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The Romantic Piano Concerto~ 39 Delius & Ireland
ハイペリオンのロマンティック ピアノ・コンチェルトのシリーズの一枚。
ロマンティックというイメージでくくっているところが売り手の苦労しているところだろうけど、ショパンとかリストとかは入ってないよね。でも、フィンジィとかシャルヴェンカとかパリーや普段聴けない作曲家のピアノ協奏曲が手軽に聴ける。
この二人の作曲家のものもそう。
ただ、ディーリアスのこの作品は素晴らしくて、ボクはクリフォード・カーゾンがハイティンクやビーチャムと録音したものをよく聴いていました。多分カーゾンはこの曲を献呈されていたのかもしれません。例えばメトネルのソナタをリヒテルが弾くようなものですね。
このCDはジョン・アイアランドが聴けるというところがミソでした。
それぞれ作品の印象については長くなるのでLabの方に回します。
https://muuseo.com/Mineosaurus/diaries/177
あくまでもここは所蔵の展示として。
なお、ピアーズ・レインって読むのかな?このピアニストもオケも存じません。繊細なフレージングが明確ですね。
フレデリック・ディーリアス
ピアノ協奏曲ハ短調(原典版)
1904年に完成したこのピアノ協奏曲は彼の盟友であるトーマス・ビーチャムによって改訂されていいますが、この演奏はそっちの方ではなくてディーリアスが当初書き下ろした原形そのままらしい。
ボクは必ずしも原点至上主義ではないので、改訂にはそれなりの意図があったものであり、それを作曲者自身が承認している以上、それが妥協であれ何であれ、あっちが良かったとかこっちが良かったとかいうのはどうでもいいと思っています。(だからブルックナーの何とか版というのはほとんど無視です。)
ただ、作曲者が死んでから遺言なしに勝手にやるのは言語道断だろうけど。
この作品の場合はだいたい英国国内でない以上、改訂版ですら聴く機会がないのだから、読めないスコアを広げて、「ここがどう」とか「あそこが違う」とかいうつもりもさらさらないですね。
第1楽章 アレグロ マ ノントロッポ
第2楽章 ラルゴ
第3楽章 マエストーソ コン モルト モデラート
ジョン・アイアランド
ピアノと管弦楽のための『伝説』
一番聴く機会がなさそうなのでちょっと紹介
ドビュッシーを思わせるように断崖に添って広がった牧草の上を柔らかいホルンの音色が吹きわたっていく。バスクラと濁りのない金管の角が取れた円かな音の中からトウッティが物語の始まりを告げる。ピアノは打楽器として組み込まれていて流れを作りながらおしゃべりを始める。
ライナーノーツにここら辺のエピソードが語られているのかもしれないけれど、純粋に音の詩というとらえ方をしてみた。
メロディの外郭に表現してゆく物語の流れがあって、風景の詩的時間の経過が語られる。
アンニュイなマラルメの風景ではなく、ここには牧神はいないけれど、切れるような繊細な牧草の先端が風の吹きすぎる方向を示している。
その向こうに何があるかわからないけれど。
僕のイメージするイギリスの鄙びた微笑みの音楽ではないね。
https://youtu.be/KYnLeXoPzG8?si=BxlDkj4SAnx89FRT
ピアノ協奏曲変ホ長調
第1楽章 イン・テンポ モデラート
第2楽章 レント エスプレッシーヴォ - アレグロ-カデンツァ
第3楽章 アレグロ ジョコーゾ
紹介はLab
https://muuseo.com/Mineosaurus/diaries/178
woodstein
2024/03/30 - 編集済みディーリアスといえばビーチャム、という刷り込みがあるせいか、彼ならば多少のことをしてもいいのでは、と思ってしまいますね。
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Mineosaurus
2024/03/30いつもありがとうございます。まあ、改定は本人の了承の下に行われたようですが、どっちがいいかと言われれば、ビーチャムの提案の方がいいような気がします。ビーチャムの中にディーリアスという音楽家はこういう表現であってほしいというような刷り込みがあったようにも感じますね。協奏的には第1楽章のコーダは原典の演奏がきっぱりして次のラルゴに向えそうですが、余韻嫋嫋の閉じ方をした後のラルゴもいいです。ビーチャムの提案を無碍にしないところもイギリスっぽいですね。ブラームスとヨアヒムだったらこうはいかないわね。((´∀`*))
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