いちいち拘り続けてきたアルバムが先日初の日本盤発売。
最初はプアハウスだかが作ったとされる私家版の紙ジャケット、次がロシア盤ブートレッグCD、その次がTシャツ、次がアナログでのリイシュー、そして日本盤公式リリースのCD。非常に似たタイトルを持つアルバムを発表したエイドリアン・ワグナー(あのワグナーの孫)の、デモ段階の音源との説や、エニドのロバート・ジョン・ゴドフリーの変名プロジェクトとの噂(本人が否定したとのこと)もありましたが、現状は明確な身元が割れていないらしいです。ピアノ、パーカッションも交えたメロトロンを主とした長尺の実験音楽。1972年の自主製作盤。一応は英・プログレッシブ・ロックの文脈で語られるようですが、やはり麻薬でも喫しながら聴くのが正しいと言えるのかもしれません笑い。つまりそれほど、「そういうタイプの」奇盤であります。しかしながら、アーティストやレコードそのものの持つわけのわからなさや掴みどころのなさ、そして何よりも胡散臭さ、これらが備わっているととても面白いですね。

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