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ADVANCED SQUAD LEADER starter kit #1
1977年、アヴァロンヒル社より画期的な戦術級シミュレーションゲームが発売されました。そう、『スコードリーダー(戦闘指揮官)』です。
https://muuseo.com/simulationgame/items/4
二次大戦の歩兵戦を精密に再現した、ステップアップ方式の学習ルール、汎用マップを組合せ、シナリオシート毎に戦場を再現するシステム、どれをとっても当時としては決定版とも言える戦術級ゲームでした。
しかし…、エキスパンションの『騎士十字章』『電撃ドイツ戦車隊』が発売され、歩兵戦にAFVや戦車が登場するようになると、これがうまくいきません。移動力も火力も桁違いの歩兵とAFVを同一ルール、同一スケール上で再現するには、かなり無理がありました。そのため、両者の矛盾を穴埋めするかのように、ルールはどんどん改訂され、差し替えられ、複雑化していきました。1982年に第四弾『GI勝利の礎』まで発売した時点で、もう、ルールを読むのも一苦労な化け物のようなゲームになっていました。アヴァロンヒルも、こりゃまずいと考えたのでしょう、仕切り直しとしてに新たなシリーズを打ち出します。それが1985年に発売された『アドバンスドスコードリーダー』(略してASL)シリーズです。ルールは整理され、プレイ可能なゲームとして蘇りました。以降、戦術級ゲームの決定版の地位をキープし、標準モジュールだけでも12種類が発売され、サードパーティ発売のものも含めると2000以上のシナリオが発表されています。
だがしかし、モジュールが増えすぎたために、各モジュールに特定のユニットやマーカーが分散されて収録されるという事態になっており(例えば主要ドイツ軍とソ連軍はビヨンドバラ―、日米のユニットならヤンクスなど)、特定のシナリオをプレイするためにはこれとこれのモジュールが必要、このシナリオをプレイするためには3つのモジュールを持っている必要があるなど、これから始める人にとってもとても敷居が高いゲームになってしまいます。そうこうするうちに発売元のアヴァロンヒル社はハスブロー社に買収され、ハスブロー社のファミリー向けのゲームしか発売しない方針によってASLは消滅する危機に瀕します。
ここで腰を上げたのはMMP社です。ハスブロー社よりASLの版権を買い取り、新作シリーズを発売することになります。
そして、2004年、満を持して発売されたのが『ASLスターターキット#1』です。
これはASLルールの中から比較的易しいルールのみでプレイできるシナリオだけを集め、単体でプレイできるように収録ユニット、マップを調整して発売されたものです。まさに入門用スコードリーダーと言える作品です。ASLには興味はあるけど、どのモジュールを買ったらいいのかわからない、という人にピッタリのゲーム、これさえ買えばASLは始められるというキットです。現在#4までシリーズは発売されており、それぞれ単体で遊ぶことができます。#1では歩兵と携帯火器、#2では大砲、#3ではいよいよ戦車が登場します。#4では太平洋戦線、つまり日本軍が登場しています。
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