ユリウス・レントゲンの室内楽4曲---無銘の辛口

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ユリウス・レントゲン
1855年5月9日~1932年9月13日
オランダを主戦場に活躍したドイツの作曲家。後にオランダに帰化する。
ハンス―フォンビューロウがもし、引き受けなければおそらく彼はその設立に大いに関与したアムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団の初代音楽監督になっていたかもしれない。彼の根っこはドイツ音楽にあり、ブラームスやシューマン、リストなどの影響を受けている。
特にリストはピアニストとしての彼の資質を認めており、ブラ―ムスは自作のピアノ協奏曲第2番を頻繁にアムステルダムを訪問し、自身の指揮でユリウスのピアノによる演奏を行っている。

作曲家としては実に膨大な作品を残している。
交響曲は記録には第19番までピアノ協奏曲は6曲2曲のチェロ協奏曲、3曲のヴァイオリン協奏曲
そのほか紹介したこのCDになるような室内楽に至ってはマックスレーガー並みの膨大さである。ピアノ曲も8曲のソナタの他にも様々な個性を見せる。
どの作品もしっかりした構成と音楽的個性に溢れている。
と言ってもすべて知っているわけではなくて、発売されているCDのほんの少ししか手元にはない。
晩年はドイツ現代音楽にも多くの貢献をしているが、主に発売されている作品のほとんどは壮年期から晩年にかけてのものであり、調性音楽である。
エックス線の発見でで有名なウィルヘルム・レントゲンとは関係ないようで、発音はレントヘンというのが普通のようだ。
彼の名はパブロ・カザルスのピアノ伴奏なんかにも記録が残っている。

彼の室内楽はピアノとチェロが関係するものがより深い。近代音楽のカテゴリーに入るのだろうけど、すっきりした切れ味ともたれないスキッとしたロマンティシズムを感じさせる。弦楽の流れには額にちょっと縦じわ寄るけれど、マックス・レーガーにあるような晦渋さはない。

しかめっ面した店主が黒ずんだカシの木の棚から取り出してほこりを被ったままドン…とテーブルに載せた。
そんな感じの
新古典の峻烈な冷水の中で醸成された生一本です。

このCDは4曲を収録
ピアノ五重奏曲イ短調作品100(1927)

https://youtu.be/nSJHY_qGak8?si=j0meDvu9FlPeUF5f

クラリネット三重奏曲嬰ホ長調(1921)
ヴイオラ・ソナタハ短調(1924)
弦楽六重奏曲ト長調(1931)

サンプルは一曲目の作品100第2番のピアノ五重奏曲です。


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