054 ルール

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正直に言うと…。
記憶の紋様なのに、その紋様の作者なのに…大して語れる思い出がない紋様がある。
別にその紋様に思い入れが無いわけではないし価値が低いと思っている訳ではない。
そういうのは大抵は描きたい、腕を動かしたいという衝動に駆られていたり。ある紋様の派生(描くときのルールを少し変えたもの)だったりする。
ただ、私がこういう状態になるときは決まって次に描く紋様が決まっていないとき…つまり紋様を思いつかないときだ。
私は何かに煮詰まると頭の頂点からうなじあたりが熱くなる気がする。皆様はそんな経験はないだろうか?
そういった想像の行き止まりの中で考えたこの紋様は…過去に描いた紋様の描くときのルールを変えて派生させることだった。恐らく034、040辺りを参考にしたものだと思う。

更にルールといえば…記憶の紋様(当時:紋様パネル)を作るときに守っているルールがある。
一つのコンセプト(当初は紋様のパターンデータブック)があってその作品群を作るときに守るべきルールを作っておかないと作品の方向は無秩序で多方面に向いてしまいバラバラ…同じ世界観の中で存在できなくなってしまうからだ。
ルールは大きく3つ
①過去に描いた紋様と同じ、あるいは酷似している紋様を作品群に登録しない(このためにカタログを用意している)
②ペンの色は2色で黒と暖灰色。画面の構成に使う色は黒、灰、白とする(デリーターのネオピコマルチライナーを使う)
③パネルに水張りをし作品としての形態をとること
この3つを守っている。近いうちに3番目のルールは変わるかもしれないが、1と2はこの作品を作り続けるうちは守ると思う。
何かを創り出す時にルールは邪魔になることが多いが、一度作り始めたらこういう自らを縛りつけるルールは自分にも他者にも爽快感を生み出してくれると思う。

ルールは道標だ。

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