「我が美しき聖ジョヴァンニ」(ダンテ) ~ サン・ジョヴァンニ礼拝堂

初版 2024/09/08 21:19

改訂 2024/09/09 21:56

ウフィッツィ美術館の帰りに、ドゥオモ隣のサン・ジョヴァンニ礼拝堂に寄りました。フィレンツェでは最も古いロマネスク建築のひとつで、11世紀に建て始められました(おそらく平等院鳳凰堂と同じ頃の創建)。大変美しい八角の礼拝堂です。

以下ウィキペディアより……屋根部分全体は1128年に、頂頭部のランターンは1150年に、司教座のある内陣は1202年に完成した。「サンタ・レパラータ教会」(こちらは遺跡として残されており、後日ご紹介します)が見劣りするためと考えられるが、こちらが礼拝堂として用いられていた。しかし、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)の建立にともなって、1355年から1375年まで改修を行い、礼拝堂に入る前に洗礼を施す洗礼堂として使われるようになった。この洗礼堂で洗礼を受けたダンテ・アリギエーリは、『神曲』地獄篇で「わが美しき聖ジョヴァンニ」とこの洗礼堂に言及している。

礼拝堂入口の看板。

リュックはダメだけど手提げカバンはオッケー👍とのこと。

キベルティ作「天国の門」1452年。でも礼拝堂の東扉に取り付けられているこちらはレプリカで、1990年代にあの「サンモトヤマ」さんが寄贈したものです。ミケランジェロがその美しさを讃え、「天国の門」と呼んだことからこの名が付けられました。

こちらがオリジナルの「天国の門」。ドゥオモとなりのドゥオモ付属美術館に展示されています。「旧約聖書」の物語を主題とした合計10枚のパネルが、左上から始まって右下で終わるよう、アダムとエヴァの堕落、楽園追放後の人類の下降していく道程を追っています。遠近法を利用した「異時同図法」を使用して、異なる時間をひとつのパネルの中に描きこみ、多くのシーンをわずか10枚のパネルで描き切っています。

2023年から始まった天井画の修復のため、高い足台が作られています。

修理費用は1000万ユーロ掛かるとのこと。天井のモザイク画の面積は1000平方メートルですから、1平米あたり1万ユーロ掛かるということになりますね。

もともとの天井画(ビザンチン様式のモザイク画)はこのように金色に輝いています。13世紀の作と言われています。

洗礼堂内部の後陣。

大理石の緑がとても美しいです。

対立教皇ヨハネス23世(1370-1419)の墓碑。ドナテルロ、ミケラッツィの共作で1425年頃の製作です。

石でできているとは思えない天幕のふわっと感。

この礼拝堂は映画「インフェルノ」のロケ地としても使われましたが、どこを見ても静謐で美しく、トム・ハンクスのように中を歩き回れる雰囲気ではありませんでした(笑)。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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    レLEGOの日記

    2024/09/09 - 編集済み

    1,000万ユーロ‼️
    って…16億円くらい???
    文化を引き継いでいくということは、お金のかかることですね〜💸💸💸

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      グリーン参る

      2024/09/09 - 編集済み

      日本も同じですが、文化財の保護にはお金が掛かるんですよね。ちなみに今回の薬師寺東塔の修復費は28億円だそうです。それを考えると、天井モザイク画の修理だけで16億は割高な感じがします。
      スケールは桁違いに小さいですが、私の若狭塗も購入価格より修理費用の方が断然高額です😅。

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