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YF-23 ブラック・ウィドウII 1号機(PAV-1) Spider
1977年に初飛行した、ソ連製戦闘機 Su-27及びMig-29への対抗として、
当時アメリカ空軍で主力戦闘機だったF-15の後継機として
次期ステルス戦闘機の開発を目的とした
ATF(Advanced Tactical Fighte・先進戦術戦闘機)計画が発足。
国防総省(ペンタゴン)の要求として、
機動性、超音速飛行(スーパークルーズ)、ステルス性、信頼性(整備性の良さ)
が求められた。
アメリカ国内の航空機メーカーからは、2社が選出され、そのうち
ノースロップ社(現・ノースロップ・グラマン社)が設計、開発した
試作ステルス戦闘機。
もう1社となるロッキード社(現・ロッキード・マーティン社)開発の
YF-22と、ATFの座をかけて争われた。
1990年(平成2年)6月22日に、1号機のPAV-1が報道陣へ初公開、
1990年(平成2年)8月27日に初飛行。
1号機となるPAV-1には「スパイダー(Spider)」の愛称が付けられ、
前部主脚ドアの内側に愛称が記載された。
なお、対抗機のYF-22は、1990年(平成2年)8月29日に初公開された。
ステルス性を特に重視して設計されており、
水平尾翼と垂直尾翼を廃し、新たにV字尾翼を採用して
ステルス性向上を図っている。
エンジンは、プラット&ホイットニー社の「YF119-PW-100」
ターボファンエンジンを搭載。
後に製造された2号機(PAV-2) GrayGhostでは、
性能比較として別企業のエンジンが搭載されていた。
排気ノズルの長さを上下で変え、耐熱・吸熱性タイルを
敷き詰める事で、下方からの熱源探知を困難にさせ、生存性を向上。
推力偏向ノズルは採用されなかったが、十分な翼面を確保した恩恵もあり、
音速飛行中も良好な機動性を発揮し、テストパイロットからの評判も上々だったようだ。
初公開予定日の2日前、機体下部の通気孔の縁が鋭く尖っていたので、
注意喚起として、チーフエンジニアのボブ・サンダースキー氏が
目印を付ける事を提案。
クルーチーフのデイブ・モーリス氏が、赤色のペイントスプレーで
目立つように塗装したところ、偶然にも赤色の砂時計の形となった。
これは、クロゴケグモの胴体にある赤色の斑点と同じ模様となり、
クロゴケグモの英語名"ブラックウィドウ"の名に相応しい
マーキングとなった。
しかし、初飛行後に上層部から砂時計のマークを消すように
指示されてしまい、即座にマーキングは削除されてしまった。
秘匿性の高い計画故に、詳細な結果については公表されていないものの、
YF-22に比べて、ステルス性、高速性能、燃料搭載量に優れていたと言われている。
しかし、1991年(平成3年)4月23日にATF計画としてYF-22が選出された為、
YF-23はあえなく敗れる事となった。
ダイキャスト製モデルで、縮尺は1/114。
V字尾翼が稼働するが、パーツの摩耗や破損が怖いので
あまり動かしたくないのが本音。
機体後部が重たいので、バランスを崩すと尻もちしてしまうのはご愛嬌。
2025年現在、生産はされていなく、試作機という特殊性もあり、
オークションサイトでも高値で取引される製品。
当時、偶然ネットサーフィンで見つけて、
なけなしの小遣いで購入した当時の自分を褒めたい。
エースコンバットでも度々登場する機体でもあるので、
ゲームプレイでも必ず選ぶ程の愛機。
2018年現在、1号機(PAV-1)はオハイオ州の国立アメリカ空軍博物館に
保存されているので、いつかは実機に会いに行くのが管理人の夢。
