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スリッピング・イントゥー・クリスマス/レオン・ラッセル
平和キャンペーンの一環として、ドングリを植える活動をしていた夫妻が「ステューボール」の替え歌に等しいクリスマス・ソングを発表したのは1971年。このレコードは翌年にシェルター・レーベルからリリースされました。 バングラ・デシュ・コンサートの出演、ソロ・アルバムとしてはサードの「カーニー」の後というタイミングになるようです。こちらはラッセル節炸裂の渋いスローブルース仕様で、ヒット性や後年に聴かれ続けるような要素は皆無です。しかしながらこの渋さが実に良い。ラッセルのシェルター時代のシングルとしては比較的珍しい1枚かもしれません。特にプレミアがついているわけでもないようですが。何故か両面がモノラルで、プロコルのファーストじゃないけれど、リリースを急ぐあまりこうしたのかと、勘繰ることも可能です。クリスマス・シーズン商戦を狙ってレコードを発売するならわしがありますから。紙ジャケットで全てリイシューされる彼のアルバムの中にもボーナス・トラックとして収録はされないようで残念ですが。
ブルースロック 7" Single シェルター揖斐是方
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『ストリング・ドリヴン・シング』『占い師のヴァイオリン』 1973年の英国アンダーグラウンド・ロック・バンド
カリズマ・レーベルからのリリースですし、一応はプログレッシヴ・ロック・バンドとカテゴライズされているようですが、もっとダークでエモーショナルな「アンダーグラウンド」然としたサウンドの非常に特異な個性を持ったバンドでした。これは厳密にはセカンド・アルバムにあたり、カリズマからのいわばメジャー・デビュー盤といったところでしょうか。国内盤はシングルジャケットですが、英国オリジナルはゲートフォールド仕様。デザインはヒプノシス。特徴はなんといってもバンド名が示す通りのヴァイオリンをフィーチャーしているところで、ドラマーが正式にメンバーとなるのはこの次の次のアルバムあたりから。結構キャッチーなメロディの歌ものが印象に残る、知る人ぞ知るブリティッシュ・ロックの隠れた佳作といえるでしょう。アルバムでは「フェアグラウンド」と題されたナンバーもシングルの邦題は「占い師のヴァオリン」。ヴァイオリンをフィーチャーしたバンドといえば、コーマスやサード・イアー・バンド、コックニー・レベルを想起しますが、ここまでバンド名に直球でそれを反映させていたのは、当然彼等だけでした。
アンダーグラウンド・ロック LP, 7inch カリズマ揖斐是方
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キャメル/キャメル ファースト(1973) 日本盤オリジナル
ジャケットを見ただけでレコードを買うことは滅多にしないほうなのですが、これはその「ジャケ買い」最初の一枚で、しかも内容も著しく気に入ったものとして、現在もフェイバリット・アルバムであり続けています。1973年当時、エルピーを一枚買う行為は、大変な決意・決断が伴うものでした、世代的にご同輩の方々も同じかと思われます。レコード店店頭で出会ったこの一枚は、なんとも奇妙なビジュアルで心に残ったものの、その場ですぐ買うことはせず、一旦パス。後日、どうしても気になり再び赴くも、すでに無く、慌てて店員にたづねると、廃盤だかなんだか、とにかく返送するレコード箱のなかに入れられておりました。危ないところでした。聴いてみるとブリティシュ・ロックとしかいいようのないクールでスマートで洗練された、しかし翳りと独特の湿度のある素晴らしい内容。プログレッシヴ・ロックとして聴いていなかった気がします。とにかくこれはいいバンドを知ったということで、セカンド、サードと聴き進めたのですが、ピンとこない。このファーストにあった「歌」が失われ技巧に走り始めた印象がありました。MCAレーベルにあった音の色気がデラム・レーベルに移って損なわれた気がしたのです。このへんのことは、後にビッグネームに成長するバンド、キャメルのファンの方は当然異論もおもちかもしれません。約半世紀ぶりに、当時破り捨てた(笑)帯を取り戻したのですが、そんなにプレミアのつくレコードになっていなかったのはラッキーでした。ただ、この初回帯は珍しいようですが。そういえば当時すでにエルピーは定価が2000円や2200円だったにもかかわらず、これは1800円で買えた、その点も大変重要でありました。#camel
ロック LP, Album MCA揖斐是方
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真夜中の太陽/ジューシー・ルーシー Midnight Sun/Juicy Lucy
昔は特定のレコード会社が提供するラジオ番組がありまして、いくつも思い出すことができます。ローカル局のもあれば、全国ネットのもありましたが、毎日、夕方の五時台にコロムビアの洋楽だけを流す10分ほどの番組中に一度だけ聴き、入手したのがこのシングル盤です。当時はこの会社のロックではユーライア・ヒープが一番ポピュラーでヒットしていたと記憶しますが、これは彼等と同じブロンズ・レーベルに属していたジューシー・ルーシーの、国内では四枚目にして最後のシングル盤です。名シンガー、ポール・ウィリアムスにスティール・ギタリストのグレン・ロス・キャンベル、後にホワイトスネイクで名をあげたミッキー・ムーディーも在籍していました。バンドはベストを除いて四枚をリリースしましたが、参加ラインナップはすべて違った笑。そのへんが残念な良いバンドでした。#whitesnake #mickymoody #misunderstood #tempest
ロック 7" Single ブロンズ揖斐是方