キャメル/キャメル ファースト(1973) 日本盤オリジナル

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ジャケットを見ただけでレコードを買うことは滅多にしないほうなのですが、これはその「ジャケ買い」最初の一枚で、しかも内容も著しく気に入ったものとして、現在もフェイバリット・アルバムであり続けています。1973年当時、エルピーを一枚買う行為は、大変な決意・決断が伴うものでした、世代的にご同輩の方々も同じかと思われます。レコード店店頭で出会ったこの一枚は、なんとも奇妙なビジュアルで心に残ったものの、その場ですぐ買うことはせず、一旦パス。後日、どうしても気になり再び赴くも、すでに無く、慌てて店員にたづねると、廃盤だかなんだか、とにかく返送するレコード箱のなかに入れられておりました。危ないところでした。聴いてみるとブリティシュ・ロックとしかいいようのないクールでスマートで洗練された、しかし翳りと独特の湿度のある素晴らしい内容。プログレッシヴ・ロックとして聴いていなかった気がします。とにかくこれはいいバンドを知ったということで、セカンド、サードと聴き進めたのですが、ピンとこない。このファーストにあった「歌」が失われ技巧に走り始めた印象がありました。MCAレーベルにあった音の色気がデラム・レーベルに移って損なわれた気がしたのです。このへんのことは、後にビッグネームに成長するバンド、キャメルのファンの方は当然異論もおもちかもしれません。約半世紀ぶりに、当時破り捨てた(笑)帯を取り戻したのですが、そんなにプレミアのつくレコードになっていなかったのはラッキーでした。ただ、この初回帯は珍しいようですが。そういえば当時すでにエルピーは定価が2000円や2200円だったにもかかわらず、これは1800円で買えた、その点も大変重要でありました。#camel

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